2026年06月12日

健康志向で人気のブロッコリー 新「指定野菜」

 食卓に不可欠だと農林水産省が位置づける指定野菜に今春、ブロッコリーが仲間入りした。追加は1974年のジャガイモ以来、実に半世紀ぶりとなる。野菜の消費量が減少傾向にある中、近年は冷凍の輸入物が市場を席巻しつつあり、農水省は指定をテコに国産野菜の復権にもつなげたい考えだ。と6月10日の読売(岡本立記者)が夕刊で伝えている。

 ブロッコリーにはビタミンCがレモンの1・4倍、たんぱく質もホウレンソウやジャガイモの2〜3倍含まれ、栄養価は高い。健康志向の高まりとともに需要が伸びているという。

 少子高齢化や農家の減少に加えて食生活の変化もあり、24年の野菜の作付面積は42万2600fと10年前から1割以上減っている。一方のブロッコリーは2割増の1万7300fだ。

 野菜の自給率は80%前後を維持しているものの、近年は輸入品を含む冷凍や加工済み野菜の伸びが著しい。

 農林水産政策研究所の試算では、生鮮野菜はほぼ100%が国産だが、加工・業務用は約3割を輸入に頼っている。スーパーに並ぶ冷凍ブロッコリーは中国産やエクアドル産でほぼ占められているという。

 国産化を促すため、農水省は26年度予算に3億円超を計上した。加工に適した国産品種の栽培などを支援しており、30年度までに生鮮・冷凍輸入野菜(約130万d)の4分の1を国産に置き換えていく計画だ。


 40代早々、3か月入院した。それも絶飲食でだ。体重が20`痩せた。当時していた結婚指輪が抜け落ち、体重が減ると脚が細くなり、指もまた細くなるということを自覚した。
 炎症性腸疾患クローン病と診断されたが、難病に数えられているとおり、未だに通院して薬を服用している。
 病気になる前は酒も飲んだし、肉もよく食べた分、野菜の摂取量は少なかったかもしれない。
 絶飲食中は、「クロワッサン」など当時の食の雑誌を眺め、食べたつもりになるということを経験した。
 退院後は、厳しい食事制限があり、以降、肉を食することはなくなり、中華など油っこいものは制限され、フライやてんぷらなども食べなくなった。
 退院してから、数年間は水で溶かして飲む栄養剤で過ごしたが、次第に、コメや豆腐、卵など消化に良いものは食べてよいことになっていく。
 その後、野菜中心の食生活で今日に至る。

 わが家は農家ではなかったが、畑が少しばかりあり、戦争から無事帰ってきた父親が休日に野菜を作るのを小学生の時から手伝わされた。
 明治生まれの厳父で、逆らうことなど許されるわけもなく、顔色を窺いながら生活していた。
 畑の手伝いと言っても、予定が終わらなければ、昼飯が食べられないという厳しさだったから、今思えば、我慢とか自然に身についた。

 16歳の夏休み、夜中に吐血した父親は急性動脈瘤破裂という診断名だったと記憶するが、救急車で運ばれ、しばらく入院はしたが、意識は戻らず、帰らぬ人となった。

 父親が亡くなったので、畑は荒れ放題となったが、やがて、枯草火災を起こされ、消防署に怒られた。
 再び、開墾し、50代半ばを前に病気加療を理由に退職し、再び野菜作りをするようになる。

 さて、件のブロッコリーである。
 初めは、ブロッコリーをどうやって作ればいいのかわからず、畑を所有している尺八の仲間が練習のとき、採れたてのブロッコリーを持参してプレゼントしてくれた時、「苗を売っているし、手間もかからないから、やってみたら」と励まされ、チャレンジすることになった。

 経緯はわからないが、農家ではないにもかかわらず、地元農協の組合員になっていたわが家には農協から回覧で㋅になると、ブロッコリーやキャベツ、白菜などの苗の注文が届く。注文すると、8月末になると苗が届き、そこから、ブロッコリーの生産が始まった。

 環境問題に極めて関心が高かった立場から、有機無農薬での野菜作りに拘り、消毒をしなかったら、夜盗虫や青虫に食われ、虫取りに追われた。

 他所の畑を眺め、虫よけのトンネルをかけることを学習し、今では、商品とさほど変わらないブロッコリーが収穫できるようになった。

 親族や親しい人におすそ分けすると「甘い」とか「売っているモノより美味しい」とお世辞抜きに褒められた時は気分が高揚する。

 ただし、冬場しか作れないので、できれば、これからの季節もスーパーにあるように作りたいが、虫との戦いが厳しく断念している。

 食料自給率のことを考えると、少しでも空き地があったなら、野菜を作ることにチャレンジすることをお薦めしたいくらいだ。
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2026年05月13日

ワイン造りのブドウの皮・種を堆肥に大豆栽培

 未利用資源を使った研究を通じて地域を盛り上げたい―。東洋大牛久高校の生徒たちが、ワイン造りで捨てられるブドウの皮や種を堆肥に再利用し、大豆を栽培している。
 授業の課題として始まった取り組みは、有志生徒による団体設立につながり、地域の特産品作りにまで発展しつつある。と5月6日の読売(橋爪悦子記者)がSDGs@スクールの紙面で伝えている。

 牛久市内には明治時代に開設された日本初の本格ワイン醸造場「牛久シャトー」がある。
 同校の「課題研究」の授業でシャトー担当者からワイン醸造時に残るブドウの皮や種(ワインパミス)が廃棄されていることを聞いた大場蓮さん(18)が「牛久の未利用資源で社会課題を解決すれば街の活性化にもつながるはず」同級生と3人でワイン堆肥作りに乗り出したことが契機となった。

 シャトーからワインパミス、近隣農家と地元きのこ園から米ぬかや菌床などを譲り受け、24年10月から校内で堆肥作りを始めた。

 堆肥は、学校近くに借りた休耕田に撒いて大豆を栽培すると決めた。
 将来的な「たんぱく質危機」を知ったからだ。

 25年4月からは、学校公認の研究団体「SDGs Lab」として活動を続け、11月には収穫した大豆約40`を豆腐店「染野屋」に依頼し「大豆ミート」に加工した。
 この大豆ミートを使い、牛久沼で知られる「うな丼」作りにチャレンジし、更なる飛躍が期待される。


 団塊の世代の一員で、有機無農薬での野菜作りに取り組んでいる立場として、東洋大牛久高校の生徒諸君の取り組みを激賞している。
 お世辞抜きに若いって素晴らしいとエールをおくりたい。

 昨日、「アップサイクル」の事を書いたばかりであるが、生徒諸君の取り組みもアップサイクルの一つになるのだろうか。

 家庭から出る所謂生ごみをほぼ毎日畑に埋めて堆肥化させている。
 大豆といえば、以前、豆腐店から出るおからの再利用で堆肥化させる話を耳にしたことがあった。
 もっと視野を広げれば、家庭から出る所謂生ごみをきちんと分別させ、プラントで堆肥化させることを提唱したことがあったと記憶する。
 未だに実現していないのは、自治体の担当者にやる気がないばかりか、国のトップに見識がないからだ。

 同じ街に住む男性が若い頃、米国に行き養豚業を学習してきたと耳にしたことがある。
 帰国後、実際に養豚業を始め、豚の餌を残飯で賄うことを企図し、飲食店から残飯などの生ごみを集め、豚の餌にしていたことがある。

 ところが、長く続かなかったのは、養豚場の近くまで宅地開発が進み、悪臭で付近住民に告発され、養豚業を止めたことがある。狙いは間違っていなかったと思う。

 一日も早く、生ごみが堆肥化できるプラントができ、多くの自治体で実践されることを願っている。
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2026年02月25日

食品の「原料原産地表示規制」是正を要請

 「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」制作・発行の「TPP新聞― 守ろう!命と暮らしと未来」VOL.26 2026年2月号が手許に届いている。

 「種子法廃止違憲確認訴訟 上告棄却、裁判終結する」という見出しで、2018年4月、主要農作物種子法を廃止したのは私たちの「食料への権利」を侵害し、憲法違反であり無効であるとして、2019年5月、国相手に起こした裁判の結果を知らせる内容だった。
 裁判は勝訴ということにはならなかったが、「食料への権利 礎築いた10年」―弁護団・有識者からのメッセージも紹介されていたことは心強い限りである。

 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に参加すると表明したのは2010年の民主党政権の時で、当時、農水大臣の任にあった山田正彦さんは猛然と反対し、大臣を辞した。
 「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」を立ち上げ、訴訟団をリードし、現在も有力なメンバーとして活躍されている。
 その山田さんが「歪められた食品の「原料原産地表示規制」是正を要請したことも「TPP新聞」は伝えている。
 2013年に成立した食品表示法では、国内で製造・加工されたすべての加工食品に対して「消費者が安全に摂取し、(略)選択するために必要と認められる事項」のひとつとして原料原産地の表示を義務づけた。
 ところが、消費者庁が独自に定めた食品表示基準(2017年改正・施行)では、国内で作られた加工食品はその原材料の産地がどこであろうと「国内製造」と表示できることになった。
 海外産と表示したくない大手食品企業の意向も汲んだ消費者庁の判断だったとみられる。
 2025年10月16日、適切な是正措置を求める申し出を提出した。
 対象として食パンと食用なたね油を挙げている。


 退職して自由になることばかり考えていた自分は、結婚するとき、連れ合いに定年まで働いてほしい。自分は早く退職したいと手を合わせてお願いしたことがある。
 表向きは自分の母親と同居してもらうため、顔合わせる機会が少ない方がいいだろうからというもっともらしい理由を第1に挙げたが、連れ合いは不満そうなそぶりをみせることはなかった。
 というわけで、伴侶はこのひとしかいないと強く願ったことを思い出す。
 父親が病死した年齢を過ぎた50代半ばを前に退職し、自由を手に入れた自分は、食料品、日用品の買い出しに一日おきにスーパーに行っていた。

 連れ合いが退職するまでずっと続いた買い出しも、連れ合いの退職後はいつの間にか連れ合いに任せていたが、一日おきに行っていた買い出しがまとめ買いをするようになってから、あまりにも大変そうで、見かねて一緒に行くようになった近年、買い出しが復活すると、やはり、原材料の産地であったり、国内製造かどうかなどが気になるようになってきたのである。

 山田正彦さんが指摘している食品の「原料原産地表示規制』の是正に関しては、食の安全という観点から大いに支持できることで、食品に関しては中国産であると衛生面が心配だったり、米国産のグレープフルーツには多量の防腐剤が使われているのではないか。大豆なら遺伝子組み換え製品かという心配で国内産を買い物かごに入れてしまうのだ。

 米国に隷属する自民党政権が国民を守る意思など持ち合わせていないことを承知しているので、自分の健康は自分で留意していくよりない。

 「食品表示を正しくすることは、食の安全を守ること。このことは未来を担う子どもたちのためでもある。これから違憲訴訟の段階に進むが、原告募集の最新情報を見て、仲間に加わってほしい」と山田さんは呼びかけている。

 「子どもたちのため」「子どもを守る」といえば、れいわ新選組の共同代表になった奥田ふみよさんがいつも表明していることでもある。
 「自分の生き方が子どもたちに恥ずかしくないか」と裏金議員とされている人、メディアの人などに問いかけてきた奥田ふみよさん。
 食の安全こそは、子どもたちのためでもあるので、他人事と思わずに対処していくべきである。
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2026年01月03日

農と食と暮らしを守る自給圏づくり

 「アメリカによる「属国化」からの脱却が不可欠…破壊されつつある地域の「農と食と暮らし」を守るため、わたしたち一人ひとりにできること」というタイトルで、鈴木宣弘東京大学大学院農学生命科学研究科教授の著作『もうコメは食えなくなるのか』を紹介する現代ビジネスが極めて重要な食の安全保障について論じているので書いておく。

 「令和のコメ騒動」では、皆がこぞって、流通・農協悪玉論を展開したが、原因はコメ不足だと認めた時点で、流通・農協悪玉論は否定されたはずだった。なのに、流通・農協悪玉論が間違いだったと認める発言がないのはなぜなのか。そこにはコメ騒動を契機にして農協マネーと全農を米国のグローバル企業に売り渡す計画の実行が意図されている。

 今回のコメ騒動の根底には減反政策があるが、それは、米国の日本占領政策の一環としてコメ消費を減らして日本人が米国の農産物に依存しないと生きていけないようにする「胃袋からの属国化」の結果だ。

 また、米国の占領政策に対応して、農業を生贄に差し出して自動車産業の利益を得ることで経済発展を遂げるという日本の戦略もコメ騒動で最終局面を迎えた。自動車産業を守るために、絶対に譲ってはならないはずの日本人の命の要であるコメさえも差し出すから許してくれと言う「盗人に追い銭」外交で、コメも差し出し、自動車の利益も失った。コメ騒動が米国にコメをも差し出す流れにつながった。

 自分たちが自分たちの地域から自分たちの力で地域の農と食と暮らしを守る仕組み作りを強化して、「みんなで作ってみんなで食べる」自給圏作りを進めることが大切だ。
 以上が要旨である。


 首都圏の田舎町に生まれ育った団塊の世代の一員としては、近くの分校から小学校4年生になると少し遠い本校に通うようになって初めて学校給食を食べた。
 脱脂粉乳にパンだったけれど、今思えば、学校給食でパンを食べさせることで米国は日本に小麦を輸出することを目論んでいたのかと考えてしまうが、あながち間違っていないような気もする。

 恥ずかしながら東大の鈴木先生のことを知ったのは比較的近年のことになるが、自分が主張していたこととほぼ同じことを発信していると知り、嬉しくなってしまった。

 語り継ぐ戦争で学習するうちに反米という立場になってしまったが、日本はいかに敗戦国だからといって、いつまでも米国の属国でいることに甘んじていては戦没した先人たちに申し訳ないと自民党政権の人たちは考えないのであろうか。

 郵政民営化、農協マネーと全農を米国のグローバル企業に売り渡す計画と自民党親米政権は米国の傀儡政権みたいで、トランプ関税や減反政策で令和の米騒動を招くや、自動車産業にばかり肩入れし、米を切り捨ててしまったことは食料安保に力が入っていない証拠である。

 政府が減反政策を進めていた時、いつか米不足の時がやってくると思っていた。
 自給自足できていたのは米くらいなのにその米を減反政策で作らないようにしてきたのはナンセンスとしか思えない。
 令和の米騒動で備蓄米の古古古米を有り難く買わされた人々の姿を目にし、どうして簡単に騙されてしまうのかと怒りがこみ上げてきた。

 自分たちの食料をどうするのか。考えておかないと、令和の米騒動よりもっと大変なことが起こるだろう。
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2025年11月15日

「発酵ツーリズム」各地で広がる

 郷土に根差した発酵食品を観光誘客に生かす「発酵ツーリズム」が各地で広がっている。
 製造元が多い愛知県は、「うまみ県」を掲げて発酵食文化を広めるキャンペーンを展開。しょうゆやみりんの生産量が全国一の千葉県も大阪・関西万博に出展するなど魅力の発信に力を入れている。と11月12日の読売(桑田睦子記者)が伝えている。

 1337年創業の老舗で、海外20か国以上と取引する「まるや八丁味噌」(愛知県岡崎市)の蔵で9月、浅井信太郎社長(76)が、外国人ツアー客に製造工程などを説明している様子が紙面で紹介されている。

 健康志向の高まりを背景に発酵食品に注目が集まり、近年は海外の料理人も見学に来る。浅井社長は「160年以上前から使う木おけにも関心を持ってもらえる。道具を大切にする日本の文化も伝えたい」と話す。


 発酵といえば、小泉武夫先生というくらい、広く知られているのが発酵学を研究していた東京農業大学名誉教授小泉武夫さんだ。

 発酵食品が体に佳いことはよく知られたことで、わが国には発酵製品がご先祖から数多く受け継がれてきている。
 味噌、醤油、酢、みりん、ぬか漬け、納豆、イカの塩辛、日本酒、焼酎、もしかして伊豆諸島のくさやも。思いつくままに挙げても、わが国の食を支えている味噌、醤油を筆頭に隣国のキムチや欧州諸国のチーズやヨーグルトなど数多い。

 2004年の澄川嘉彦監督『タイマグラばーちゃん』は、岩手県の開拓村タイマグラで暮らす老夫婦に15年寄り添いその暮らしぶりを紹介したドキュメンタリー映画だった。
 ほぼ自給自足の生活だから、味噌、醤油などは手作りで、木造の建物の中に発酵を支える酵母菌が生きていると言っていたことを覚えている。
 その味噌や醤油には木製の樽が使われていて、発酵を支える器はプラスチックではだめだということでアンチプラスチックの立場の自分として嬉しくなったものである。

 国土面積の7割が森林だという日本では、昔から味噌、醤油、酒みな木の樽が使われてきた。
 プラスチック製品は米国との戦争に敗れてからやってきて、便利さから日常でも多数使われるようになったが、発酵に限って言えば、木の樽がベストであることは明らかである。

 発酵ツーリズムといえば、思いつくままに挙げた発酵食品のうち、味噌を例にするなら、愛知だけでなく、信州や仙台いう地名がついた味噌がある。
 日本酒、酒粕はそれこそ日本全国に造り酒屋があるし、焼酎造りは九州が盛んであるが、沖縄には泡盛がある。
 納豆といえば、水戸が有名であるし、くさやは伊豆諸島限定みたいなものだ。

 ぬか漬けは、おふくろの味のごとく、手間暇かかっている。

 発酵ツーリズムで終わらず、輸出品としてどんどん海外に販路を広げる事を考えるべきだ。
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2025年09月14日

「食料への権利」を認めよ!

 「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」から「TPP新聞」VOl.25 2025年8月が手許に届いている。
 有機無農薬での野菜作りを実践してきたので、食の安全には大いに関心があり、原告団にも加わったことがあるくらいだが、結果的に地裁で敗訴した段階で、勝ち目がないと判断し原告団からは外れた。それでも、会を支援するサポーターとして残っているため、会報である「TPP新聞」が届く。

 その間、国が種子法を廃止したため、「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」は、「種子法廃止違憲確認訴訟」を始めたが、一審で敗訴したため、控訴するも、「食料への権利」は認められなかったため、3月4日、最高裁に上告した。

 弁護団共同代表の田井勝弁護士が最高裁に上告したのは「誤った憲法解釈、法解釈を正す。それが最高裁の役割」だからと紙面の1面で訴えている。

 1952年に主要農作物種子法の制定で、戦後の食糧難を克服し、国民に安定した食を保障することを目指した。
 1999年には食料・農業・農村基本法で良質な食料が安定的に供給されることは国民の権利であり、国の義務であると明記されていると上告理由に加えている。

 種子法が廃止されて以降、民間品種「みつひかり」の不正事件やコメ不足、食品表示の厳格化などが起こっていることで原告団にも不安が共有されている。


 国家権力の力は強く、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)はすでに動き出しているが、それでも、生協など食の安全と安定供給に関心を持つ団体や個人は日本の食料自給率の低さなどから、食料の安定供給について心配していたところに、令和の米騒動で、コメ不足を補うためと称して政府は備蓄米の放出に踏み切った。

 TPP違憲訴訟と種子法廃止違憲確認訴訟については、オールドメディアとされている新聞やテレビではほとんど取り上げられることがないから、一人でも多くの人に知ってもらいたいと、こうして発信している。

 とかく、人は自分に直接かかわりがないと判断すれば、他人事にしてしまう傾向がある。

 しかしである。
 冷静に考えてみれば、食の安全、安定供給の問題であることを理解すれば、他人事だなどと言っている場合ではない。

 後期高齢者になってしまった自分はともかく、子どもや孫の世代の食料のことを考えれば他人事だなどと言ってられない。

 種子法廃止は多くの人たちに関わりのある問題だから、少なくとも社会問題としての意識を高めてもらいたい。
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2025年06月07日

規格外リンゴ 子ども食堂に 五所川原農林

 青森県立五所川原農林高校で規格外リンゴを子ども食堂に提供するなどフードバンク活動に取り組み、フードロス対策と一石二鳥の取り組みをしていると6月4日の読売がSDGs@スクールというタイトルの紙面で伝えている。

 同校の6次産業研究室の㏋によれば、活動テーマ
 地域資源「青森りんご」を活用したフードバンクプロジェクト〜子ども食堂に旬の農産物を届けるための仕組みづくりと実践〜
 【私たちの志】
 農業高校生の強みを生かし、青森県津軽地域の「子どもの貧困問題」解決に挑戦する!
 と紹介されている。

 規格外りんごなどが原料のジュース「五農の恵み」の売り上げで購入したコメや野菜といった食材も合わせ、毎年100㌕以上を五所川原市内の子ども食堂「憩いの広場ここ丸」などに届けてきた
 2年前からは東京や岡山、埼玉などの高校と協力して活動範囲を広げた。「シェアップル」と名付け、協力校を通じ、規格外リンゴ10㌕ずつを無償で子ども食堂など計8か所に送る。輸送費は「五農の恵み」の販売益で賄った。

 地域の小学生や保護者らに田植え体験を同校の水田で開催している。

 
 青森県の五所川原といえば、水森かおりが「女みちのく五能線」と歌った五能線の発着駅であり、太宰治の生家斜陽館がある金木に行くとき乗る津軽鉄道の発着駅もある。
 地吹雪ツアーで知られるストーブ列車が津軽鉄道の名物だ。
 「雪国」を歌ったあの吉幾三が住んでいることでも知られる街である。

 青森といえば、夏のねぶた祭で知られるが、弘前はねぷたで五所川原は立佞武多で知られる。
 津軽といえば、太宰治の『津軽』を読んだことがあるが、なんといってもリンゴの産地だ。

 青森県立五所川原農林高校の生徒たちが規格外リンゴを子ども食堂に送っていることを読売が教えてくれた。
 生徒諸君と指導者の先生に敬意を表しエールをおくりたい。

 我が国でリンゴの産地といえば、津軽と信州が有名である。山形などでもリンゴを生産していることは知っているが、津軽のリンゴといえば、自分と同世代の木村秋則さんが11年かけて無農薬リンゴの栽培に成功したことを取り上げたことがあった。
 その業績は2013年『奇跡のリンゴ』として映画化されたので観ている。

 実は果物の中でリンゴが大好きで、毎朝、ヨーグルトとロシア製法の黒パンを食べ、昼にヨーグルトとリンゴを食べている。

 青森は下北半島、津軽半島と行っているが、石川さゆりが歌った「上野発の夜行列車を降りた」時代の話で、語り継ぐ戦争で2010年6月におよそ30年ぶりに訪れ、米軍に撃沈された青函連絡船の犠牲者の慰霊をした。

 春の桜、夏のねぶた、秋の紅葉、冬のストーブ列車と見どころは季節ごとにある津軽。
 自分の好きな街の一つである津軽。
 五所川原農林高校の生徒諸君のお陰で、旅の思い出に耽ることができたし、子ども食堂では食材提供という社会的に意義のある支援をしているということで嬉しくなった。

 引き続き、後輩たちにも引き継いでほしい。
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2025年05月19日

国内供給を放置して進む輸入米と輸出米の危うさ

 【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「国内供給を放置して進む輸入米と輸出米の危うさ」というタイトルで農業共済組合新聞JAcomが3月21日に伝えていた内容はやがて来る食料危機を示唆していて怖くなってしまった。
 
 備蓄米が放出されたが、市場の「不足感」は極めて大きい。この夏にかけて、不足感がさらに高まる可能性がある。「流通に問題が生じているだけでコメ供給は足りている」との説明には無理がある。

 根本的には、農家の赤字は放置し、減反要請を続け、一時金(手切れ金)だけ払うから田んぼは潰せ、と誘導して、コメが作れなくなってきたツケである。

 消費者にとっても、所得が減る中での急激な米価上昇は苦しい。今、農家にとっての適正米価と消費者にとっての適正米価が乖離している。農家に増産を促し、消費者は安く買えるようにし、米価が下がっても農家の所得が得られるように支援することでコメ市場は安定化できる。

 一方で、輸入米が増えている。米国が狙っている。前のトランプ政権で日本は「盗人に追い銭」で25%の自動車関税を許してほしいと牛肉と豚肉を差し出した。中国が米国との約束を反故にして宙に浮いた大量の余剰トウモロコシまで「尻拭い」で買わされた。

 前回の日米貿易協定の交渉時の記者会見で、日本政府は米国との今後の自動車関税の交渉にあたり、「自動車のために農産物をさらに差し出す」ことを認めている。目玉品目はコメと乳製品だ。これが進めば、日本のコメや酪農の崩壊が早まり、日本の飢餓のリスクが高まる。安易に輸入に頼る落とし穴にはまってはならない。

 一方で、コメ輸出を8倍に増やすという目標が発表された。輸出米の付けには4万円/10aの補助金が支給される。ならば、国内の主食米の生産に4万円/10aの補助金を支給して、国内生産の増加を誘導するのが明確な方向性である。

 しかも、輸出振興とセットで必ず出てくるのは、規模拡大してコストダウンして、スマート農業と輸出の増加で未来は明るい、という机上の空論だ。日本の農村地域を回れば、その土地条件から限界があることは明白だ。100haの経営で田んぼが400カ所くらいに分散するしているからだ。

 中山間地域は、全国の耕地面積の約4割、総農家数の約4割、農業産出額の約4割を占める。大規模化とスマート農業でカバーできる面積は限られている。中山間地域の耕地を守らなければ、日本各地のコミュニティが崩壊して大事な国土・環境と人々の暮らし、命は守れなくなる。

 地域の疲弊は続くから仕方ないのではなくて、それは無策の結果だ。政策を変更して未来を変えるのが政策の役割だ。集落営農で頑張っている地域もあるし、消費者と生産者が一体的にローカル自給圏をつくろうという「飢えるか、植えるか」運動も筆者のセミナーもきっかけに広がりつつある。まず、地域から自分たちの食と農と命を守る仕組みづくりを強化していこう。
 以上が要旨である。


 語り継ぐ戦争であるが、戦時中は無論の事、敗戦後も食糧難の時代を経験した人たちにとっては、コメ不足によるコメの価格高騰は他人事ではあるまい。
 コメの価格高騰は政府の減反政策が誤りだったからだと指摘する鈴木宣弘教授の話は説得力があり、かつ勉強になる。

 トランプ関税に関して、自動車産業を筆頭に経団連の代弁者みたいな自民党政府はなりふり構わず土下座外交をし、米国が要求する農産物としてコメと乳製品を筆頭に農産物を犠牲にすることで自動車産業など輸出企業を守ろうとしているように思えてならない。

 市民にとって一番大事なものは自動車ではない。当然、食料である。
 その食料のうちから、コメと乳製品を犠牲にすれば、この先どうなるか想像できるだろう。
 農家と酪農家にはダメージで、そこまで食糧危機がやってきているようなものである。

 語り継ぐ戦争では、東京裁判でA級戦犯だった岸信介元首相から安倍晋三元首相までの派閥は郵政民営化をした小泉純一郎元首相も含め、米国の手先のように思えてならない。
 現に、ほかのA級戦犯は裁かれたにもかかわらず、一人放免され、後に、日米安保、不平等条約として知られる日米地位協定に関わっているのも米国の意図があったようにみえる。
 郵政民営化して、ちっとも良いことなどなかったが、何か魂胆があったはずだ。

 コメの価格高騰が減反政策の失敗によるものと認めたくない農林水産省は流通のせいにしたり、備蓄米放出では農協のせいにしたりしている。
 郵政民営化の次は、農協つぶしを画策しているからで、狙いは農協が組合員の農家から集めたカネである。
 にもかかわらず、農協関係者は相も変わらず自民党支持だから嫌になってしまう。

 とにかく、食料危機が目に目えてきた以上、真剣に食料確保の問題に取り組む必要がある。
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2025年05月06日

国産小麦パンで自給率向上 PASCO 敷島製パン

 「LEADERS 経営者に聞く」という連載に敷島製パンの盛田淳夫社長(70)が登場し、国産小麦パンで自給率向上を表明しているということを4月15日の読売が伝えている。

 敷島製パン(ブランド名Pasco)(名古屋市)の創業は1920年。スペイン風邪と呼ばれる新型インフルエンザが猛威をふるい、日本では1918(大正7)年の「米騒動」が起きていた時代だった。
 第一次世界大戦の終戦直後で、ドイツ人捕虜収容所が名古屋にあり、そこにパン職人がいて、おいしいパンの作り方を教えてもらった。
 世の中にコメが不足しているなら、パンを提供し食糧難の解決に役立てたいと考えた。「金儲けは結果であり、目的ではない。食糧難の解決が開業の第一の意義であり、事業は社会に貢献するところがあればこそ発展する」という経営理念は今も受け継ぐ。

 日本ではパンに適した小麦は栽培されておらず、北米産の小麦に依存していた。
 2008年に国産小麦を使った商品開発を始めた。
 今では約120商品で国産小麦を使っており、30年までに20%の国産小麦使用率目標値に対し、社内使用率は18・1%になった。
 2月から「和小麦」と記したロゴマークを付け始め、食料自給率向上への貢献を目指したブランドを立ち上げた。
 令和の米騒動は食品メーカーにとって商品の安定供給の重要さを改めて認識する機会となった。


 れいわ新選組の山本太郎代表や伊勢崎賢治さんがトランプ関税で米国へ行く土下座外交をしてはダメだ。とあれほど主張していたにもかかわらず、自民党、公明党政権どころか立憲など野党まで揃って米国行きを支持している。
 政治家がおめでたいと国がよくならない。
 自動車に関税をかけたければかけさせればいいだけのことである。
 トヨタは空前絶後の利益を上げてきたのだから、米国ではなく、車の売り先をアジア、アフリカ、欧州などに切り替えればいいだけのことである。
 輸出大企業は消費税の還付でも相当な利益を得ているではないか。
 米国に行き、小麦とトウモロコシの輸入を増やすことを約束したらしいが、コメも買えと脅されて秘密で買う約束をしているのではないか。
 農業を切り捨て、自動車産業ばかり擁護するのをやめなければ国が亡びる。
 国難だと大騒ぎするくらいなら、国内の農業を保護し、食の安全保障を第一に考えるべきだ。

 というわけで、企業経営者にしては珍しく、カネもうけは結果としてついてくるもので、企業の社会的貢献を会社の経営理念としてきたことを知り、高く評価している。
 敷島製パンといえば、Pascoパスコで超熟ロールは以前買い求めてよく食していたことがある。
 現在は、語り継ぐ戦争という立場から、ソ連にやられたシベリア抑留で収容所で抑留者が黒パンを食していたことから、ロシア製法の黒パンを秋田の大館から取り寄せて毎朝食している。
 食べながら、シベリア抑留のことを忘れないためにだ。

 国産小麦の生産量を増やせないのは、米国の命令かと思い、米粉でパンを作ることも考える必要があるだろうと考えていた。
 小麦を輸入に頼っているのは大きな間違いで、ついでに言うなら、トウモロコシだって国産で生産し家畜の飼料に使えばいいのである。
 明治維新以降、農業を切り捨て、工業化だとばかりに現在に通じる自動車産業などにばかり支援をしてきた政府のやり方に反対である。
 農業こそ、食の安定供給に不可欠な産業である。

 需要と供給の関係で、パン製造メーカーが国産小麦を使い、生産量が増やせる体制を強化することは素晴らしい。
 敷島製パンを応援したい。
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2025年04月29日

米、合成着色料使用停止へ 石油由来8種類

 【ワシントン=中根圭一記者】米保健福祉省と米食品医薬品局(FDA)は22日、米国の食品で8種類の合成着色料の使用を、段階的に止めると発表した。と4月24日の読売が夕刊で伝えている。

 いずれも石油由来の着色料で、2種類は数か月以内に認可の取り消し手続きを始め、残る6種類は2026年末までに食品会社に使用をやめさせる。これとは別に使用期限を27年1月と定めていた「赤色3号」は、業界に期限の前倒しを要請する。ロバート・ケネディ・ジュニア厚生長官は記者会見で「我々が健康でなければ米国を再び偉大にすることはできない」と述べた。

 米保健福祉省は食品会社に天然着色料への切り替えを求めるほか、米国立衛生研究所と連携し、食品添加物による子どもの健康や発達への影響を調べるという。

 消費者庁によると、日本では赤色3号は1948年に食品添加物に指定され、菓子や漬物、かまぼこなどに使われている。米国で2025年1月に使用期限が設けられたことを受け、同庁の専門家部会が2月、安全性などを審議。「直ちに使用基準を改正する必要はない」との見解をまとめていた。同庁は米国が段階的に止めるとした8種類の合成着色料について「今回の発表では科学的根拠が示されていないが、情報を集めて対応の必要性などを検討する」としている。


 ご先祖のお陰で、偶々、農地が少しばかりあったことから、有機無農薬で野菜作りを実践してきた。
 アジア太平洋戦争で召集されるも、戦地から無事帰国した父親は厳父で、休日には畑で野菜を作っていたが、小学校の4年生くらいから手伝わされた。
 5年生になった頃には、鍬で畑を耕していた。
 農薬を使った記憶はないし、肥料も堆肥を使っていたから、その当時から有機無農薬での野菜作りをしていたのかと思えば、化学肥料は買い求めると高価だったから使わないようにしていただけで、拘りなどなかったような気がしている。
 16歳になった夏休み、父親が突然、病気で亡くなった。
 父親が亡くなってからは、全く畑に行くこともなかったが、20代半ばで、荒れ地となってしまった畑で枯草火災が起き、消防署に呼び出され、始末書みたいなものを書かされた記憶がある。
 この時から、畑を開拓地のように開墾から始めて山茶花、柘植、梅、栗などを植えたが、草が伸びるのが早くて、困り果て、除草剤を撒いてしまった。
 ベトナム戦争で米軍がダイオキシン入りの枯葉剤を使った後の頃になる。
 緑色だった草がたちまち黄色に変色し、やがて枯れる様子を見て、とんでもないことをしてしまったと後悔した。
 山茶花には茶毒蛾、茶毛虫がついてしまうので、農薬を買い求め、撒いてしまったこともある。
 農薬を撒くとき、自分の体に良くないことに気づき、山茶花はすべて伐採してしまった。

 無知であることを恥じる。
 過去に学習したことから、野菜作りをするとき、有機無農薬でやることにしたというわけだ。

 50代半ばで退職してから、公害病に目覚め、食の安全にも目が向くようになっていく。
 防腐剤、合成着色料の危険性にも関心が芽生え、米国や中国の食品の危険性を知ることとなった。

 米国で石油由来の合成着色料赤色3号の使用停止になるというニュースが流れているにもかかわらず、常に後手に回る日本の消費者庁はすぐに対処するとは言わず、情報を集めて対応の必要性を検討するそうな。
 相変わらず、手ぬるいことを言っている。

 薬害のサリドマイドの時、米国はFDA新薬部門のフランシス・ケルシー博士が、米国メレル社の発売申請に待ったをかけ続けたことで被害を阻止した。
 しかし、日本では、そのことを知らなかったはずがないにもかかわらず、企業寄りのお役人が止めなかったから被害者が今も苦しめられている。

 米国は嫌いだが、良いこともあるのだから、参考にすべきは参考にしなければならない。
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2025年04月23日

コメ高騰 対策後手 事実上の「減反」続く

 日本人の主食であるコメの価格が下がらない。スーパーの店頭価格は5`・c当たり4000円を超え、前年の2倍以上の水準で推移している。政府は流通の安定化に向けた政府備蓄米の放出を実施しているが、コメの価格下落による農家の所得への打撃を警戒し、抜本的な対策を打ち出せていないとの見方も出ている。と4月19日の読売(岡田実優、佐藤寛之、福島春菜記者)が伝えている。

 農業と食の問題に詳しいキャノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は、2023年産米の不足が尾を引き、現在のコメ価格の高騰につながっていると分析している。
 事実上の減反(生産調整)や猛暑による不作で「コメ不足の状態だった」とし、生産量を拡大すべきだと訴える。ただ、農水省は農家の所得への影響や打撃を考慮して「コメの値段を下げる気がない」とし、備蓄米放出の判断も遅かったと指摘する。

 減反政策は、コメの値崩れを防ぐため、政府が生産量を調整する制度だ。毎年生産量の目標を決めて都道府県に配分するもので1970年代に始まった。
 2018年度産からは政府による生産目標の配分は廃止されたものの、今も政府は需給見通しを示しており、それに沿って生産者が生産しているため、事実上の減反が続く。
 コメの生産量が減りすぎたことが価格高騰の一因となっている。
 コメは食料管理法に基づき、農家が政府に売り渡すことを義務づけられ、生産から流通まで厳格に規制されてきた。
 減反政策に協力した農家には補助金が交付されてきた。
 冷夏に見舞われた93年にコメ不足が起き、政府は95年に食管法を廃止し、農家に作る自由・売る自由を認めた。
 ただ、その後も「需要と価格の安定のため」との理由で減反政策は維持され、補助金を主な収入源とする多数の零細農家が生産を続ける結果となった。
 生産量を絞りすぎたため、猛暑など天候要因による不作などに対応できなくなりつつある。


 語り継ぐ戦争では、戦後80年の2025年になると、敗戦後の食糧難、飢餓の時代を知る人の多くが退場し、子どもの頃、食べるものに不自由だった団塊の世代くらいしか食料の有難みを知る世代は少なくなってしまったと思っていた。
 ところが、米国追随型の新自由主義経済で貧富の経済格差が拡大し、シングルマザーなど貧困家庭の子どもたちが満足に食べられないことが大きな社会問題になり、子ども食堂が各地で心ある人たちによって設置されるようになった。

 偶々、我が家には畑があり、半ドンだった土曜日の午後や日曜日に飢餓を知っている世代の父親の指示で野菜作りをしていたので、おやつに、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモなどを食していたから、空腹で困ることはなかった。

 コメの価格高騰で困っているのは、一般家庭のみならず、子ども食堂だって困っているはずだ。
 コメの価格高騰は消費税と同様、収入の少ない、平たく言えば、貧しい人たちほど困ることになる。
 
 「令和の百姓一揆」が2025年3月30日に起きたが、冷静に考えてみれば、コメ価格が高騰しても生産者である農家の所得が増えるというならまだしも、生産者と消費者とは別のところで価格が高騰しているように思えてならない。

 食料自給率がカロリーベースで38%という低さであることから、令和の米騒動を教訓にしないと、いずれ、小麦などの輸入ができなくなり、食糧難に見舞われたとき、もっと大きな社会問題になってしまう。

 農家を生産者を守る政策が必要なことが明らかになったはずである。
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2025年04月04日

乳酸菌で人も家畜も健康に

 農学分野での優れた研究を顕彰する第62回読売農学賞の受賞者7人が決まり、4月5日授賞式が東京大学で開かれると3月31日の読売が伝えている。
 詳しいことは紙面に譲るとして、どうしても紹介しておきたい研究があったので書いておく。

 東北大学教授北澤春樹さん(61)が「イムノバイオティクスの畜産応用基盤研究」と何が何だかさっぱりわからんという研究であるが、「乳酸菌で人も家畜も健康に」という見出しに目を奪われたというわけである。

 発酵乳に含まれる様々な乳酸菌を調べたところ、ある菌株が生産する「多糖」と呼ばれる物質が、腸の免疫機能を活性化させていた。後年、共同研究する企業が多糖を生産する別の菌株を含む機能性ヨーグルトを商品化し、大ヒットとなった。 
 さらに、微生物が腸の免疫を調節する詳しい仕組みを調べたいと、豚に目をつけた。
 豚の免疫機能を調節する有用な微生物を見つけることができれば、餌に混ぜて、薬に頼らず健康に育てることができるかもしれないと考えたそうな。
 畜産業では、抗菌剤の過剰投与により、薬が効かない耐性菌の出現が問題となっていた。

 長寿県の長野県長野市で生まれ育ち、小学校の卒業文集に「1000歳まで生きられる薬を開発する」と夢を綴った。
 健康長寿に貢献するには身近な「食」が重要だと考え、東北大学農学部で乳酸菌研究に取り組んだ結果、受賞に至る。


 40代早々、3か月入院して炎症性腸疾患クローン病だと診断された。
 大腸ファイバーや小腸造影の検査の結果、小腸が狭隘になっている個所が数か所あり、結果、腸閉そくで2度入院している。
 手術も考えたが、狭隘な部位をカットして小腸をつなぐことが上手くいくかやってみないとわからないので、怖気づいて手術は見送った。
 病気が原因だろうが、若い頃は食べたものが排せつされるのに苦労は少なかったが、高齢者の仲間入りをしてから、加齢が理由だろうか、排せつが楽ではなくなってしまい、食べ物で何とかしようと考え、乳酸菌のヨーグルトを買い求めて食するようになっただけではなく、牛乳も1日に1パック飲む。

 デイビッド・モントゴメリー、 アン・ビクレー、片岡夏実訳『土と内臓 微生物がつくる世界』(築地書館)を親族の薦めで読んだのは、有機無農薬での野菜作りを実践していることと、内臓の病気を抱えていることが理由だった。
 有機無農薬だから、土づくりに拘りがあって、豚糞を肥料にしてきたが、動物の糞よりも植物性の方が同じ植物を育てるのには適しているかもということで、米糠、菜種油粕そして魚粉末を混ぜ、水を加えて手作りする所謂ぼかし肥料を併せて使うようになった。

 TVで知ったことだが、飛騨高山の酪農家だったか、畜産農家だったかが、乳酸菌入りの飼料を食べさせたところ、牛舎が臭わなくなったというのだ。しかも、そこの牛糞で作った肥料は夜盗虫が食べるから野菜は無事生産できるというほどの優れモノだというではないか。
 実際に使ってみたことがあり、肥料としては優れていた。

 乳酸菌で人も家畜も健康になれるだけでなく、乳酸菌で牛舎や豚舎、そして鶏舎などが臭わなくなれば、一石二鳥であるが、北澤さんの研究にはこのことは触れられていないので、聞いてみたい。
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2025年03月20日

令和の米騒動、減反政策が招く

 米不足で米の価格が高騰する米騒動といえば、買い占めが原因とされ、暴動にまで発展した1918年の大正の米騒動、冷夏による不作が原因だとされる1993年の平成の米騒動、そして、2024年夏の令和の米騒動である。

 令和の米騒動について、メディアその他でその理由について伝えられているが、ズバリ減反政策の失敗だと断言する。
 市井に暮らす、後期高齢者が何を根拠に偉そうに言っているのだ。という向きもあるかもしれない。

 TPP交渉差止違憲訴訟の会の会員で訴訟の原告団にも加わったことがあるし、食料自給率、食の安全をテーマに発信し、有機無農薬での野菜作りを実践しているというのが立ち位置であるから、減反政策で米の生産量がピーク時と較べ半減しているからこそ、米が足りなくなったと考えるのが当たり前のことではないか。
 
 ただし、減反政策は確か70年代の初め頃に始まったから、2024年になって急に米不足で騒動になったというわけではないこともまた確かなことではある。
 美味しいと評価が高い銘柄にコシヒカリがあるが、このコシヒカリを筆頭に、猛暑には適していなかった銘柄が多い分、家庭米となる等級の高い米の収穫量が減ったことも影響していることもまた伝えられているとおりである。

 連れ合いが働いて我が家の経済を支えてくれていた時、一日おきくらいに近くのスーパーに食料品や日用品などを買い求めに行っていた。
 連れ合いの定年後は、連れ合いが行ってくれているので、米はスーパで買い求めていたので、棚から米がなくなったこと、価格が高騰したことも早くに知ることができた。
 昨日、連れ合いは彼岸に仏壇にお供えするおはぎを買い求めるついでにおにぎり専門店かつ米を販売している店で米を買い求めてきたが、金額を確認するのを忘れてしまった。
 というのも、普段、農協やおにぎりやで米を買うことにしたらしい連れ合いが、米ぬかを手に入れてきてくれるようになったことだ。
 土づくりを常に考えている自分は、精米すると出てくる米ぬかが欲しかったから、米ぬかがあったので、嬉しくて米の価格のことは聞かなかったのである。

 業務用の米を使っている外食産業では、米不足だとは耳にしないので、足りないのは家庭用なのかもしれない。

 政府が備蓄米を放出したから、とりあえず、価格の高騰も収束するかもしれないが、安易な減反政策に反対の立場であることを明らかにしておきたい。
 農家を守らなければ困るということが明確になった米騒動。
 政府は補助金を出してでも、食料の中心である米作りをバックアップする必要がある。
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2025年02月12日

廃棄食材で商品開発・販売

 千葉商科大学と千葉商科大学付属高校では、販路の確保に悩む農作物の生産者やお菓子、海産物の小売店などとチームを組み、様々な商品を開発するほか、販売イベントも企画・運営し、地域活性化に貢献している。と2月5日の読売(服部真記者)がSDGs@スクールというタイトルの紙面で伝えている。

 農家から大学に届いた「規格外のニンニクを大量に廃棄している。何とかできないか」という相談から生まれたのがドレッシングで販売した道の駅でのクリスマスイベントではほぼ完売という売れ行きだった。

 地元の菓子店で梨パイを製造する際に廃棄されるパイ生地の端材に地元特産のピーナツペーストを絡めて新商品を考え出したのは高校生たちだ。2種類の菓子は全国商業高校フードグランプリで、23、24年と「来場者賞」を受賞している。
 道の駅でのクリスマスイベントも同大学生と同高生徒が企画・運営した。

 商品開発を通じて、地域課題とその解決策を考える取り組みは、大学では「ソーシャルワークの視点による地域活性化」の一環として16年に始めた。
 これまでドレッシングやジャム、ソーセージのほか、販路がなく困っていた福祉施設の農産物を使ったクラフトビールなど少なくとも30品目以上を商品化した。
 付属高校では「企業の困りごと」を解決するプロジェクトとして19年にスタートしている。


 産官学という協力体制がある。
 一方で、東京にある集積の利益を求めて東京1極集中はこれからも続くだろうし、地方はどこの自治体でも地域活性化に努めているはずで、そこに、SDGsという持続可能な開発目標の考え方が加わることで相乗効果が生まれることが期待されるわけだ。

 我が国は都道府県に一つは国立大学が設置されており、そこに私立大学も設置されているところが少なくないことを考えれば、産官学の協力体制を構築することはさほど難しいことではない。

 2024年の正月元日から襲来した能登半島地震で、政府自民党と公明党が復旧への対応の遅れをれいわ新選組の山本太郎代表に質問されたときに分かったのは、政府は能登半島を見捨てた。切り捨てたということだった。
 語り継ぐ戦争における満蒙開拓団棄民と同じ考え方である。

 我が国では、限界集落と呼ばれる地域、TVで「ポツンと一軒家」として取り上げられるような地域があることは知られているが、田舎であっても人が住めるようにしていくには地域を活性化させるよりないわけである。

 上述の千葉県といえば、首都圏で東京も近いし、気候は温暖で移住者にとっても環境は恵まれている。
 そこにある大学がSDGsの考えに立ち、地域を活性化させようと、2019年10月の「食品ロス削減推進法」成立も後押しとなって廃棄食品の有効活用が図られてきたのは実に喜ばしい。
 大学、高校の関係者にエールをおくりたい。

 生産者食料となる農産物であれば、六次産業化を目指さないと、ただ農作物を生産しているだけでは農家を維持していくのは難しい。
 販路というか、消費者の手に渡るというか、換金されないと農家の収入にならないからだ。
 いろいろ御託を並べて、農産物が廃棄されるような罰当たりなことを許してはならない。
 助っ人となっている学生諸君よ。地域活性化に立ち上がったのは立派だ。
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2025年02月07日

コメの価格高騰対策として生産者への直接支払いを

 2月7日、NHKマイあさラジオ 聞きたい「米の価格高騰 課題と対策を考える」で、盛田清秀(元・東北大学教授)が述べられた対策を政府が実施するように求めたい。

 生産コストが大きく高騰、後継者不足や機械の老朽化などで米作りを辞める農家が多い。米農家の時給が最低賃金を下回り、米生産の持続性は失われてしまっている。
 米作りを継続していくためには、大規模生産にシフトする必要がある。現在の米の価格であれば、作付面積を0・5fにすれば、維持できる。
 米価格高騰に関しては、短期的対策としては備蓄米放出、減反政策を緩める。長期的対策としては、消費者価格と生産者価格を分離することが考えられる。生産者には価格を保証する。制度改正が必要となる。生産者への所得補償として、直接支払いをすべきだ。小麦や大豆などでは適用し、すでに実施していること。欧米ではすでに長年実施していることだ。
 米作りを持続可能な産業にしていくために、生産者への直接支払いと消費者の負担を軽くすることも求められている。
 減反対策費をあてるなど財政措置をする。これ以外に方法がない。
 制度改正と裏付けとなる財政措置を考える。食料安全保障を強化していくことが必要である。
 以上が要旨である。

 
 農水産物輸出1兆5073億円、2024年、12年連続過去最高という喜ばしいことを2月4日の読売が伝えている。
 一方で、失われた30年といわれているように経済成長がストップしていた日本で、労働者のベースアップで消費が活発になるということで経済成長するという理想とは程遠い、物価の高騰だけ、とりわけ、令和の米騒動ということで米の価格が高騰してしまい、食料の不安が起きている。

 以前から、食料安保などを考えると食料の自給率を引き上げていく必要があると訴えてきた中で、欧州などですでに実施されている食料生産者への補助金というか、直接支払い制度を導入すべきであると訴えてきた。

 米生産に限らないが、何が大事だといっても、食べることすなわち食料生産ほど大事なことはない。
 米の価格が高騰したから、パンを食べるからいいいや。というわけにはいかないのだ。
 米は唯一といってもいいくらい、自給できているが、パンの原材料である小麦の多くを輸入に頼っている以上、その小麦の輸出を止められてしまえばもうどうにもならない。

 食料の安全保障をわかりやすく説明してみたが、農家が頑張って食料生産してくれなければ、たちまち、食べられなくなってしまうのだ。

 だから、盛田さんが指摘されているように、米の直接支払い制度を導入しなければならない。

 工藤阿須加が行く『農業始めちゃいました』を視聴して、就農して頑張っている若い人にエールを送り続けているのも、食料自給率アップに貢献しているからだ。

 有機無農薬で野菜作りを実践しているから、キャベツの価格が高騰しているとニュースが流れたときも動揺することもなかったし、NHKが土曜日の朝放送している趣味の園芸だったかで、野菜作りを扱っている時も、食料自給のことを考える人が一人でも多く増えることを願って視聴している。

 生産者の苦労は時給の低さなど農業をやったことのない人には理解し難いかもしれないが、畑などない人にはやりたくともできないことを考えれば、直接買い取りにしても補助金にしても同意できるのではないか。

 食べられないときのことを考えれば、生産者のことを理解しようとするのは当然のことである。
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2025年01月26日

コンビニで食料支援 食品ロスの削減に

 消費者庁は2025年度、コンビニエンスストアを活用した食品寄付の実証事業に乗り出す。食べることができても売らない食品を、物価高などで十分に食品を手に入れられない人たちに無償で提供する。コンビニなど食品小売業で年間50万トン近く発生する食品ロスの削減につなげる狙いもある。と1月18日の読売が夕刊の1面トップで伝えている。

 無償提供するのは、コンビニ各社が独自に定める「販売期限」を超えた弁当やサンドイッチ、スイーツなど。販売期限は商品を交換・廃棄するタイミングで、安全に食べられる消費期限や、おいしく食べられる賞味期限より数日〜2時間程度短く設定されており、期限を超えても食品としての品質や安全性に問題はない。

 実証事業では、たとえば棚に並ぶサンドイッチが期限を迎えると、店員が専用アプリに「サンドイッチ5個」などと写真を添えて登録し、店舗近く(半径350メートル以内)に住む無償提供の対象者に通知する。希望者はアプリで先着順のクーポンを取得した後、店舗に出向き商品を受け取る。

 同庁によると、無償提供を受けられる人は、住民税非課税世帯と児童扶養手当の受給世帯など。店からの通知を受け取るため、マイナンバーと連携した専用アプリへの登録が必要になる。


 貧富の格差が拡大し、一握りの富裕層に対する課税が生ぬるいから貧困層への政府や自治体からの支援が行き届かない。
 ために、心ある人たちが立ち上がり、子ども食堂、フードバンクなどで食べることに不自由している人たちを支援している。
 本来は政治がやるべきことをやらないからだが、そんな御託を並べている時ではないのは、今日の食事をどうするかという人たちにとっては見栄も外聞もないからだ。

 コンビニでの食品ロスについては、以前から快く思っていなかったが、通販で買い求めた品物の代金支払いに使うくらいで、普段コンビニをほとんど使わないので発言を控えていた。

 消費者庁のコンビニを活用した食品寄付の実証事業には期待しているが、生活保護家庭でも、保護を受けていることを他人に知られたくないという世帯があると耳にしたことがあるように、コンビニで客がいるところで弁当をもらうとき、店員がそれなりに配慮してくれればいいが、上から目線のような態度だと受け取る側もつらいものがありそうだ。
 まあ、困っているのだから、きれいごとは言ってられないはずにしてもだ。

 我が家では明治生まれで、アジア太平洋戦争に召集され、南方の戦地から帰国した父親が厳父というほど厳しい人で、食べ物を残すこと、コメを一粒でも残すことを許さない人だったから、食べ残すということは考えられなかった。
 東京五輪の翌年、1965(昭和40)年に亡くなっているから、当時はコンビニなどなかったが、コンビニで弁当を捨てていることを知ったら激怒したに違いないほど食べものを粗末にすることを許さない人だった。

 厳父に小学5年生の時には畑で鍬を持たされ、耕すことを仕込まれていた自分は、食料を大事にするということが十分理解できているのだ。

 長じて、50代半ばを前に退職し、有機無農薬での野菜作りを実践してきてもう20年近くなるだろうか。
 語り継ぐ戦争で、敗戦後の食糧難の時代のことを知ってからは、いざというときのために食料を確保することの重要性を発信するようになっている。

 生産者の農家をみれば、形とかで商品にならない野菜などが必ず出てくるし、スーパーやコンビニなどでは売れ残りがでてくる。
 一方で、食べられなくて困っている人たちがいることを思えば、間をつなぐというかコーディネートする人がいれば、両者にとって有益なはずだと思ってはいたが、実行するとなると難しい。
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2024年10月09日

フードバンク 寄付減で苦境

 個人や企業から寄付で集めた食品を経済的に困窮している人らに無償提供するフードバンクが苦境に立たされている。物価の高騰などで十分な食品を確保できず、活動に支障が出ており、支援に乗り出す動きも出てきた。と10月5日の読売(金来弘美記者)が伝えている。

 その要因は、個人は物価高により、生活に余裕がなく、企業は在庫を減らす調整で、寄付にまわせるものが減っているとはNPO法人フードバンク仙台の理事川久保尭弘さんだ。

 農林水産省によれば、国内のフードバンクは年々増え、10月1日時点で278。

 支援を強化する動きとして、長野県では、2022年、「県フードサポートセンター(ふーさぽ)を設立。フードバンクへの寄付が乏しい時の食料購入費や配送費などを県が負担することになった。

 農水省は9月、政府備蓄米無償交付の運用を改めた。申し込みを通年、窓口を全都道府県に拡充した。
 消費者庁は寄付を促すため指針作りを始めた。

 欧米には寄付や団体の活動を円滑に進めるための仕組みがある。
 米国では善意で提供された食品の自己責任は問わない。「善きサマリア人の法」が施行されている。
 イタリアでは食品廃棄規制法で関連事業者が余剰食品を寄付する場合、税制上の優遇措置を受けられる。

 
 善意というものは価値のあることで、住みよい社会には人々の善意がしばしばみられるものだ。
 小さな親切運動が公益法人化され、「小さな親切」運動本部というのがあるくらいである。

 戦災から戦後、人々の努力で復興を成し遂げ、70年代の一時期は1億総中流ということで、誰しもが自分は中流かなという意識を持つことができた時代があった。

 しかし、派遣労働が導入され、労働者が非正規雇用化されるや、わが国で戦後間もなくの時代に遡ってしまったかのように貧富の格差が大きな社会問題となり、シングルマザーなどの家庭の子どもが貧困で学校給食だけが頼りというおかしな時代がやってきた。
 見かねた心ある人たちが立ち上がり子ども食堂を作り、子どもたちに食べられる機会をつくってくれた。
 子どもたちだけでなく、貧困家庭に食料を寄付するフードバンクも設置されたのである。

 本来は、政治がやるべきことであるはずだが、現実に困っている人がいて、政治がやろうとしない以上、誰かがやるよりないわけである。

 善意というものは、自分一人でもできることではあるが、皆で力を合わせることで、大きな力にすることができるものだ。

 利益追求のためにあるのが企業であるが、同時に企業には社会的責任というものがついてまわる。
 その企業が余剰食料をフードバンクに寄付したら、税制上の優遇を受けられるのもまた当然のことだ。
 さらに、余剰食料であるから、万が一事故が遭ったとき、その責任を問われないということもまたとても重要なことである。

 学校給食の関係者から小耳にはさんだ夏休みとか学校が休みの時、ふだん、昼の給食で食いつないできた子どもが食べられなくなると知り、「えっ!」と驚かされた。

 語り継ぐ戦争では、戦後の食料不足の時代、孤児たちが生き延びるために必死で食料を手にしようとしたことを書いた。

 物価高で個人の寄付が減った。企業の在庫調整で寄付が減った。
 こういうことは、TVがもっととりあげるべきことだ。 
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2024年09月29日

食料自給へ ロボとエコ

 「ニッポン2050」第2部 持続可能な社会 下 が上中に続いて9月20日の読売に連載されていたので書いておきたたい。

 政府は5月、「食料・農業・農村基本法」を改正。スマート農業の拡大、環境負荷の低減などを打ち出した。23年度に38%の食料自給率(カロリーベース、概算値)を30年度までに45%にすることなどを目指す。

 国内の農地の4割がある中山間地。農家の高齢化や後継者不足で耕作放棄地が広がるが、食料の安定供給に欠かせない地域だ。ここで求められているのが。人手不足を解消するリモート農業だ。
 
 北海道大学スマート農業教育センターで進むリモート農業の実証実験。畑があるのは約60`離れた浦臼町だ。
 電動車いすを基にした無人農機から送られてきた映像を監視するのはセンターにいる研究員だ。
 「ロボットと通信環境があれば、どこにいても可能になるのが2050年の農業だ」というのは同大の野口伸教授だ。
 農産物を作る一方で、環境省によれば、国内の食品ロスは21年度、523万d。だが、食品ロスに計上されない食品工場で出る端材などを含めた食品関連の廃棄物は2402万dに上る。アストラフードプランの加納千裕社長(37)は「廃棄を少しでも減らし。循環型社会の新たな仕組みとして普及させたい」と食品工場で出る端材などについて栄養や香りを残しつつ、乾燥・殺菌する機会を開発した。
 植物工場や陸上養殖など、最新技術を駆使した環境配慮型の食料生産も広がる。


 『荒野に希望の灯をともす』を観て、生きるということは食べることだと痛感した。
 その食料が干ばつなどで採れないから、人々が飢餓に苦しめられ、栄養失調で病人が続出する。
 ために、医師でありながら、灌漑用水敷設を試み、苦難の末、7年かかって用水路を完成させる。
 荒野だった大地は蘇り、農作物が採れるようになったときのアフガニスタンの人たちの笑顔は喜びに満ちまるで別人のようだった。
 
 わが国食料自給率が23年度カロリーベースで38%だというから、そのまま信じたとしても、低いことには変わりがない。
 自給できない分は当然、外国から輸入しているわけだが、もし、外国が輸出規制したらどうなるのか。

 欧州ではスイスなど政府が農家に補助金を出して、食料を国内自給できるようにしている。

 わが国だって、農家に補助金を出して、耕作放棄地などでないようにすべきである。
 耕作放棄地が出たら、できる農家に任せればいい。

 食料の自給をもっともっと真剣に考えるべきだ。
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2024年09月22日

食料危機へ向かう世界 自衛策を講じるには

 食料価格が高騰している。小麦やトウモロコシなど主要穀物だけでなく、オレンジやカカオといった商品作物の価格も上昇傾向にある。世界人口の増加やバイオ燃料の普及に加え、気候変動が大きな要因となっている。
 専門家は食料価格の高止まりは数十年単位で続くと指摘している。と9月16日の読売(鎌田秀男経済部次長)が国際経済の紙面で伝えている。

 今夏、日本ではコメの品不足や価格高騰が続き、一部のスーパーでは売り場からコメが消えた。
 オレンジやカカオやコーヒー豆も干ばつや高温といった異常気象が原因で価格が高騰している。

 食料価格の長期的な上昇をもたらした要因は大きく三つある。
 一つは世界的な人口増加だ。
 二つ目はトウモロコシなどを原料としたバイオエタノール(バイオ燃料)の生産拡大だ。
 第三の要因が気候変動だ。
 下川哲早稲田大学准教授は「貧しい国ほど、気候変動の農作物への影響が大きく、さらに、食料が不足する。国際的に協力しないと世界はますます不平等で不安定になる」と警鐘を鳴らす。
 今後、食料価格の上昇などをきっかけに世界の農業国が食料輸出規制に乗り出す恐れもある。
 農林水産省によると、07〜08に穀物価格が高騰した際には、ロシアや中国など18か国が輸出規制措置に踏みきった。22年のロシアによるウクライナ侵略後は、25か国が輸出制限的な措置を実施した。

 私たち一人ひとりが気候変動や食料安全保障への関心を高め、暮らしや食生活を見直していけば、食料危機編と向かう流れを変えられる可能性はある。と結ぶ。


 バイオエタノールとはトウモロコシのほか、麦類やイモ類などから製造されるガソリン代替燃料のことだと紙面に解説があったが、世界の飢餓人口が70億人に達する中、食用の穀物を燃料に加工してしまうなど罰当たりにもほどがある。

 語り継ぐ戦争では、戦時中、国力に見合わないほど戦線を広げてしまった結果、兵站、つまり、食料供給などが追い付かず、南方戦線では飢餓が続出、最悪の作戦とされているインパールでは飢え死にした兵士たちの遺骨で白骨街道と呼ばれたり、ガダルカナル島のことを餓島と書いたことで兵士たちの飢餓状態を知ることができる。
 敗戦後の飢餓は、節子と清太の話、『火垂るの墓』や塚本晋也『ほかげ』を観れば理解できるだろう。

 戦後79年、その日本が十数年前から貧富の格差が拡大し、満足に食べられない子どもたちが出てきたことを見るに見かねた心ある人たちが「こども食堂」として、救援に乗り出した。
 自民党政権がやってきた新自由主義の市場原理の政治がシングルの女性や子どもという弱者にしわ寄せが集中した。

 生きていくとき、まず「自由」が大事だと訴えてきたが、そうは言っても生き物だから、食べなくちゃならない。
 語り継ぐ戦争でいえば、「星の流れに」のヒロイン達は食べるために敵国だった米兵にだって抱かれた。
 食料を手に入れようと、田舎に行った女性は百姓のおやじに身を任せてでも食料を手に入れようとしたはずだ。
 大岡昇平『野火』を塚本晋也が映像化した作品では、サルの肉だと称して食べていたのは兵士の肉だったりして・・・。
 武田泰淳『ヒカリゴケ』で飢餓だったはずの男の顔がてかっていたことで、飢えてタブーに手を染めてしまったことが描かれていた。
 脱北者を描いた、『クロッシング』では飢えた家族が愛犬を食べてしまう話が描かれていた。

 自分がご先祖から受け継いだ広くもない畑で有機無農薬での野菜作りにこだわっているのも、いつか来た道、食料難が予測されるからで、ついでに言うなら、わが家には井戸があって、塩素で殺菌していないから飲料不可ではあるが、災害時にトイレの水には使えるし、沸かして飲めば飲料としても使えるかもしれない。

 とにかく、食べる物がなければ、女性は大事な体を売ってでも、食料を手に入れるだろうし、自由をうばわれてしまうことになるのだ。

 農業にもっと補助金を出して、日本の食料自給率を上げ、いざというときに備えなければならない。
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2024年09月19日

TPPと種子法廃止に共通するものは民間企業の利益

 「TPP交渉廃止・違憲訴訟の会」から会報「TPP新聞 守ろう!命と暮らしと未来」2024年10月号Vol23が手許に届いている。

 「TPPと種子法廃止すべての裏に共通するもの」をテーマにTPP交渉差止・違憲訴訟の会幹事長、弁護団共同代表山田正彦さんに聞いている。

 TPP(環太平洋パートナーシップ)協定は、2017年に米国のトランプ大統領が離脱を表明し、葬られるはずだった。ところが、日本政府は米国を除く11か国による協定を発効させた。
 これが、種子法廃止に始まり、水道法の改正、残留農薬の基準緩和など国民生活を守ってきた大事な法律や規制を次々と改悪させてきた背景にある。
 今、気がかりなのは、食品表示に関する動きで、2013年に成立した食品表示法は国内で製造・加工されたすべての加工食品に原料原産地の表示を義務づけた。
 しかし、法の詳細なルールを定める食品表示基準では原材料が加工食品の場合は、産地がどこであれ、国内で製造されたものは「国内製造」と表示できるようになった。
 海外産と表示したくない大手企業の意向を汲んだものだろう。

 TPP違憲訴訟の中で出てきた種子法廃止、米、麦、大豆の公共の種子をやめて、民間企業の種子に頼ろうとしたものが、三井化学のみつひかりである、
 公共では、発芽率の保証をする義務があるが、民間では発芽率が悪くとも補償がない。
 食品表示法の原産地表示は農業者団体の要求があったからこそ導入されたもの。

 諦めてはだめだ。
 様々な闘い方で、私たちは社会を変えていくことができる。と結ぶ。


 TPP協定はもともと民主党の負の遺産で、民主党が消費税を上げないと約束しておきながら、平然と消費税を上げて、有権者を騙したことで、その流れを汲む立憲民主党が全く信用できないことにつながる。

 しかし、山田正彦さんは信用できる。
 もともと酪農だったか、実際に働いたことがあって、弁護士になっているから、損得でいえば、得にはならない裁判の共同代表を務めるということで、カネではなく行動している点が信用できるのだ。

 利権まみれの自民党は、反日反社の旧統一教会の最高幹部と安部総理が自民党総裁室で会っていたことで、組織ぐるみの反日反社の団体と関係があったことを朝日に報じられていることで、売国奴であることが判明した。

 口では偉そうなことを言っても、反日反社の団体と関係があって、政治資金を裏金化し、法律を遵守する姿勢すらない自民党の多くの国会議員たち。

 人気があるとされてきた若手は、労働者の首を切りやすくするのだと息巻いている。
 働くものの敵、こんな総裁、総理が誕生したら、格差社会はさらに米国に近づく。

 種子法も食品表示法も市民のためではなく、大企業のために廃止したり、有利な表示にされようとしているのは自民党が財界からカネをもらっているからだ。

 TPP協定とか種子法廃止とか、市民は何のことかよくわからない。
 新聞やTVなどメディアが取り上げないからだが、新自由主義の流れは世界的にみても変化の兆しが出てきたと山田さんは指摘している。

 労働者の首を簡単に切れないように労働基準法なりがあるわけで、規制緩和という耳障りの佳い言葉でだまされてはいけない。

 規制緩和すればいいってものではない。
 本来、市民の食の安全を守るのが国の使命であるはずだ。
 市場原理に委ねてはならない。
posted by 遥か at 11:34| Comment(0) | TrackBack(0) |