2021年01月04日

森林保護活動にもっと目を向けよう

 「ぽつんと一軒家」2021年・新春3時間スペシャルで紹介された埼玉県の深い森の中にある「くるみ小屋」。

 埼玉森林サポータークラブの皆さんの憩いの場として、山林の地主浅見和夫さんが土地を提供し、埼玉森林サポータークラブのメンバーが力を合わせて作った掘立小屋だという。

 掘立小屋とは大工が建てたわけではなく、素人が作ったもので、基礎の作り方のことを指しているということで、地主の呼び方とは異なり、結構、居心地は良さそうな建物である。』
 なぜ、「くるみ小屋」かといえば、近くに胡桃の木が植わっていたからだ。

 代々続く山林の地主である浅見さんが山林の保護を呼びかけ、これに応えて、集まったボランティアに山仕事のノウハウを一から教え、集まったボランティアの人たちが浅見さんの指導を得て、森林保護に持てる力を尽くしていることに感銘を受けたので、浅見さんと森林サポータークラブのメンバーにエールをおくりたい。

 農業と林業という一次産業こそ、人が生きていくときに、一番大事な産業だというのが自分の認識である。
 これまでも、その視点で書いてきたが、今回スポットを当てるのは林業である。

 2020年、コロナで始まり、コロナで終わったのは菅内閣が経済優先で、コロナを全国に感染拡大させ、対策は何もしないということで、感染し、重症化した人は、毎日、死んでいく一方である。

 その2020年は戦後75年の節目で、戦後、米軍の空襲、空爆で焦土と化したからとスギやヒノキという木材需要を見越して、広葉樹の自然林を人工林に代えたことが抑々過ちの始まりだった。

 人工林だから、手入れが欠かせないにも関わらず、外材が安く輸入されたことから、木材需要が低迷し、林業が不振となり、人工林に手が入らなくなった。

 間伐、下草刈りをしない森には陽が入らず、人工林はダメになる一方で、大雨が降ると、地崩れが頻発するようになっていく。

 浅見さんのところに集う埼玉森林サポータークラブのメンバーは、そのほとんどの人が森の価値を知る人達で、しかも、森林保護で自分のできることをやろうとする人たちばかりだから頭が下がる。

 林業振興はボランティアの力でどうこうなるものではないが、森林の保護にはボランティアの力が不可欠にちがいない。

 浅見さんの非凡なところは、山に見ず知らずの人間を入れることを危ぶむ周囲の人たちの反対を押し切って、山仕事には素人の人たちに一から仕事のノウハウを教え、集える場所、すなわち、くるみ小屋をみんなで作ったことで、森林への深い愛情が伝わってくる。

 この際、全国の森林のある町では、埼玉の浅見さんを見習い、森林サポータークラブを組織化し、森林の保護に乗り出してほしいと切に願う。
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2020年10月29日

小さな農業が明日の日本を救う

 世の中の事象に鋭く切り込むNHKクローズアップ現代,昨夜は、「コロナ後の豊かな暮らしとは?
見直される“小さな農業”」というタイトルで、「食」という誰にとっても、一番大事な問題について興味深い問題を取り上げていた。

 都合で、全部視聴していないので、正確さを期すために例によって、番組の㏋から転載させていただく。

 「いま、大規模集約型ではなく、家族規模で営む中小規模の“小さな農業”が注目されている。コロナ禍で食への関心が高まった消費者と、SNSやインターネットなどを介して双方向のつながりを築き、環境や健康への配慮から農薬や化学肥料を使わず育てた野菜を届けたり、野菜のおいしい食べ方など“農家の知恵”を教えたりして、利益を得る農家が支持されているのだ。
 こうした農家に共通するのは、必要以上に儲けを追求しない持続的でワークライフバランスのとれた暮らしを求めていること。価値観の変化が後押ししているのだ。
 こうした動きは、世界でも起きている。国連は、家族によって経営される農業をあらためて見直し、2019年から10年間を「家族農業の10年」とし、その保護と支援の推進を呼びかけた。
“小さな農業”は、日本農業の未来を切り開くのか、考える」


 昔でいうところの3反、現在でいえば、約3000平米という農家にとっては決して広いとは言えない面積の農地で多品種の野菜を有機無農薬で作り、ネットで消費者の注文に応える産直、所謂小さな農業を応援する。

 中国武漢発の新型コロナウイルスの感染拡大で若い人が就職できないとか、非正規雇用者が解雇されたり、職を失ったりするニュースが流れるたび、一次産業の農業にもっと目を向けるべきだと発信してきた。

 大学で農業を学ぶといえば、東京農業大学があるが、首都圏なら東京大学や千葉大学、私学では明治大学などに農学部というか農業を学ぶことができる学部があるはずだ。

 これからの時代は、間違いなく農業の時代である。
 農業こそは食という誰しもこれがなければ生きていかれない大事なものを生産する産業である。

 しかし、農業のイメージはよろしくない。

 その悪しきイメージを払拭するのが小さな農業である。
 農地法という法律があって、農地の売買は容易ではないが、貸借であれば問題ないし、生産するためなら、借りれば十分で、3反や5反程度の農地を借りることなど難しいことではない。

 農業に転職希望があれば、自治体などで研修制度があり、一から教えてもらえる。
 農業はやる気と工夫さえあれば、誰にでもできることなれど、大自然が相手だから甘くはない。

 ただし、非正規労働者に未来はなく、解雇されれば、住むところにも困るし、食べてもいかれないことと比べれば、農業は、住むところは古民家などを借りればいいし、食べるものはいざというときのために保存食を用意しておけば、飢餓になっても困らないし、無論定年などないから、死ぬまでやれる。

 ただし、食べていくだけで精一杯だから、物質に恵まれた生活はできないが、精神的にはストレスがない。

 小さな農業で最後に書いておきたいのは、菅政権に目の敵にされている農協の体たらくである。

 農協が化学肥料と農薬を売ることばかり考え、組合員の要望に耳を貸さない姿勢は、ゆくゆくTPPで農協はつぶされてしまうだろうということだ。

 乳酸菌入りの飼料を食べさせた牛の糞から作った商品名「みな土」の取り扱いをやらないが、大規模農家はともかく、小規模農家、小さな農業を営む場合は、有機無農薬でなければならないので、「みな土」のような有機肥料が欠かせない。

 農協を真に改革しなければ、農協に将来はない。
 TPPに反対する集まりに、同じ協同組合でも生協は多数出ているにもかかわらず、農協はいなかった。
 農協が自民党を支持している限り、明るい展望は開けない。
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2020年05月09日

新型コロナ休業従業員 人手不足農家に

 中国は湖北省武漢発の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う入国制限で外国人技能実習生を受け入れられずにいる農家で、休業状態となっている宿泊施設や飲食店の従業員を雇う動きが相次いでいる。と5月2日の読売が夕刊で伝えている。

 地元の旅館組合や農業団体が仲介役を担っており、双方から「助かった」との声が上がる。

 読売によれば、高原野菜の一大産地、軽井沢を含む佐久浅間地域の佐久浅間農協は中国人の実習生94人を受け入れる予定だったが、来日できなくなったことから、軽井沢旅館組合と提携し、休業中の従業員の一時雇用を始めた。

 群馬県嬬恋村のキャベツ振興事業協同組合も臨時休業となったホテルや飲食店などの従業員を一時雇用してもらう取り組みを始めた。

 農林水産省によると、2019年の日本の農業就業人口は約168万人で、10年で4割ほど減った。


 明治維新以降、工業化の道をひたすら歩み続けてきた日本は、はっきり言って農業を切り捨ててきた。
 語り継ぐ戦争だから、政府が国策として騙した満蒙開拓団を例にしてみるとわかりやすい。

 15年戦争が始まった1930年当時の日本は、人口が多いわりに、森林ばかり多い国土で耕すところがないことから、中国侵略を思いついた陸軍その先兵関東軍幹部は拓務省を介して、植民地政策を推し進め、中国人が耕した土地をただ同然で武力で買い取り(奪ったも同然)、満蒙開拓団の入植政策かつ、ソ連軍侵攻の防波堤とした。

 歴史を勉強すると実に面白い。
 その中国が米国と覇権争いをするほどの強国になるとは当時思いもよらないことであったろう。

 景気がよくなった中国に対し、無能な政治家がデフレ経済から長いこと脱却できず、労働者の収入が上がらず、物価が安い日本。
 そこに、賃金が上がり、収入が増えた中国人観光客がやって来てカネを使うからということでインバウンドだなどと訳の分からないことを言いながら中国人をウエルカムしてきた。
 一方で、中国も、景気はよくなったのは事実だが、実は農村部は相変わらず貧しいから、日本へ研修生という名の事実上の出稼ぎに来ている人もいる。

 そこに武漢発の新型コロナウイルスが上陸しようというとき、経済のことばかり考えていた安倍内閣は武漢から、あるいは中国全域からの中国人の入国阻止をせず、ウイルス上陸阻止水際作戦に失敗した。
 
 話を戻す。

 TVでよく視聴しているのが「ポツンと一軒家」と「昼めし旅」であるが、両者に共通しているのは、農家がよく取り上げられること。

 農家で生活をするというのは大変なことであるが、先祖や親がいくら頑張っても、一昔前までは息子たちが後を継がず後継者難だったが、今は、安定した雇用を期待できなくなったから、息子たちが家業を手伝っている農家が結構多くなった。

 農家が外国人を研修生として安い賃金で働かせることに反対の立場である。

 食料自給率をアップさせるため、農家と消費者を結びつける役割を果たせるのは農協だから、ここに賢い職員がいれば、農家とスーパーや飲食店などが提携し、ふだんから、人手が足りないとき、スーパーや飲食店などが当番制みたいにして、人手不足を補えるように組織すればいいのだ。

 新型コロナウイルスの次は小麦など食料の輸出が止められるはずだから、今から、食料自給率を高める努力を惜しんではいけない。
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2020年04月28日

農業食料自給と新型コロナウイルス

 中国湖北省武漢発の新型コロナウイルスが圧倒的な勢いで世界中に蔓延してしまった。

 日本は、安倍政権が検査をさせない体制を作り、軽症者は自宅待機だなどと馬鹿な政策を打ち出し、家族に感染させることはもとより、突発的に重症化し、死ぬ人が出て、対策が間違いであったことを実証している。

 東京都では小池知事が緊急事態宣言で閑古鳥のビジネスホテルを借り上げ、医療スタッフをつけ、軽症者を隔離するようにするなど対策が的を得ていて、もっと徹底されるとさらによい。

 しかし、戦争と同じように新型コロナウイルスでも弱者、特に非正規で働く人たちにしわ寄せがいく。
 アルバイトで働く学生を含め、いくら頑張ろうとしても、働く場がないのだからどうにもならない。

 よくよく考えてみれば、新型コロナウイルス蔓延でも働く場はある。
 その場とは農業、農地だ。

 新型コロナウイルスの感染症を広がらせないために3密を防ぐことが求められているが、農業では恒常的な人手不足かつ、社会の中で唯一3密と無縁な場だからである。

 問題は人手不足の農家と仕事がない、働く場がない人を結びつけるコーデイネーターの役割をどうするかだけである。


 新型コロナウイルスによる感染症がいつの日にか収束することはまちがいない。
 歴史に学べば、特効薬やワクチンが必ずできるからだが、収束後のことも考えておいた方がいい。

 次の危機は食料だとみている。

 わが国の食料自給率が30%程度のものだから、小麦や大豆、飼料用のとうもろこしなどほとんどを輸入に頼っているが、米国や中国などで輸出制限がなされれば、入ってこなくなるからだ。

 パンは小麦粉をやめ、米粉に切り替えるとか、今から準備しておかないと間に合わない。

 明治以降、とりわけ、戦後の日本では車などを売り、農業切り捨て政策がとられてきたが、新型コロナウイルス感染症が教えてくれたのは、新自由主義経済で切り捨てられてきた分野が実は大事だったことが分かったからである。

 医療分野でもふだんから特効薬づくりの専門家に予算を回しておくべきだったが、こうした分野にカネを回してこなかったことは次の出来事で明らかになった。
 安倍内閣で補佐官と厚労省の官僚の女が税金で出張しておきながらよろしくやっていたことがばれたとき、実は、ノーベル賞の山中先生のところにカネを回さない云々という権力を笠に嫌がらせをしていたとメデイアに報じられたことがある。

 研究者というのは新自由主義のカネ儲け、効率主義とは相いれないものだが、非常事態がやってくると必ず、役立つ人たちである。
 目先の利益で判断してはいけない分野で頑張る人たちである。

 このことが食料を供給する農業にスポットを当てるとよく理解できる。

 新型コロナウイルスがどんなに蔓延しようと、人間食べて行かなければならない。
 食料品を売る店はどんなことがあっても、休業させないのはこのためだということは説明を要しない。

 小売り店舗に食料品を提供する農家がダメになれば、それこそ暴動が起きる。
 それほど、農業が大事な産業だということ。

 これを過去の政権は無視してきた結果、米国や中国などからの輸入に頼っていたら、輸出をストップされれば、立ち往生ということになってしまう。

 新型コロナウイルスは、食料自給率を高めるための根本的な対策、意識を変えていくよい機会である。
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2020年04月20日

新型コロナで食料保護主義台頭

 新型コロナウイルスによる対策で国際協調が求められる中、食料を巡り、13か国が輸出規制することが明らかになった。
 政府が他国による食料品の輸出規制拡大を懸念するのは、食料自給率の低い日本では国内価格の高騰につながる恐れがあるためだ。と4月17日の読売が経済の紙面で伝えている。

 読売によれば、日本は穀物の多くを海外に依存していて、小麦が88%、大豆が94%、トウモロコシほぼ100%、主な輸入国はいずれも、米国で、その他カナダ、ブラジル、豪州、ロシアだという。

 輸出規制が明らかになった13か国から日本が輸入する食料は少なく、農水省幹部によれば、今のところ影響は「ほとんどない」らしい。
 
 しかしである。日本の食料の命運を握っている米国では新型ウイルスの感染拡大が広がり、農業の労働力を確保できなくなっているから、これからどうなることやら。

 食料自給率は2018年度でわずか37%、3月に決めた30年度目標ですら45%と半分以下である。


 毎週日曜日、食後に「ポツンと一軒家」を視聴している。
 衛星放送で調べたという森の中の「ポツンと一軒家」にスタッフがたどりつくと、決まって、そこには自分と同世代もしくは上の世代が住んでいて、そこに住む理由は先祖代々とか、転居してきたとか理由は人それぞれだが、ほとんどが自給自足というか、それに近い生活をしている。

 彼らには、車がなければ食品、日用品を手に入れることさえままならず、子どもの頃通った学校は遠く、医療機関となれば簡単には通院できない。
 まさに、この地で生きるというのは命がけであるが、意外や淡々と日々の生活をしのいでいるように見受ける。
 手先が器用ということもあるだろうが、生きるために家の修理、草刈り、コメや野菜づくりと何でも自分でやらなければならない。

 4月19日、昨晩の放送では先祖が開拓した土地で、親が棚田でコメ作りをしていたので、大工をやめて、後を受け継いだが、イノシシやシカにやられてしまうので、今では休耕田を借り、里でコメ作りをしているということだった。
 コメの価格が安いので、生活が苦しいと主は言いつつ。家族と一緒に暮らせる喜びを語ってもいた。

 新型コロナウイルスの経済対策で一人10万円を政府が支給することになったと伝えられているから、プラスしてお米券を配れば、コメ作りをしている農家が助かるのではないか、この人たちの助けになるかとも思った。

 食料自給率が37%と低いので、米国が小麦、大豆、トウモロコシの輸出を制限したら、日本はたちまちパニックになること必定である。

 「日本人がさる化し、将来展望など考えず今ののことしか考えなくなってしまった」とネットで嘆いていたのは内田樹さんだが、新型コロナウイルスが蔓延すると流言飛語に惑わされ、トイレットペーパーの買い占め、外出禁止になりそうだとなったら、食料品の買い占めが始まった。
 トイレットペーパーなんぞ、シャワートイレが普及しているから大騒ぎすることではないし、そもそも、昔あった騒動のような品不足などありえないにもかかわらずである。

 マスクがないからとドラックストアで店員に言いがかりをつけているクレーマーに至っては人間としてどうかしているとしか思えない。

 そんなわけで、農業の後継者不足に仕事がきついとかなんだかんだで、休耕田が増えたといっている場合ではない。政府は小麦と大豆を作る農家に奨励金を払ってでも、自給率を高めていかなければならない。

 東日本大震災の大津波による東京電力福島第一原発の事故しかり、新型コロナウイルスだって、SARSを他人事と考えず、他山の石としていれば、人工呼吸器や集中治療室の整備に力を入れたはずである。

 アベノマスクで466億円を首相に進言したおバカは学校の勉強はできただろうが、新型コロナウイルスの蔓延という非常時の対応としては、あまりもお粗末で、マスクもそうだが、まず、医療関係者が必要としているものを渡すことが一番大事なことだということくらいわからないでどうするのだ。

 新型コロナウイルスの次は、小麦、大豆などの輸出を米国がストップした時パニックが起こるだろう。

 先の大戦で米国のことをよく調べもせず、戦争を始めた軍人たちの時代からちっとも進歩がない。
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2020年04月07日

水産(水福)・林業(林福)連携

 水産業や林業の分野で、障がい者の就労を促す動きが出ている。障がい者の自立を支援するだけでなく、人手不足が深刻な水産業や林業の担い手としての期待もある。と4月1日の読売が社会保障の紙面に「安心の設計」と題し、伝えている。

 紙面で紹介されていたのは、鳥取県米子市のNPO法人「ライヴ」が運営する障がい者就労支援施設「リヴよどえ」。精神障がい者らが地元の漁師がとったワカメの加工などに取り組んでいる。  

 三重県の志摩市社会福祉協議会では障がい者がカキ殻の付着物を取り除く作業をしている。

 林業では長野市浅川地区で障がい者が薪の原材料の運搬などに携わっている。

 厚生労働省では20年度、水産業と林業で、障がい者就労のモデル事業を実施する。


 農業分野では農業と福祉の連携、所謂農福連携が先行していて、すでにこのことを書いてきたが、農業分野での就労が障がい者の自立や健康につながるなど、一定の効果がみられることから、政府は水産業や林業でも福祉との連携を進めることにしているという。

 社会には一定の人数で障がい者がいて、働く場を求めている。
 一方で、第一次産業の農業、水産業、林業では恒常的な人手不足だから連携を進めるのは遅いくらいで、もっと積極的に連携を進めるべきだ。

 さらに、人手不足、担い手不足で介護保険制度が持たないだろうとされている介護の分野にも障がい者の働く場は十分にあるはずだ。

 働く場を求めている人が一定数いるのは、何も障がい者に限らない。
 刑務所の受刑者が出所すれば、仕事先があるかないかで彼らの再犯防止ができ、社会復帰が上手くいくことにつながることから、彼らにもまた、農業、水産業、林業や介護の分野で働く場が求められる。

 フードロス問題のときにも書いたが、食べられるものを捨ててしまう一方で、格差社会が広がり、貧困家庭の子どもが食べられないことに手を差し伸べた子ども食堂の運営者たち。

 さらに食料の生産者はといえば、農家が規格外の野菜を畑で捨ててしまう事実がある。
 スーパーやコンビニでは賞味期限が過ぎれば、惜しげもなく捨ててしまうというアホなことをやっている。

 コーディネートする人がいて、両者をう上手く結びつければいいのだ。

 水産業、林業は一次産業であるが、今、一次産業の六次産業化が進められているので、働く担い手はいくらで必要なはずだから、こちらも、両者を結びつける人材なり、機関が重要になってくる。

 障がい者だって、生きていかなければならないし、為に、働く場が欲しいし、賃金も少しでも多い方がいいに決まっている。

 水産業、林業がいくら国にとって重要な仕事だとしても、人手不足ではどうにもならない。

 農業と合わせて、障がい者の働く場としての重要性を訴える。
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2020年03月18日

「伝統野菜のタネ」未来へ

 語り継ぐ戦争で自分なりにいろいろ調べて書いてきたが、思えば、先の大戦のことに関心を持ち始めたのは中学生のときで、古希を過ぎ、お迎えを意識するようになって終活に取り組もうとするようになった今、再び、先の大戦に向き合っている。

 先の大戦に向き合うということは、日本について考えることでもあり、様々な分野で日本のことを考えてきた。

 「多種多様な作物 未来へ残す」という見出しで、3月7日の読売夕刊が「ジュニアプレス」の紙面で「『伝統野菜のタネ』を扱う会社を作った高校生って?」というタイトルでジュニア記者が取材した結果を伝えている。

 読売によれば、かつて日本の各地で育てられながら、急激に減少している伝統野菜。東京都内の高校2年生小林宙さん(17)は伝統野菜のタネを全国に流通させることで途絶えるのを防ごうと考え起業したという。
 
 小林さんは、15歳のときに伝統野菜のタネの販売などを行う「鶴頸種苗流通プロモーション」を設立した。
 「鶴頸」とつけたのは活動拠点の一つ、群馬県の畑が地図で見ると鶴の頸にあたる部分にあるからだそうな。

小林さんは各地の種苗店を回って買い集めた伝統野菜のタネをオリジナルの袋に詰め、1袋200円で販売する。インターネット販売が主であるが、地元の本屋やカフェ、病院などでも売っている。
 これまで約30種類のタネを扱い、販売総数は1000袋を超える。
 自室の冷蔵庫には伝統野菜400〜500種類のタネが保管されているとも。

 小さい頃、買った野菜の苗を育てることに熱中し、より多くの種類があるタネからの栽培をし、伝統野菜に行き着く。

 中学生になり、地方にタネを買い付けに行くようになって、伝統野菜のタネの存続に危機感を覚え、「誰かがタネを移動させて、つくる人を増やす必要がある。全国規模で流通させる仕組みがないなら僕が作ろう」と家族などの協力をえて開業に至る。


 見上げた高校生がいたものである。
 小林さんにエールをおくると同時に、若い人から生きるエネルギーを頂戴したことを感謝したい。

 小林さんは将来、タネの販売を本業にするわけではなく、あくまでも副業だという。
 大学受験のために時間の使い方を工夫し、仕事の多くは学校の休み時間に行い、勉強時間を確保しているというし、「タネの未来 僕が15歳でタネの会社を起業したわけ」(家の光協会)を出版しているというからいよいよ本物だ。

 先祖から受け継いだわずかばかりの農地で有機無農薬で野菜を作っていて、聖護院かぶなどの伝統野菜もつくっているが、伝統野菜のタネを手に入れたくとも近くの農協やホームセンターでは売っていないので、サカタのタネやタキイ種苗などでは扱っているのかいずれ調べてみようとは思っていた。

 凡人の自分は、伝統野菜の栽培に関心は高くとも、タネが手に入らないということで次の行動にはうつれないが、小林さんには恐れ入る、

 何故、小林さんのことを取り上げたかといえば、小林さんがやったことは、ただ単に伝統野菜のタネの販売などということにとどまらず、起業のあり方、大袈裟にいえば、日本の国の未来、日本の農業の進む道、消費者の野菜への向き合い方など多くの分野で様々なことを教えてくれたからだ。

 たかが伝統野菜のタネということではないのである。

 田舎に人が住める日本列島にしていかなければならない。
 そのためのヒントが伝統野菜のタネの販売にはある
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2020年02月20日

「農福連携」でブランド確立へ

 農業の分野で障がい者が働く「農福連携」で、手がけた生鮮品や加工品の認知度を上げるための取り組みが広がっている。と2月15日の読売がくらしの紙面で伝えている。
 
 読売によれば、信頼性や安全性をアピールしたり、品質を追求したりして商品を購入してもらい、障がい者の自立や施設の安定的な運営につなげたい考えだ。

 紹介されていたのは2011年から農福連携に取り組む、京都府京田辺市の障がい者就労支援事業所「さんさん山城」。
 2019年11月、生産するエビイモやナス、宇治茶をを原料にした宇治抹茶など9種の生鮮品や加工品について「ノウフクJAS」の認証を受けた。
 規格は農林水産省が2019年春制定。障がい者が生産に携わっている産品というお墨付きを与え、社会貢献などに関心の高い消費者の購買を促すのが狙い。
 認証品は専用のマークを貼付して販売できる。
 同事業所のほか全国8事業所が同様の目的で規格認証を受けている。


 食料自給率の向上を目指し、農業振興を訴えてきた中で、担い手の高齢化や後継者不足を要因とする人手不足の農業と雇用の場が必要な障がい者とを結びつけた農福連携を知り、これだと直感し、応援してきた。

 若い頃、知的障がい者なども含め、女性たちが春を鬻ぐしか生きる術がない時、女性たちを保護し、自給自足で共同体を運営していくという「かにたむら」のことを知り、サポート会員になったことがある。

 千葉県は館山にあるというこのコロニーでは、キリスト教の牧師深津文雄さんが創始者だと耳にしたが、納骨堂まで備えているということで、障がい者が生きていくにはこういう施設が必要なんだろうと、使用済み
切手や衣類などを送ったりもした。

 神奈川県相模原市の障がい者施設で起きた殺傷事件の裁判が今、開かれているときだが、障がい者とその家族にとって必要なのは自立のための職であり、人手不足で農家が研修生名目で外国人労働者を廉価な賃金で働かせようとする間違った政策ではなく、担い手としての障がい者の活用である。

 日曜日の夜、「ポツンと一軒家」とTV番組を視聴しているが、日本で生きるということを根本的に考えさせてくれて興味深い。

 車で訪ねるのも大変な辺鄙なところで生きている人は大概高齢者で、場所が場所だけに、食料はほぼ自給自足である。

 コメを作っている人もあればシイタケを生産したり、炭焼きをしたり様々であるが、ほとんどが野菜は自給自足であり、肉は、シカやイノシシを捕まえて食したりもしている。

 いかに食料自給率を向上させることが重要なことか教えられる。

 さて、農福連携であるが、一般社団法人「日本農福連携協会」は18年秋、農福連携に取り組む事業所の商品販売サイト「ノウフク・オンラインショップ」を開設した。取り扱うのは全国13事業所の40品目。

 れいわ新選組の山本太郎代表が前回の参議院選挙で自らの当選よりも障がい者2人の当選に尽力し、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)船後 靖彦さん、重い障害のある木村英子さんが早速国会で活躍している。

 障がい者の声を政治に反映させようとする山本太郎さんでなければできないことで、全国の障がい者団体に関わる人々は、選挙で山本太郎さんのれいわ新選組を応援することで、自分たちが社会で差別されることなく共に生きていくことができる社会を目指せるというものではないか。
 
 自民党の女性議員は生産性で人の価値を図るような発言をしていることからして、どちらが障がい者のことを真剣に考えてくれているかいわずもがなである。

 そう、時代は変わったのである。

 農業の人手不足は障がい者ばかりでなく、刑務所の受刑者の更生でも活用されなければいけないし、少年院などの院生とて同じことで、再犯の恐れがある凶悪犯、性暴力犯などを除き、社会復帰での職業として、農業に携わる道こそ、手に職として、更生にも役立つはずである。
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2020年02月04日

最も美しい図書館は秋田杉をふんだんに使用

 「よみほっと」という日曜版を読売が毎週日曜日、朝刊と一緒に届けてくれる。
 
 2月2日の紙面は「ニッポン探景」というタイトルで「最も美しい図書館」(秋田市)が紹介されていた。
 その1ページに「知の殿堂 大学のシンボル」という見出しで、秋田杉をふんだんに使った国際教養大学中嶋記念図書館の写真が大きく掲載されている。

 国際教養大学といえば、初代学長の国際社会学者中嶋嶺雄さんが2004年の開学時から、全授業を英語で行う独自の大学運営と365日24時間オープンする図書館を実現させたことと「就職率100%」の難関校として知られる。

 当初はやはり鉄筋コンクリート造りの予定だったが、県議会から地元の秋田杉の活用を求められ、建築家仙田満さんが設計した木造一部鉄筋コンクリート2階建ての天井は和傘を思わせるお洒落なもので目を見張るほど個性的で、見事なものだ。


 食料自給率の向上のため農業振興を呼びかけてきたが、同時にわが国の有力な資源である森林を活用し、林業振興も訴えてきた。

 林業を振興させるためには、何といっても、木材として使用しなければならない。
 ために、まずは、公共施設例えば、学校、ホール、図書館、駅舎などを木造建築にすることである。

 この点、国際教養大学中嶋記念図書館は、一番の成功例として、モデルになるケースだといっていい。

 しかしである。

 これほど素晴らしい木造建築物も、当初は鉄筋コンクリート造の予定だったから、大学の学長といっても林業振興に関してはたいしたことはない。
 ここは県議会の議員に軍配が上がる。

 秋田といえば、誰が何といっても秋田杉である。
 小学校や中学校のときの社会科で、青森のヒバ、秋田の杉、木曽の檜が日本の三大美林だと教わった。

 秋田の宝である秋田杉を使うように仕向けた県議会の議員の見識の方が上だった。
 それでも、中嶋嶺雄学長の素晴らしいところは、設計者に仙田満さんを選んだことで、和傘を思わせる天井一つ観ただけで、この建物が成功したことを物語っている。
 因みに、設計のコンセプトは、学生たちが本と戦う劇場空間・ブックコロシアム。

 木造建築の素晴らしさは法隆寺をみればわかるとおりである。

 鉄筋コンクリート造がダメなことは既に証明されているが、木造の素晴らしさは、2018年にお参りした比叡山で、延暦寺根本中堂の修復工事の現場を見学したとき、木造建築であれば、傷んだ柱は交換し、屋根瓦をはがし、下地の具合がよくないところなど交換することで、さらに長い年月の風雪に耐えられるとろこにある。

 日本の有力な資源である森林から生み出される木材の活用こそ、これからの日本の経済を支えていくはずである。

 最も美しい木造中心の図書館を立てた秋田の国際教養大学の中嶋峰雄学長と設計者、県議会の皆さんに敬意を表したい。
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2020年01月20日

林業の価値を問う森林環境税

 1月も20日と下旬になってしまった。
 インフルや中国武漢からの肺炎が気になるが、2月になると、花粉症が始まるので若い頃と異なり、春は憂鬱でちっとも嬉しくない。

 花粉症といえば、苦しみが始まったのが1984(昭和59)年だった。自分の場合、スギ花粉が原因で、戦後、スギばかり植えたアホナ輩に腹が立つ。

 その原因の杉林も含め東京都の森林、林業の現状と必要な施策について、1月7日の読売が「リーダーに聞く」その76で東京都森林組合木村康雄代表理事組合長(70)に取材している。

 東京都森林組合は、都内の森林所有者が林業や森林保全に関わる事業を共同で行うため設立した協同組合。
 荒廃するスギ、ヒノキ林を間伐する「森林再生事業」やスギ林を伐採して花粉の少ない品種に植え替える「森林循環促進事業」などの都の事業も受託する。ほか、多摩産材の加工販売もする。

 東京の森林は7万8500fある。その66%は八王子、青梅、あきる野市と日の出、奥多摩町、檜原村に集中している。
 木材価格が安く、山林所有者や林業従事者に入るお金が少ないという根本的な問題がある。さらにシカによる食害の問題もある。
 一番の問題は人材で、林業大学校で学んだような人材を求めているが、東京にはない。山仕事を希望する若者はそれなりにいても、収入を安定させてやらないと離れていってしまう。
 未活用の私有林の経営を市町村が受託し、森林組合などに再委託する「森林経営管理制度」も2019年4月から始まった。
 新制度の財源は住民税に1人当たり年1000円上乗せして徴収する「森林環境税」。
 その使途に注目している。


 資源がないと子どもの頃、学校で教えられた日本。実は豊富な資源として自慢できるのが森林である。
 何しろ、国土の7割といわれている森林面積であるが、語り継ぐ戦争で日本全国を周ってみて、電車に乗れば、車窓から眺める景色は地方は森林が多いというか、住宅が少ない。

 この資源を使わない手はないのである。

 米国が嫌いだといつも書いてきたが、戦争に敗れたため、戦後、米国型使い捨て社会になってしまった。
 ここにきて、その主たる要因となってきたプラスチック、特に、マイクロチップ化したペットボトルなどプラスチック製品による環境汚染で、とりわけ、海洋において、生物の生きることを妨害するまでになり、ついに、プラスチック容器、包装の使用を見直そうという時代がやってきた。

 昔懐かしい、量り売りの店が登場したというから、時代は変わるものだ。
 
 少し考えてみれば、水俣病の原因物質有機水銀はプラスチック製造過程で出てくると耳にしたし、イタイイタイ病はカドミウム、カネミ油症はポリ塩化ビフェニール(PCB)だし、米国がヴェトナム戦争で使った枯葉剤には猛毒で知られるダイオキシンが含まれていた。
 さらに石綿(アスベスト)も化学物質のことはわからないが、アスベストを吸いこんだ被害者の苦しみは息ができないわけだからい生き地獄みたいなものだ。

 そこで見直されるのが樹木というか木材である。

 住宅建築でクロスを貼るようになってから、接着剤の副作用に苦しむ人が増えたが、昔ながらの木の壁、土壁であれば、そんな問題は全く心配いらない。

 箸、コップ、机、いす、燃料の薪や炭、、公園の通路にチップを敷く、ホールなどの室内の木造化とこれからは木の時代になるはずだから、森林組合も暗く考えることはない。

 あとはいかに優秀な人材を集められるかである。

 愚かな経営者は人材=人財だということに気づかず、何かといえばリストラを考えるが、賢い経営者なら、優秀な人材が企業を救い、日本を救うということに気づくべきだ。

 林業も優秀な人材を集めることだ。 
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2020年01月03日

日米貿易協定に真剣に向き合え

 正月も早や3日、風邪による体調不良(夜中の咳)で休日診療の当番の医療機関を受診し、薬を処方してもらった。
 やはり、健康第一というか、元気でないと気力もわかず、今日も箱根駅伝の応援には行かれず、薬を手に入れるべく病院に行ってきた。
 それでも、インフルではないので熱発ということはない分ほっとしている。
 食事もできているので、何とか早く元気を取り戻したい。
 
 食事といえば、米国産の牛肉の関税引き下げなど日米貿易協定が1月1日に発効した。
 関税引き下げなどで、国内の消費者に恩恵が広がる一方、国内の酪農家は輸入品との厳しい競争にさらされそうだ。
 結論が先送りになった米国向け自動車などの関税撤廃を巡る協議も課題となる。と日米貿易協定について、12月30日の読売が「スキャナー」と題する紙面で課題など伝えている。


 米国が狭い日本の国土を米軍基地として占拠していることに対し、大多数の日本人は戦争に敗れたから仕方ないとあきらめてしまっているが、語り継ぐ戦争、戦没者慰霊のための行脚を続けてきた自分は、ヤンキーゴーホームと叫ばずにいられない。

 米国のための貿易協定だから、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)にも当然反対してきたが、トランプ大統領がTPPから抜けるというので大喜びしていたら、予想通り、日米二国間での貿易協定を結ばされ、米国の農産物の輸入が拡大されることになった。

 読売の御用記者たちは「日米貿易協定 家計潤す」「牛肉・ワイン値下げ続々)という見出しで、米国の言いなりになっている政府寄りの記事を書いている。

 愚か者は値段だけ考えて米国産の牛肉に飛びつくが、米国大統領の有力な支持者が少なくない農場主のことしか考えていないトランプ大統領に乗せられてはダメだ。

 日本の酪農家は米国ばかりか、TPPのカナダやニュージーランドの廉価な肉との競争も強いられている。
 農業の振興を訴えてきた自分としては、安全な国産の肉を食することを勧めているが、安ければいいということで、消費者が無頓着になっているのは困ったものである。

 食糧自給率という独立国家にとって一番大事なことが疎かにされてきた日本。
 これでいいのか日本と言いたい自分としては、日本の農業、酪農、養豚、養鶏何れも大事なものである。

 車の輸出での関税引き下げなどより、農業の振興の方がよほど大事ということをもっと理解する必要がある。 
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2019年12月24日

豚コレラ、感染豚が殺される

 年の瀬になると決まって、その年を振り返ってみたりする。
 
 新聞でも、読売が「木枯らし2019」と題し、この時期ならではの問題をとりあげている。
 12月18日のその3で、2018年のクリスマスイブ、岐阜県関市の兼松真吾さん(56)は、経営する養豚場で飼育する豚が「CSF(豚コレラ)に感染した可能性を知らされた。
 飼育していたのは県内最大規模の約8100頭。
 
 翌25日から殺処分が始まった。
 防疫作業員らの手によって次々と注射を打たれ、動かなくなっていく豚たち。
「こんな形で死なせてしまい、すまない」死骸は自ら重機で搬出用のトラックまで運び、その後、敷地内の巨大な穴に埋めらていった。
 
 あの日以来、毎日のように豚の墓場に立ち、「悪いことをした」と手を合わせているそうな。
 追い打ちをかけるように地区の自治会から「養豚場が臭いから『人間の生活圏』から離れた場所で再開するように求められた。
 その兼松さんが再起を誓い、施設の解体、施設の建て替えに挑んでいるという。


 近所に若い頃、養豚業に取り組むといって、米国に行った男がいて、帰国後、町はずれの辺鄙なところで養豚業を始めたが、そこも住宅開発が始まり、豚舎の臭いに苦情が寄せられ、あえなく廃業に追い込まれた。
 飲食店から出る残飯などを集め、餌にし、ごみ減量と一石二鳥みたいなことを言っていたが、今は、飲食店の残飯をごみの焼却場に運ぶ仕事をしていると耳にする。

 養豚場の臭いの問題は同じ岐阜県の高山で、酪農家が乳酸菌を飼料に混ぜ、牛舎からの臭いの問題を解決し、しかも、牛の糞を肥料化し、みな土として販売しているという。
 みな土は自分も手に入れ使ったことがあるが、素晴らしい肥料である。
 送料の問題を解決すべく農協で取り扱うように手を尽くしたが、農協の関係者は聞く耳を持たず、愚かにも拒否した。
 農協は、農薬をつくる会社が作る化学肥料を売りたいがためにみな土の販売を拒否したと思っているが、組合員の要望に応えない姿勢から、農協は自民党政府に攻撃され、米国企業の参入のため、いずれ解体されてしまうことになるだろう。

 話が逸れてしまった。
 クリスマスイブだからというわけではないが、近所の街道にある焼き肉はいつも大変混んでいる。皆、肉が好きなのだろう。

 肉を食するのが好きな人に問いたい。
 
 狂牛病、豚コレラ、鳥インフルと人間が食するために飼育されている家畜が病気で殺されてしまう現実をもっと真剣に考えてもらいたい。

 家族は肉を食するが、自分は肉を食さない。家畜が食べられるのは仕方ないにしても、豚コレラで殺されるのはかわいそうでならない。
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2019年12月15日

国産材の利用を増やせ、チャレンジ!

 写真で時代を写す「ズームアップ」という読売の夕刊に優れた連載がある。
 その12月9日に「国産材 芽吹く需要」という見出しで、国内の林業を底上げするため、国産材を利用しようとする試みが各地で始まっている。と吉野杉で作られたバイオリンを演奏する二人の女性がズームアップされていて興味を惹かれた。

 5月、奈良県橿原市で開かれたクラシックのコンサートでは、樹齢250年以上の吉野杉が使用されたバイオリンの音色が聴衆の心をつかんだ。

 読売によれば、国内の林業が衰退して久しい。
 しかし、戦後の造林政策による利用期を迎える人工林を中心に2017年の森林資源量は過去最高の52億立法bにまで増えた。
 無理やり新しく立て直した国立競技場にも47都道府県産の木材が使用されるなど「国産材利用」を国も後押ししている。

 京都府京丹後市では地域おこし協力隊の稲本真也さん(31)らが、地元産の杉材を使って軽トラックに積載して使用する「モバイルハウス」を開発中だ。飲食物の移動販売車も視野に入れる。

 金沢市の木工制作会社が開発したシート状の「ミシンで縫える木」(厚さ。0.15ミリ)を使って作られるハンドバック。石川県産の黒柿を使っていて、独特の木目模様が人気だという。


 小学校のときから、日本は資源がないので、外国から原料を輸入し、加工して輸出する産業が主になると教わった。

 しかし、林業に目を向ければ、明らかに資源が眠っていて、これを使わない手はない。

 車の輸出でトヨタばかりが儲かっている産業構造をそろそろ見直し、農業、林業振興に目を向け、食料自給率を高め、林業で地域おこし、さらには、国の産業として、加工品を輸出するようにシフトを変えていかなければならない。

 年に何回か、音楽を聴きに行くが、ホールを立て直すとき、あるいは、美術館、博物館を立て直すときなど、木材をもっと使わなければいけないし、金沢の木を薄くしたバッグしかりで、用途別に木材の活用をする必要がある。

 ホールなどでは壁は無論の事だが、椅子や床もすべて国産材を使うことだ。

 木材ばかりでなく、薪ストーブ、炭など活用は昔からされてきたのだから、国が方向付けを決め、国産材を使わなければいけないというようにすればいい。

 チップにすれば、肥料にもなるし、公園の通路にまけば、脚の保護と、土への栄養といいことづくめである。

 とにかく林業振興こそ、日本を救う道である。
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2019年10月24日

森林資源 新たな活用 被災地復興支援

 台風15号による強風で千葉県で停電、断水で大変なことになっている時期に、19号台風が前線による多量の雨と台風の雨で、千曲川、阿武隈川、那珂川などの大きな河川や中小河川の堤防を決壊させ、あるいは堤防を越えた水が民家に押し寄せた映像を見て恐怖を覚えた。

 気候変動が原因らしいが、災害列島に住んでいる立場として、自然の力を畏怖するばかりであるが、2011年3月11日の東日本大震災から8年、9月12日の読売が未曾有の災害からの復興支援として、「被災地から被災地へ 東日本大震災」というタイトルで被災3県、岩手、宮城、そして福島で森林資源を新たに活用する動きがあることを伝えていた。

 読売によれば、岩手では大船渡の「木楽創研」が気仙スギを活用して開発した農業用ハウス、宮城では三陸町の「佐久」が森林認証のFSCを取得し、地元産木材の企業などへの売り込みに力を入れる。福島ではいわき市の「磐城高箸」が子どもたちに使ってもらおうと地元産のヒノキを使った鉛筆の本格生産に乗り出す。


 地震と津波、台風、集中豪雨、雷、自然の力をエネルギーに変え、利用する日が人類にやってくるとは思えないが、被災地の住民が復興のために、その土地の資源を有効活用する取り組みは復興支援という点でみれば、応援していく必要がある。

 とりわけ、森林資源は国土の7割が森林だとされる日本ではそれだけ豊かであり、これを活用しない手はない。

 プラスチックごみがマイクロチップ化して海洋を汚染し、海の生き物たちの生命に大きな影響を与えているだけに、木のよさを見直し、できるだけ、木製品で代用できるなら、プラスチック製品を使わないようにすることが大事である。

 箸などは竹か木材で昔から作られてきたわけだし、鉛筆は無論の事、ボールペンだって木製品でつくれないことはないだろう。

 治水ということを考えれば、戦後の針葉樹、スギやヒノキばかりの植林は失敗だった。
 白神山地をみればわかるとおり、灌水能力の高いブナなどの自然林では土砂崩れが少ないからである。

 しかし、植えてしまったものは有効活用するしかないので、いろいろ試してみる価値はある。

 農業ハウス結構、一番は木なら、材木にすることだから、外材はやめて、国産材を使うことを義務づければいい。
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2019年09月26日

とうとう関東にも 埼玉 新たに豚コレラ

 埼玉県秩父市の養豚場で家畜伝染病「豚コレラ」の感染が確認されたが、今度は埼玉県小鹿野町の養豚場で17日、新たに豚コレラの発生が確認され、埼玉県は殺処分などを始めた。とメデイアが伝えている。

 9月17日の日経によれば、13日に感染が見つかった秩父市の養豚場と約5.5キロ離れており、県内の感染拡大を防げなかった。県は埋却や消毒などの防疫措置を急ぐ。

 県は秩父市の養豚場で飼われていた全753頭の殺処分を終えている。1118頭が飼育されている小鹿野町でも18日までに全頭殺処分する方針だ。


 牛海綿状脳症(BSE)所謂狂牛病、鳥インフルエンザ、そして豚インフルと酪農家、養鶏業、養豚業に携わる人を苦しめる病気のニュースが世間を賑わすようになってしまった。

 有機、無農薬での野菜づくりを実践していて、当然、病気もあるが、家畜というか、生き物を扱う酪農家、養鶏業、養豚業の大変さが理解できる事件で、国として早く手を打つべきである。

 ただし、誰も書かないから書いておきたいことがある。

 それは、ふだん焼肉などを好んで食している人たちはもっと食される立場の牛さん、豚さん、ニワトリさんの気持ちを考えてみたことがあるかということである。

 30代の末から体調を崩して40代早々3カ月入院し、炎症性腸疾患クローン病だと診断され、爾来、通院、加療しているが、病気のせいで二度も腸閉塞で入院することを余儀なくされた。

 病気が見つかった当初は大変厳しい食事制限があり、これを守ってきたから、古希まで生きでいる。

 病気が見つかるまでは、肉食だと言っても過言ではないほど食していたが、退院後、今日まで全く口にしていないと言ってもいいほど肉は食さなくなった。
 それと脂肪の制限もあり、当然、アルコールはご法度だから、2カ月に一度する血液検査では、ほとんどの数値に問題がない。血圧も全く問題ない。

 さて、自分が肉を食さず、野菜中心の食事、魚も滅多に食べない食事をするなかで、牛さん、豚さん、ニワトリさんは人間に食される運命にあるとはいいながら、病気に感染したら、殺処分という表現で殺されてしまう。

 焼き肉や焼き鳥を好んで食す人よ。少しもかわいそうだとは思わないか。
 人間に食べられるのも、殺処分されるのも殺されることにかわりはないが、生き物にもかかわらず、処分とは牛さん、豚さん、ニワトリさんをあまりにも馬鹿にした表現ではないか。

 先般、古希になったからということで、肺炎球菌の予防接種を受けた。

 牛さん、豚さん、ニワトリさんにも、飼料に混ぜて、薬を服用させてやろうではないか。
 牛さん、豚さん、ニワトリさん、いずれも悪いことは何もしていない。

 こんなことをしているといずれ、天罰がくだされる。
 天罰は、当然、食しているあなたにだ。
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2019年07月21日

若者たち 有機農業志す 北海道せたな町

 北海道南西部、函館から日本海に面した渡島半島を北上すること車で2時間以上のせたな町。人口は5月末現在で7850人。
 農業のほか、漁業も盛んで、04年には日本初の洋上風力発電が稼働した。
 日本初の女性医師である荻野吟子が1897年に産科・小児科を開業した地として知られる。

 7月18日の読売が地域の紙面に「地域力」と題し、このせたな町に有機農業を志す若者が集うと伝えている。
 農家ツアーで移住も促しているそうな。

 取材によれば、酪農家の村上健吾さん(37)は道内十勝地方で酪農を学び、2006年に故郷にUターン。実家の牧場を継いで、牧草や飼料の有機化に取り組んできた。牛の排せつ物から肥料をつくるのは大変な手間がかかるが有機肥料で育った牧草は間伐や荒天に強く、「自然に近い環境で育った牛のミルクは香りがとてもい
い」誇らしげに語る。
 そんな自家製ミルクで生産したチーズが日本航空の国際線ファーストクラスの機内食に採用されるまでになった。
 
 村上さんが所蔵する農家らのグループ「やまの会」は有機農業の普及に力を入れている。

 その象徴が「やまの会レストラン」で、11年から不定期に開催していたが、20〜30人の予約がすぐに埋まるという盛況ぶりで、2019年に公開された映画『そらのレストラン」のモデルになった取り組みだ。


 環太平洋パートーナーシップ協定(TPP)で国家主権が奪われると初めは、反対をしていた自民党が売国奴と罵られても仕方ない変質ぶりで、予想通り賛成し、2016年2月に政府は署名した。

 酪農に限らないが、農家はこれから新しい道に進んで行かないと生き残れない。
 トランプ大統領がTPPから離脱したが、世界有数の農業国米国がこれから日本に対し、2国間貿易協定で脅しをかけてくることが予測されるから,TPPと両方で強いものが勝つ自由貿易が進みそうだからである。

 酪農といえば、飛騨高山で酪農家が牛の飼料に乳酸菌を使ったところ、牛舎が全く臭わないという画期的なことが起きている。
 しかも、乳酸菌を食べた牛の排せつ物をたい肥化し「みな土」として売り出したことがTVで放送されたから、無農薬、有機農業を実践している自分は早速、買い求めて使ったところ、値段が高い分、生育効果抜群だった。

 先般、自分が住んでいる田舎町の農協の理事に小学校の同級生がなったことを知り、友人の同窓会長から電話番号を教えてもらい、農協で「みな土」を扱ってくれるように頼んだら、50数年経っていても、流石にクラスメイトだから、二つ返事で、農協に頼んでくれたが、結果は予想通り不可だった。

 理由は取ってつけたようなもので、要は扱いたくないということらしい。

 農協はTPPに反対だと言っていたが、選挙では自民党に投票している人たちの集まりだから、もともと信用していなかった。
 農協は農薬を売っているくらいだから、有機、無農薬に反対なのだろう。
 組合員の希望を入れないなら、協同組合の名前を変えた方がいい。

 青森で無農薬でリンゴを育てることに成功した木村秋則さんの例もある。
 飛騨高山のみな土もそうだ。

 無農薬、有機農業がどんどん広がれば、食の安全と農業への未来が開かることはまちがいない。

 せたな町で有機農業を志す若者たちにエールをおくりたい。
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2019年06月24日

障がい者の働く場を農業に

 担い手の高齢化で、人手が足りない農業と働く場の少ない障がい者とを結びつける、農業と福祉の連携、所謂農福連携の取り組みが注目されている。と6月17日の読売が社会保障の紙面に「安心の設計」と題し、「障がい者の働き手 農作業の一助に」という見出しで伝えている。

 紙面で紹介されたのは、福島県南部の泉崎村で、3fの農場を営み、精神障がい者の就労を支援する作業所「こころんファーム」。

 障がい者が受け取る工賃は全国平均で月約1万5600円と低水準だが、こころんは2倍の約3万円だ。
 農作業で仕事に自信をつけ、スーパーなどの一般企業に就職した人もいる。

 浜松市でミツバなどを水耕栽培する農業法人「京丸園」は従業員100人のうち、25人が障がい者だ。

 農業に取り組む福祉事業所(573カ所)が実感する健康面の効果として、体力がついた79%、障がい者を受け入れる農業者(109カ所)が実感する効果として、人材として貴重な戦力が76%と双方にプラスとなっている。


 家族が中学生のとき、いじめが原因で不登校になったことがある。正確には、いじめられていることが分かり、学校に行きたくないというので、行くなと指示し、勉強は塾でお世話になったから、教育費は結構かかった。

 高校入試は内申書が原因で軒並み不合格だった。
 学力試験だけの学校を見つけ、合格したが、結局、心の回復には時間が足りず、フリースクールのような学校に転校した。

 そこで、一番驚いたのが、トイレ掃除を子どもたちが受け持ち、田んぼを借りて、田植えを子どもたちにやらせていたことである。

 この一事で理解できるのは、不登校の子どもたちにとっても農業が役立つということ。

 「こころんファーム」で、7年前から働く28歳の男性は「土をいじっていると無心になれ、収穫したときに達成感がある。農業は自慢できる仕事だ」と誇らしく取材に応えていた。

 首都圏の田舎町で生まれ育ったが、実にラッキーなことに狭い面積ながら、ご先祖が遺してくれた農地があったため、病気治療を理由に早期退職してから、有機無農薬で野菜づくりをしている。

 「こころんファーム」の28歳の男性ではないが、土をいじっていると無心になれるというのは本当のことだ。収穫したとき、達成感があるというのも事実だ。

 若い頃、廓の楼主の娘が人身売買に反対するために書いた、多田さよ子『小菊の悲願』(聖燈社)を読んで、管理売春に反対するようになり、知的障がいなどから、生きるために売春をしていた女性たちの更生施設、千葉の館山にある「かにた村」の後援会員になっていたことがある。

 深津文雄牧師がリーダーとなって、自給自足を目指し、納骨堂まで設けられたコロニーが「かにた村」だった。
 沢木耕太郎『人の砂漠』(新潮文庫)で、「捨てられた女たちのユートピア」として紹介され、読んだとき、沢木耕太郎の名前を忘れることができなくなった。
 沢木耕太郎の原作は、2010年公開された映画では小池栄子が演じていた記憶がある。
 
「暮らしの手帖」でも紹介されたので買い求めているから、書棚を探せばあるはずだ。

 少し脇道に逸れてしまったが、障がい者にとって、自立するためには、何と言っても食料を自給自足できることが大事で、農業というのはこの点でも大いに役立つ。

 農業は、担い手の高齢化で人手不足だから、そこに、若い障がい者の手があれば、農家も助かる。
 
 障がい者にとって、一般企業と異なり、自然が相手だから、難しい面もあるが、人間関係に悩むことはないので、これから期待できる就労先になることはまちがいない。

 国で一番の根幹となる一次産業の農業振興をテーマに書いてきたが、農福連携をもっと進めていく必要がある。
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2019年06月21日

酪農家6割減 20年で1日3戸ペース

 全国の酪農家戸数は2018年に1万5700戸となり、20年前に較べて6割近く減少していることが、農林水産省のまとめでわかった。と6月12日の読売が伝えている。

 読売によれば、1日に3戸近いペースで廃業している計算となる。
 休日の少ない労働環境と後継者不足が背景にあるとみられる。

 酪農家が減れば、生乳の安定供給にも影響が出ることになるが、すでに、4月以降牛乳の小売り価格が上がるなどの影響が出始めている。

 2018年末に発効した環太平洋経済連携協定により、乳製品の輸入増が見込まれることも酪農家の不安を広げる。


 連れ合いが友達とカナダに行くというので、6月19日、最寄り駅まで送った。
 いなくなると、寂しいのは無論だが、まず困るのが食事である。

 カナダからの手紙は届かずとも、本音をいえば、早く帰ってきてもらいたい。
 長年、フルタイムで働いてくれたお陰で、早期退職し、わが家の大黒柱の座を交代することができた。
 だから、ふだんから感謝しているので、退職して少し経ってしまったが、慰労というか卒業旅行ということで、温かく送り出している。

 さて、ついでだから、カナダの酪農事情をみてみよう。
 ネットで海外駐在員レポート 「カナダの酪農事情〜牛乳乳製品の消費動向・消費拡大策を中心に〜」
 ワシントン駐在員事務所 中野 貴史、上田 泰史をみつけたので、参考にさせていただく。

 「カナダの酪農は、牛乳乳製品の輸入を制限し、国内需要を前提とした厳格な生乳供給管理制度を有している。酪農への参入には、高額な生乳供給数量(クォータ)の購入が必要となることから容易ではないが、参入した後は、この制度の下、生産者は、生乳生産量が割り当てられ、政府からの直接補助金交付なしに再生産可能な十分な対価を得ている。」そうな。

 さて、日本の食料自給率を高めることが独立国家として一番大事なことだと農業振興について、時折書いてきた。

 農業は、コメ、野菜、果樹、園芸、酪農、養豚、養鶏と多岐にわたる。

 一般的には現金収入が少なく、労働はきつく、天候など自然の力に影響されることから、後継者不足で将来性がないように思われるかもしれないが、食料生産に関わっているから、一定の需要がなくなることはありえない。

 農業は労働環境をみれば、休日が少なく、たいへんな仕事だが、中でも生き物を扱う酪農、養豚、養鶏は事実上、休みはない。
 しかも、過去に狂牛病あり、今、豚コレラ、鳥インフルと感染すると全滅してしまう怖ろしいウイルスが海外からやってくる。

 テレ東の「昼めし旅」をいつも視聴しているが、この番組では、タレントやスタッフが日本全国を訪ね、各地域で第一次産業に就いている家をお訪ねするところに佳さがある。

 特に、農家の場合、生産している品物を紹介してもらうことで、農業の六次産業化の実態がよくわかるのだ。

 明治維新以降、開拓といえば、まず、北海道で、入植した人たちが、土地柄、酪農に目をつけ、がんばって成功している。

 戦前は、あちこちで、食べられない貧しき農家の次男坊などが政府に騙され、満蒙開拓団として、満洲(現中国東北部)に渡ったが、敗戦で、引き揚げてきても、彼らの居場所はなく、再び、那須など各地で開拓民として暮らさざるをえなかった。

 那須でも酪農で成功した人がでている。

 消費者の立場からみれば、輸入品だろうが、国産だろうが、牛乳が飲めて、チーズやバターなどの乳製品が廉価で買い求められれ文句はないだろう。

 しかし、ちょっと立ち止まり、休日のない酪農家のことを少しは考えてみてほしい。

 TPPだって、内容を知れば知るほどおかしな協定で、誰のためのものかもう一度考え直す必要がある。

 酪農家が減ってしまえば、簡単に牛乳も飲めなくなってしまうのだ。
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2019年06月15日

木材と間伐材、林業振興 岡崎市

 日本全国で、独自に地域振興を図っている自治体を記者が訪れ、その原動力を探り、「地域力」というタイトルで紹介している。
 その読売が5月30日に徳川家康の生誕の地として知られる愛知県は岡崎市でのヒノキ林を活用するための流通改革について取り上げていた。

 岡崎市と2006年に合併した額田地区(旧額田町)には標高数百メートルの山が連なり、ヒノキの人工林が広がる。

 東日本大震災の被災地支援を通じ、燃料としての木材の重要性に気づいた隣町出身の唐沢晋平さん(34)が同地区に移住後、林業や薪の製造、販売を行う一般社団法人「奏林舎」を発足させた。
 唐沢さんは「地域材フェアトレーデイング」と題した全国初の社会実験の中心人物として知られているとか。

 外国産木材の流入などで、木材価格が下落し、林業が衰退したが、間伐材を燃料チップの原料として買い取る「木の駅プロジェクト」の発案者丹羽健司さん(65)(岐阜県恵那市)がアドバイザーとなり、唐沢さんが事務局となって2015年、同地区でもプロジェクトがスタートした。
 
 木材流通の改革が必要だと考えていた木材コーデイネーター能口秀一さん(54)にも加わってもらい、山主と地域の製材業者、工務店をつなぎ自ら製品化する構想を17年9月、山主に提案した。

 現在、良質な木材は柱より板の需要の方が大きいという現状を山主にも理解してもらうため、製材所で丸太から高級板、並み板が何枚取れるかの体験をしてもらい、販売されたらいくらになるかの試算もし、山主の理解を得るように努めている。
 
 実験が終了後は、山主と製材業者、工務店の協働体制は今後も生き、県も販売ルートづくりの支援に乗り出すそうな。

 
 明治維新以降、西欧諸国に追いつけ、追い越せとばかりに、工業化を急ぎ、農業、林業という国で一番大事な基幹産業が疎かにされ、貧しい、農村などでは、娘たちの身売りさせられ、から行きということで、外国に売り飛ばされたり、廓で搾取されながら、死しては投げ込み寺に捨てられた。

 工業化の行きつく先は、満洲(現中国東北部)への侵略で、物量、国力の圧倒的な差から米国との戦争に敗れ、原爆を落とされてもまだ懲りずに戦後も工業化を進め、水俣病などの公害病で多数の市民が犠牲となっている。

 工業化でよかったのはトヨタなどの自動車産業くらいで、相変わらず、農業、林業などの基幹産業は米国やフランスなどと較べて衰退が続く。

 だから、日本大好き人間の一人として、語り継ぐ戦争ではあるが、合間に農業や林業の振興、町おこしなどについても発信してきた。

 農業では一次産業とされてきた農業が六次産業化され、この転換が上手くいったところでは、確実に収入が増えているし、町おこしと結びついたところでは、高知の馬路村や徳島の上勝町みたいに住民に元気がでている。

 林業も同じことで、資源がないとされてきた日本で世界に誇れる資源は森林であり、明治以降、戦後の復興と、植林されたヒノキ林が今、ちょうど伐採に適する時期を迎えた。

 岡崎市額田地区で、山主と地域の製造業者、工務店をつなぎ自ら製品化する試みはまさに林業の六次産業化への第一歩であり、このまま、ネットなどを活用し、上手く軌道に乗せられれば、林業振興の起爆剤となるだろう。

 農業は一番大事な食料を生産するわけで、食料自給率を高めることは国家にとって一番の防衛力強化につながる。
 林業は衣食住のうち、住の部分を担う大事な分野であり、法隆寺や神社仏閣を見ればわかるとおり、日本の歴史や文化をつくってきた。

 林業は、今や、住の分野にとどまらず、間伐材はバイオマスや薪などの燃料や、公園などに敷くチップばかりでなく、脱プラスチックということで、箸や食器、木工としてインテリアなどの材料としても見直されている。
 木工といえば、乙川優三郎『脊梁山脈』(新潮文庫)には木地師のことが書かれていて、木地師といえば、日本古来からの職業ということで、やはり、日本では、先人は木を活用してきたことが明らかだ。

 脱プラスチックとなれば、木か紙か竹だから、これからの時代は林業にきっと光が当たる時代がやってくるはずだ。
posted by 遥か at 08:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 農業、林業振興

2019年05月25日

「種子法廃止は違憲」と提訴

 優良な種子の生産や普及の促進を目的とした主要農作物種子法(種子法)が廃止されたのは、安全な食料を安定的に生産し、供給する権利を侵害するとして、全国の農家ら約1300人が24日、種子法廃止法が違憲であることの確認などを求めて東京地裁に提訴した。と5月24日の共同通信が伝えている。

 共同通信によれば、訴状では、以前は都道府県が管理していた種子を民間企業が独占することで種子の価格が高騰する恐れがあり、遺伝子組み換え作物が出回るなどして食の安全が懸念される、と主張。
 生存権を定める憲法25条違反だとしている。

 各地では、同法に代わる独自の条例が制定されているという。


 種子法という法律があったのを安倍自公政権が廃止したということを知ったのはTPP違憲訴訟に関わってきたからである。

 一見、廃止されてもどうってことないように思われるかもしれないが、日本大好き人間の一人で、民族派である自分から見ると、食の安全をおろそかにする種子法廃止に反対だ。

 食の安全をおろそかにし、食料自給率が低いことにも怒りを覚えてきたから、政府と国のお役人様のやってきたことに不信感を抱くばかりだ。


 人生は勉強だと、古来稀なる年を迎えようという今でも、読書をし、映画を観て、新聞を読んで日々発信してきた。

 TPP違憲訴訟のことは、大嫌いな米国がトランプ大統領になって、加盟国から脱らくしてくれたから、安心してしまい、反対運動から少し距離をおいているが、違憲だという考えまで捨てたわけではない。

 隣の畑に時々顔を出していた70代の女性との距離が遠くなってしまい、読み終わった生協の定期刊行物がすっかり届かなくなってしまったが、一時的にしろ、この刊行物のお陰で、食の安全ということに大いに関心を持つようになった。

 種子法、つまり、種と苗のことは少しでも畑をやっていれば、関心があるが、畑をもう10年以上やっていると、種を撒き、苗を農協で買い求めて植え付け、育て、収穫する、できればそこで種をとるのが一番いいということがわかってくる。

 人間もそうだというと怒られそうだが、種がいかに大事か、農薬や化学肥料で育った種でなく、安全な種が必要なのだ。畑や田んぼには。

 農薬、化学肥料は使わないようにしなければ、食の安全、土壌の安全は保てない。

 化学肥料を使うと、畑のお目付け役であるミミズが死ぬ。
posted by 遥か at 13:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 農業、林業振興