2023年07月01日

国内自給率25%の飼料を一歩ずつ地産に

 青空に白い雲、どこまでも広がる緑の牧草地。岩手県雫石町の「中屋敷ファーム」で牛がのんびりと草を食む写真が紙面の半分近くを占める。

 6月26日の読売が夕刊に(富田大介記者)「ズームアップ」と題し、写真に文章を添えて食肉牛の飼料の国産化問題にスポットを当てている。

 ファーム代表の中屋敷敏晃さん(45)が農研機構と共同で無農薬栽培した大豆、自ら育てたトウモロコシにおからを混ぜた配合飼料が作られている中屋敷ファーム。

 飼料の大部分を輸入している日本の畜産現場に、ロシアのウクライナ侵略や急激な円安で大打撃を与えた。
 「廃業する」という農家の悲鳴も聞こえる中、中屋敷ファームでは2022年から飼料用にトウモロコシを育て始め、2023年は地元のおからや酒かすも利用し始めた。
 農研機構東北農業研究センターと協力して栄養価などを分析し、飼料の自給と地産を加速させている。
 牛の糞は堆肥として活用する。目指すのは「地域で循環する畜産」だ。

 中屋敷ファームでは肥育牛60頭のうち、15頭を100%国産飼料で育てている。

 「個人から地元、そして全国に地産、国産飼料の『循環』を広げる。そこに食の安全と確かな畜産の未来があると信じている」という中屋敷さん。


 岐阜県の飛騨高山で牛の飼料に乳酸菌を混ぜたら、糞が臭わなくなり、牛舎から悪臭が消えたことをTVで伝えているのを視聴したことがある。
 その糞でつくった肥料を「みな土」というブランドで販売しているので、手に入れて使ったことがあり、有機肥料として佳いものだったので、組合員となっている地元の農協に肥料として取り扱ってくれと何回となく頼んだが拒否された。
 この一件で、日本の農協に未来がないことを悟った。
 農協なのに組合員が求めていることに耳を貸そうともしない姿勢を断固糾弾しておく。

 さて、衣食住とはいうものの、一番大事な食の問題だから、畜産業における飼料の自給率がわずか25%であるというのは知っていたことだとしても落胆せざるをえない。
日本の牛は、松坂、神戸、米沢などブランドで競っているが、飼料が国産でないにも拘らず、ブランドだけ国産では意味がない。そんなの真の国産とはいえない。

 一般的な牛の飼料といえば、大豆やトウモロコシなど国産でやろうと思えばできないことなどあるわけがない。
 さらに、米を作る日本では酒造りが盛んであり、精進料理も伝承されてきたから豆腐もよく作られていることから、酒かすやおからなど捨てるほどあるではないか。

 米を精米してできる米糠はぬかみそにするくらいだから、食べられるはずで、これらを牛など家畜の飼料にすればいいことくらい、誰にでもわかることではないか。

 循環型農業を推進するために、有機無農薬での野菜作りを実践しているが、有機肥料として、家庭から出る残菜、豚糞、毟った草を堆肥にしていたが、現在は米ぬかに油かす、魚粉末を混ぜた所謂ぼかし肥料も手作りして使っている。

 食料自給率、飼料自給率ともに50%にも遠く及ばないが、外国から輸入できなくなれば、忽ち、困ってしまうことは目に見えているだけに、国産化、地産化せざるをえない。

 雫石といえば、全日空機と自衛隊機が空中衝突した事故があった街ということくらいしか知らないが、
 中屋敷さんによれば、畜産には最適な街だそうな。

 食の安全のため、飼料の自給に取り組む畜産家、酪農家には中屋敷さんを筆頭にエールをおくりたい。
posted by 遥か at 09:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 農業、林業振興

2023年05月24日

徳島地域固有の神山小麦で、小麦の生産を増やそう

 いじめ問題を筆頭に、様々な課題に直面している日本の教育について考える企画、「教育ルネサンス」というタイトルの連載が長く続く読売。
 その2732、5月11日は「地域を特色 3』というサブタイトルで、後継者不足で地域の産業や行事の担い手が減少する中、高校が伝統の継承に取り組む例として、徳島県立城西高等学校神山校で地域固有の「神山小麦」を継承すべく、食農プロデュースコースの3年生が4月に畑の草刈りをしているところを取材した様子を伝えている。

 2022年11月〜12月に生徒が約20キロの種を蒔き、6月に収穫される。同校が神山小麦の栽培を始めたのは2019年度。地域の課題解決を学校のカリキュラムに取り入れようとして、調べたら、地域固有の神山小麦が農家の後継者不足による廃業で存続が難しくなっていることを知り、耕作放棄地を麦畑に整備し、継承していくことにした。

 2023年の収穫量は300`を見込む。
 収穫した小麦はパン屋やビール醸造所に卸すほか、製麺所と連携し、加工や販売も手がける。
 同校は2022年度荒れ地を開墾し、畑を拡張した。
 自分たちで植えた小麦が成長し、農地が再生していく様子を目の当たりにし、「きれいになった景色に達成感を覚えた」というのは3年生の大東伊織さん(17)。

 同校では19年度から30人の定員のうち、5人の全国募集枠を設けている。

 TPP差止違憲訴訟の会(種子法廃止違憲確認訴訟)の事務局長元農水大臣の山田正彦さんによれば、2018年4月に種子法は廃止。その結果、「これまで米、大豆、麦類の品種を、各都道府県が責任を持って種子を開発・増殖してきた。それが今後は義務ではなくなる。つまり、種子を守るための予算がつかなくなる」というのだ。

「一つの品種が開発されるまでには10年、増殖には4年かかる。各地域の銘柄米を手ごろな値段で口にできたのは、膨大な歳月と労力をかけ、その予算を税金で賄ってきたからである」

 さらに「日本の多様な品種を大企業の寡占から守っていかなければならない」と危機感を強める。

 
 徳島県立城西高等学校神山校で地域固有の神山小麦を継承すべく荒れ地となった耕作放棄地を開墾し、種を蒔き、育てているということは、興味関心がない人からみれば、スルーしてしまう記事かもしれない。

 しかし、日本の小麦のほとんどが外国からの輸入で、このままではパンが食べられなくなる。小麦が輸入できなくなれば、米粉で代用してパン作りするしかなくなってしまう。

 となれば、パン好きな人なら、興味関心が湧いてくるだろう。

 TPP違憲訴訟の会のメンバーだから、TPPから種子法の廃止に会の活動がシフトされていることも送られてくる会報で知っていた。

 神山小麦という現在はマイナーな存在かもしれないが、もっと、種まき、育成を日本全国に広げていけば、やがては外国から輸入する小麦の量を減らせるどころか、国内で自給することも夢物語ではなくなるかもしれない。

 日本の農産物の自給に関して、相当インパクトがある話ではないか。
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2023年05月22日

ニシン放流事業で復活の兆し、ホタルイカ富山だけ不漁

 原因は不明「ホタルイカ 富山だけ不漁」「10年平均の3割未満」という見出しで5月19日の読売が伝えたかと思えば、北海道日本海側「ニシン大群復活兆し」「放流事業成功 漁獲量も増」と5月20日の読売が伝えている。
 
 ニシンの大群が押し寄せ海が乳白色に染まる現象を群来と呼ぶそうな。
 5月6日留萌の三泊漁港に群来がやってきた。群来は戦後まもなく見られなくなったが、市によれば、2020年からは毎年確認されているという。


 語り継ぐ戦争だから、2010年8月、稚内から留萌までレンタカーを走らせ、鬼鹿海岸沖でソ連の潜水艦に沈められた樺太からの引き揚げ船小笠原丸など三船遭難の慰霊碑にお参りしたことがある。
 そこに国指定重要文化財旧花田家番屋があって、見学したが、ニシンがたくさんとれた時代、やん衆と呼ばれた雇人が200人を超えたというほどの大きなニシン漁の家で、往時をしのばせられた。

 ホタルイカの富山は語り継ぐ戦争では富山空襲が遭ったことは調べてあるが、コロナ禍で2020年から戦没者慰霊のための行脚に行かれず仕舞いとなっている。

 富山はイタイイタイ病の資料館があるはずで、何としても行かなければならない土地でもある。

 ニシンは子どもの頃、おせちで食べたことがあるような記憶はあるが、はっきりしているのは長じてにしんそばを食したことがあって、北海道の冷たい海で育ったからか、油が多かったような印象である。

 語り継ぐ戦争とは別に北海道には観光で訪れていて、小樽の水族館の雰囲気が気に入り、2度行ったことを思い出す。

 海に面したバスの終着駅で下車し、波が打ち寄せる場所に立つレストランで昼食を摂り、水族館まで歩いた時、トンネルがあって、霊感というかトンネル内で寒気がしたので、多分、トンネル工事で犠牲者が出ているのではないかと家族で話したことを思い浮かべながら書いている。

 途中、ニシン御殿があったので、寄るべきだったと悔やんでいるが、当時は水族館に行くことを優先してしまった。

 なかにし礼作詞、浜圭介作曲、北原ミレイが歌った『石狩挽歌』という北海道でニシンがたくさん獲れた時代のことを歌にした名曲がある。

 ニシンに限らないが、魚は乱獲すればいなくなってしまう。
 農耕民族なら、育てることが第一に来る。
 漁業者も農耕民族jを見習って育てる漁業にもっと力を入れていく必要がある。
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2023年05月20日

有機農業で化学肥料の高騰に対処

 NHK毎朝ラジオ先日の放送で、有機農業の街宮崎県綾町のことが紹介されている。
 2022年12月8日のNHK宮崎WEB特集「有機農業の町 宮崎県綾町がピンチ? 動き始めた農家たち!
NHK宮崎 ミステリー×クッキング 有機農業を応援キャンペーン スタート!」でも紹介されていた。
 
 持続可能な農業を強く打ちだす「緑の食料システム戦略」。2021年に国が発表し、2022年7月に法律が施行された。2020年時点で全耕地面積のわずか0.6%ほどしかない有機農業の割合を2050年までに25%に拡大する目標を掲げている。

 宮崎県綾町は有機農業の先進地として知られている。「農業は儲かるの?世界が注目!綾町・自然生態系農業の歴史」でも紹介したように、綾町は「有機野菜」や「SDGs」といった言葉が定着するずっと前から、町独自の方針「自然生態系農業」に沿った農業を推し進めてきた。しかし、いま生産現場では手間暇の割に野菜が安すぎるのではないかといった戸惑いも見られる。

 日本の、宮崎の農業の柱の1つになるであろう「有機農産物」を、綾町のみなさんとNHK宮崎放送局が手をとりあって、応援していくシリーズ」とコンセプトが紹介されている。

 生産された農産物を綾町自然生態系農業認定制度で「金」「銀」「銅」という表示をされて直売所「綾手づくりほんものセンター」で販売されている。
 除草剤や化学肥料の使用の程度などが消費者にわかるようになっているのだ。

 自然生態系農業は害虫や雑草との戦いで、時には収量が大きく落ち込むこともある。ほんものセンターに並ぶ野菜の価値に、そうした手間や苦労が反映されていないのではと感じている人も少なくない。
 そんな綾町の農家のみなさんの悩みを解決したいと、NHK宮崎放送局では「プロフェッショナル仕事の流儀」にも出演した、全国の農家から絶大な信頼が寄せられている、いま注目の野菜バイヤー・愛の野菜伝道師こと小堀夏佳さんを招く。

 生産者との話し合いで、有機無農薬野菜の価格が安すぎるが、価格競争ではなく、商品のポップを増やして、野菜にネーミングを付けたり、おススメ料理を書いてみることなど、野菜の個性を表現し、価値を高めていこうというアイデアが数多く出された。


 有機無農薬での野菜作りを実践して10年くらいにはなるので、当然のことながら、宮崎県綾町での有機農業にはエールをおくるし、有機無農薬野菜の価格を高くすることにも賛同する。
 しかし、消費者は経済的に余裕がある人もいれば、苦しい人もいるのだから、同じ商品でも価値の違い、サラダで食べられるとか、手がかかるとかでも価格が異なるようにするなどの工夫が必要だろう。

 綾町の自然生態系の農業というキャッチコピーが気に入った。

 農薬と同じである化学肥料は自然界にあるものではないので、体にいいわけがない。こんなことは当たり前のことである。
 化学肥料の原料を輸入してきたが、価格が高騰したから、有機農業にというのはお役人の愚かさを表している。化学肥料を使わず、有機農業を推進すればよかっただけのことだ。
 除草剤を畑や田んぼで使うことが間違っているし、化学肥料を使えばミミズなど生き物が死ぬ。

 有機無農薬での野菜作りを始めてから、年々ミミズが増えている。土がよくなっている証拠である。
 まだ、不十分だと自覚しているのは、家畜の糞、使用しているのは豚の糞と鶏の糞であるが、これらの家畜の糞の使用を減らし、米ぬか、魚粉末、油かす、落ち葉や草などを堆肥化させたものだけで野菜作りをしたいという願いがある。
 より自然生態系に沿ったものにしていくことで、さらに、ミミズが増え、土壌がよくなるはずだからである。

 宮崎県綾町の取り組みはこれからも留意してみていきたい。
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2023年05月03日

「余った資源」広域連携 脱・輸入依存へ

 米どころの宮城県と畜産が盛んな鹿児島県のJA関連団体が今春、飼料用稲わらと 堆肥 を流通させる広域連携の実証実験に乗り出した。ロシアによるウクライナ侵略や円安で飼料と肥料がそれぞれ高騰する中、国内に偏在する地域資源を有効活用し、輸入への依存度を減らすのが狙い。2025年まで実験を続け、低コストの輸送手段などを探る。と5月1日の読売が(後藤陵平記者)伝えている。

 宮城側はロール状にした稲わらを、鹿児島側は牛や豚、鶏由来の堆肥を粒状のペレットにして、それぞれ供給する。

 宮城側ではペレットを家畜飼料用の稲やトウモロコシの栽培に利用。鹿児島側では稲わらを肉用牛などの餌に使う計画だ。

 余剰資源の供給先を探していた両団体は3年前から、広域連携の可能性を探っていた。JA全農みやぎ管理部は「国内の未利用資源を生かした仕組みをつくりたい」と意気込み、JA鹿児島県経済連営農戦略推進室は「流通コストなどハードルは高いが、挑戦を続けたい」とする。農水省飼料課は「他地域でも広域流通の取り組みを進め、国内に余っている稲わらなどの自給率を上げたい」としている。


 有機無農薬での野菜作りを実践してから、食料自給率の問題や資源の有効活用に目覚めた。

 語り継ぐ戦争だから、アジア太平洋戦争の原因を探ると、結局、資源がないことと、農村部などを筆頭に貧困問題の解決ということに行きつく。
 というのは、満州国を関東軍が作り上げたが、送り込まれた満蒙開拓団に応じた農民たちは貧しかったから海を渡るしかなかったからである。
 アフガンで活躍された中村哲医師が、病気を治す前に、栄養問題ということで、乾いた土壌のアフガンに灌漑用水を敷設することに乗り出したことと似ている。

 ご先祖のお陰で狭隘ながら農地を相続し、維持管理してきたことで、野菜を作って自給自足とまではいかないが、野菜を買い求めることが大幅に減っている。

 さらに、家庭から出る所謂生ごみ、残菜を畑に埋めることでゴミを減量することができるようになった。
 脱プラスチックで、ビニールのマルチを使わないため、麦わら、稲わらを使いたいのだが手に入らない。
 
 宮城といえば米どころ、鹿児島といえば黒豚というくらい両県には特色があるが、これを高騰対策、脱・輸入依存で連携して使うということは素晴らしいことで、他の地域でもいくらでもやろうと思えばやれることではないか。

 一般家庭から出る残菜というか生ごみだって、国がやる気になれば、堆肥化、資源化できるにも拘らず、やらないだけのことだから、できるところからやるしかない。

 鹿児島だって、よりによって中国から稲わらを輸入するなどという安易なことはやめて、国内産の稲わらを使わなけりゃダメだ。

 新潟、秋田、宮城、山形、福島と東北各県はコメどころが多い。
 稲わらくらい何とでもなるだろう。

 畜産農家は、国内産の飼料を使わなければ、国産豚、国産牛とは単純に呼べなくなってしまうとは思わないのだろうか。
 外国から輸入した飼料を食べて育った肉が何で国産なんだと疑問に思うのは自分だけか。

 稲わら、麦わら、米ぬかは全て、土壌づくりには欠かせない資源である。
 無論、家畜の糞である、牛糞、豚糞、鶏糞みな土壌づくりには欠かせない。
 さらに、落ち葉、剪定枝、雑草、これらもみな土壌づくりには必要な資源である。

 資源を有効に活用するなんて当然のことではないか。
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2023年04月27日

伝統的技法 「接ぎ木」探求 タバコで結実

 異なる植物をつなぎ合わせる「接ぎ木」は、2000年以上前から続く伝統的な技法だ。野菜や果物などの栽培で当たり前のように使われてきたが、詳しい仕組みには謎が多い。
 この接ぎ木を研究しているのが京都大学教授野田口理孝さん(42)で4月23日の読売がくらしサイエンスの紙面で紹介している。

 2009年に留学した米カリフォルニア大デービス校で、アブラナ科のシロイヌナズナに他の植物を接ぎ木すると、ナス科のタバコを接ぎ木すると、うまくつながった。「奇跡の組み合わせに違いない」と確信し、さらに研究を続け、研究成果をまとめて米科学雑誌サイエンスに発表。世界中を驚かせた。
 
 21年文部科学省の科学技術・学術政策研究所から、顕著な業績を上げた「ナイスステップな研究者」に選ばれた。

 世界的な人口増加と異常気象で、食料危機が深刻になっている、
 地球温暖化の影響で、塩害や乾燥などで土壌の劣化が進む。「世界の耕作地の4割は農業に不向きな土地になっている。待ったなしの問題だ」と警告する。
 「接ぎ木には大きな可能性がある。技術をさらに成熟させて、持続可能な農業を実現し、環境問題や食料問題を解決していきたい。」と抱負を語る。


 「接ぎ木」と言っても、農業や園芸と無関係の人には関心がないかもしれない。

 初めて「接ぎ木」のことを知ったのは、庭にあった柿の木で、接ぎ木をしないと甘い実がならないと、わが家に出入りしていたとび職の親方が接ぎ木をしてくれた。
 柿には成り番?があると親が教えてくれたが、1年おきにたくさん実がなるのだ。
 ずいぶん前に接ぎ木してもらったが、昨年はたくさん実をつけてくれた。

 次いで接ぎ木のことを意識させられたのは、有機無農薬での野菜作りで、農協の組合員になっているわが家では夏野菜の苗を農協で買い求めているのだが、スイカの苗が接ぎ木苗となっていて、植えたら、スイカではなく夕顔が実ったことがあった。
 つまり、スイカは夕顔に接ぎ木しているということで、接ぎ木したスイカより、強い夕顔が成長したということだった。
 このことを不耕起の自然栽培で野菜作りをしている知人に話して笑われたことがある。
 つまり、そんなことも知らなかったというわけ。

 野田口さんの研究は実は素晴らしいもので、ノーベル賞をもらうことになるかもしれない。

 毎日食べるだけで精いっぱいという生活の人が少なくない日本ではあるが、食料自給率は38%と低空飛行を続けている、

 4月26日のクローズアップ現代で大人の食品アレルギー問題を取り上げていた。
 小麦粉のアレルギーでパンが食せないという、ならば、米を食せよと思うと同時に、米粉のパンを食べろと言いたくなったけれど価格が高くなるという。
 アレルギーがない人から見れば、他人事みたいになるが、アナフラキシーで生死にかかわる当人にしてみれば大変なことであろう。
 食の問題となれば、アレルギーの問題まで含まれるのだ。

 接ぎ木苗は手間暇かかる分、実生苗より割り増しの価格になるが丈夫である。
 わが家の夏野菜ではナスとスイカが接ぎ木苗を使っている。

 つまり、苗が丈夫になることで、生産性が上がるのだ。

 たかが、接ぎ木苗ではないのである。

 食料危機になると、移民がどっと押し寄せてくることだってあるし、現に、砂漠化した中国から黄砂が飛んできて日本では大いに迷惑しているではないか。

 土を砂漠化させないためには植樹しなければならないが、接ぎ木苗を工夫すれば、砂漠のような土地でも育ちやすい樹木をつくることだってできるかもしれない。

 野田口さんにエールをおくりたい。
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2023年04月21日

障がい者栽培 イチゴ好評

 4月20日、親族から訃報が届いた。
 30代前半の若さで、詳しいことは不明ながら、病気だとは聞いていないので、もしかしてとは思っている。
 古希を過ぎている自分の半分も生きていないにも拘らず、ということで、自分に相談してくれれば、何とかアドバイスできたような気がするのだが、相談する間柄になっていなかったのが残念でならない。

 親族とはいいながら、他家に口出しはできないし、相談を受けていないにも拘らず、こちらから元気にしているかとは言えないし、ということで、若い人にはいつも「死ぬなよ!」と訴え続けてきただけに悔しい。

 非正規雇用で職場を転々としていたようだが、農業の道に進むことを勧めたかった。

 さて、その農業といえば、「県版王」三重というタイトルで4月15日の読売が「障がい者栽培 イチゴ好評」という見出しで三重出身の知的障がい者らが育てるイチゴがブランド化され、人気を集めている。と伝えている。

 中部電力の子会社「中電ウイング」で働く知的障がい者が育てたイチゴ「ウイングいちご」がブランド化され、一粒150円ほどの高級品であるが人気を集めているというのだ。

 生産現場は、中電ウイングが運営する岐阜県可児市のビニールハウス(約4000平方b)。2022年から「ヨツボシ」「章姫」「紅ほっぺ」の3種類計約2万4000株を本格的に栽培し、年間16dを収穫している。
 研修を受け、「チャレンジド」と呼ばれる平均年齢30歳の社員35人が交代で作業に従事している。
 
 玉川高島屋で、入荷後3日ほどで2000円台の5パックが完売したそうな。


 ラッキーにもご先祖から受け継いだ畑、面積は狭いが退職後、有機無農薬で野菜作りをしている。
 有機無農薬とはいいながら、不耕起による自然栽培ではなく、家庭から出る残菜所謂生ごみを埋め、毟った草を堆肥化し、家畜(豚や鶏)の糞と米ぬかに魚粉末、油かすを混ぜた所謂ぼかし肥料を手作りした循環型農業をめざしている。
 実は、自然栽培、全く手をかけないでイチゴも栽培しているので、つぶ揃いというかそれなりに大きくするにはイチゴ栽培には手がかかることは知っている。
 全く何も手をかけないので、粒はバラバラでも、食べられる。ジャムにすることもある。

 障がい者も程度はいろいろであるが、なかなか仕事がないのが実情である。
 人手が足りない農業と仕事がない障がい者を結び付けた農福連携が注目されている所以である。

 畑仕事、とりわけ、イチゴのような繊細さが求められるような作物の栽培に適性がある人だっているわけだから、そこに、農福連携の妙味があるといえばいえる。

 中電ウイングは農福連携が上手くいっている例として、全国的に見ても大いに参考になるのではないか。
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2023年03月29日

技能実習制度に欠陥 「双子遺棄」逆転無罪

 一人で死産した双子の遺体を自宅に遺棄したとして、死体遺棄罪に問われたベトナム国籍の元技能実習生の被告(24)の上告審判決が24日、最高裁第2小法廷であり、草野耕一裁判長は有罪とした一、二審判決を破棄し無罪を言い渡した。とメディアが伝えている。

 時事通信や3月25日の読売によれば、一、二審の有罪判決が最高裁で逆転無罪とされたのは1980年以降、25人目。

 第2小法廷はまず、死体遺棄罪について「習俗に従って埋葬することで、死者に対する一般的な宗教的感情や敬虔感情の保護を前提にしている」と指摘。「習俗上の埋葬とは認められない態様で遺体を放棄、隠匿する行為が『遺棄』に当たる」とした。

 その上で、リンさんが自室で双子を出産し、死後間もない遺体をタオルに包んで、名前やおわびなどを書いた手紙と共に段ボール箱に入れ、棚の上に置いていたことに言及。「遺体を隠匿して他者からの発見を困難にする状況をつくり出したが、場所や遺体の梱包、置き方などに照らすと、習俗上の埋葬と相いれない行為とは認められない」として、遺棄罪の成立を否定した。

 2022年警察に摘発された外国人9548人のうち、ベトナム国籍が最多の3432人だったと3月24日の読売が伝えている。
 技能実習生として、本国のブローカーに多額のカネを払って来日、カネに困って犯罪に手を染めるケースが目立つ。
 13年末の在留ベトナム人は7万2256人。21年末には43万2934人に増加している。技能実習での在留は約18万人に上った。

 日本の農業の現場で人手不足が深刻であるが、経営に余裕がなくて人件費をきちんと支払うだけの体力がないため、技能実習生を当てにしている部分がある。

 技能実習制度はほころびが出ているどころか根本的に安い賃金で働かせようとすることに無理があることは誰の目にも明らかだ。

 まず、技能実習生の制度を改善していく必要がある。

 技能実習で来日しても、ブローカーに多額のカネを渡して来日している関係で、来日後、生活苦に陥っている。
 技能実習生と言っても、男と女なら妊娠させたり、したりすることだってあるだろう。
 制度を見直す時機ががやってきているのではないか。

 考えてみれば気の毒であるが、彼らの犯罪の半数が窃盗だということで、ブローカーにカネを渡すことと、技能実習生という制度を改善しなければ、犯罪はなくならない。 
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2023年03月10日

酪農家を助けて!生乳需要を喚起し、飼料を国産化へ

 酪農家が飼料価格の高騰と、生乳余りによる値上げ圧力の二重苦に直面している。
 乳牛の維持費にコストがかかる一方、乳牛の生産調整は難しく価格転嫁が難しいためだ。

 農林水産省は3月から、乳牛の早期リタイアを促す異例の交付金を始めたが、抜本的な打開策を見えていない。と3月2日の読売が伝えている。


 牛乳の需要が減っているとのこと。

 以前に書いたことであるが、朝起きて、まずカップ1杯(250CC)の牛乳、次いで、ヨーグルト、次いで、秋田の大館から取り寄せている黒パン3枚をカップ2杯の牛乳で食べる。
 夕方、カップ2杯の牛乳、夕食後、風呂に入る前後にカップ2杯の牛乳ということで、都合7杯だから少なく見積もっても、1日パックで1本半くらいは牛乳を飲む。

 無論自慢できることではないが、牛乳の消費に貢献しているであろうということで書いた。

 昨日、鳥インフルで養鶏業が苦境に立たされていることから、大規模飼育から分割飼育へと、今頃になって感染した鶏の全羽処分を防ぐ対策が取られることになったということを取り上げた。

 酪農家は大変だ、畜産業も大変なことは変わらないが、牛乳を搾るのを休むことができない上、生乳では保存がきかない分、さらに厳しい毎日が続く。

 そこに、飼料の高騰が追い打ちをかけるのだから、廃業する人が続出しても理解できる。

 人間の食料自給率がカロリーベースで38%だという。
 酪農では、牧草と配合飼料の2種類の餌を与えているはずだが、牧草はやる気になれば、自給自足できても、トウモロコシなどを原料とする配合飼料は輸入に頼ってきた。

 そもそも、ここが間違っている。

 米国やウクライナでトウモロコシができて、何故、日本ではトウモロコシがつくれないのか。

 政府はコメが足りないと八郎潟ではないが、干拓事業を進め、余ると、減反政策という行き当たりばったりの政策をとってきた。
 生乳を減らすため、3月から乳牛の早期リタイアを求めて交付金を出すという。

 やるべきは、酪農家への現金給付と牧草と配合飼料の自給自足政策を進めることではないか。

 語り継ぐ戦争でいろいろ勉強していくと、戦争とはいいながら、南方の島などでは飢餓で餓死やらマラリアなどによる戦病死が多かったことを知った。

 シベリアに抑留された人たちも、収容所では黒パンとカーシャと呼ばれたほとんど具の入っていないスープだったから、運よく引き揚げてきた人達は皆痩せていた。

 戦争に敗れた後、戦後の日本は貧しく、食べられない人たちが食べるものを求めて農家への買い出しに行ったりしてもいる。

 酪農家が廃業してしまえば、牛乳、乳製品はみな輸入せざるをえなくなってしまう。
 酪農家を支えてやらなければ、困るのは市民であることは間違いない。
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2023年03月09日

養鶏場「分割管理」推進 全羽殺処分を回避

 国内で猛威をふるう高病原性鳥インフルエンザで、青森県の採卵養鶏業者が、農場内の衛生管理を鶏舎群ごとに行う「分割管理」に乗り出すことがわかった。通常は一部でも感染すれば農場内の全羽が殺処分の対象となるが、分割管理で鶏舎群を「別農場」とみなすことで、対象を減らすことができる。農林水産省は都道府県を通じ、全国の大規模農場への導入を推進する方針だ。と3月4日の読売が1面と社会面で伝えている。

 今季の高病原性鳥インフルは昨年10月以降、全国55か所の採卵農場で発生。殺処分の対象は今月3日時点で採卵鶏の1割にあたる1379万羽に上り過去最多を更新中だ。このうち、100万羽以上の農場は5か所で、597万羽を占める。鶏卵は品薄感が広がり、価格の高騰が続く。

 分割管理では、100万羽超の大規模農場を複数の鶏舎群に分け、それぞれで作業する人員や車両、機材、卵の選別・包装施設などを別個に備える。行き来をなくすことでウイルスの広がりが防止でき、発生時の殺処分は感染した鶏と同じ鶏舎群に対象を限定できる。「ブロック管理」「別農場管理」とも呼ばれる。


 鳥インフルが世界で猛威をふるっていて、感染50か国超で少女の死亡例さえも報告されている。と3月3日の読売が伝えていた。

 感染症は現在の新型コロナは無論、近年、爆発的に増えている梅毒、その前のエイズと人間の世界でも困っているが、家畜の世界はもっと大変なことになっている。

 牛海綿状脳症、所謂狂牛病、豚コレラ、鳥インフルと流行り病のように家畜の世界に感染症という疫病神は憑いてくるのだ。

 気の毒なのは、家畜たちである。
 感染症にかかっていなくとも、同じ農場というか施設で感染が見つかれば、即座に皆殺し、ジェノサイドの運命だ。

 考えてみてほしい。

 家畜は人間のご都合主義で飼われているだけで、自由を奪われ、どこにも出かけることができないのだから、感染症に罹患したと言って責めることなどできはしない。

 悪いのは、羽があるから勝手にウイルスを運んでくる渡り鳥とか、施設にウイルスを運んできた人間ではないか。

 遅きに失した感が否めないが、分割飼育を取り入れることにしたのはよかった。

 効率主義という新自由主義の弊害が鳥インフルとなって形を変えて、表面化しただけのことである。

 21世紀は人間界でも感染症との闘いがメインとなることは新型コロナの感染でわかった。
 次いで、梅毒などの性感染症も同じような予感がしてならない。

 家畜の世界では、牛に死んだ牛の肉を食べさせたことから、狂牛病が起きたと認識しているが、豚コレラ、鳥インフルと感染したら全頭、全羽殺してしまうという罰当たりなことをして、豚さんも」ニワトリさんも怒っていることを肝に命じるべきだ。

 人間の身勝手で気分が悪くなった。
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2023年03月03日

太鼓を椅子に 胴を再利用

 創業160年超の歴史を誇る台東区の老舗祭礼具店「宮本卯之助商店」が、和太鼓の製造過程でゆがんだり、ひびが入ったりした胴部分を再利用し、現代的デザインの椅子に生まれ変わらせた。
 1月にフランスで開催された見本市に出展されると、海外バイヤーの注目を集め、販売後は国内から問い合わせが相次いでいる。その人気の裏には、フランスのデザイナーの存在と職人たちの努力があった。と3月1日の読売が(岡本遼太郎記者)伝えている。

 和太鼓の材料は、樹齢80年以上のケヤキなどで、削りだした幹をもとに造っていくが、ゆがみが出ないよう3〜5年乾燥させる。ただ、この過程でひび割れしたり、 楕円 の形にゆがんでしまったりするものも多く、2022年2月時点では商品にならない胴が2000個近くもあったという。

 「資源として活用できないだろうか」。と宮本芳彦社長(47)が思案しつづけて、「椅子にしてみよう」と思い立ったという。

 同店は2020年12月、伝統工芸品などを世界に発信する都のブランド戦略「江戸東京きらりプロジェクト」に選ばれている。都の姉妹友好都市である仏・パリ市で開催される見本市に、店で造った工芸品を出品することになっており、仏側からも様々な支援を受けられることになっていた。都の仲介により、家具などのデザイナーとして現地で知られるピエール・シャリエ氏(39)の協力を得られることになり、デザイナーの感性と太鼓職人の技を活かした座り心地のよく、漆を塗って仕上げた見た目も美しい椅子が完成した。


 子どもの頃、わが家の庭の隣地との境に欅の大木が数本あったが、ご近所から落ち葉や枝が伸びるという苦情があり、親族の紹介で飯能の材木商に伐採してもらったことがある。

 伐採費用と欅の代金で相殺ということだったと記憶するが、樹齢何年かはわからなかったが、船の材料にするというようなことを耳にしたような覚えがある。

 太鼓の胴に使うのが欅だということは知られたことで、太鼓に使えなかった欅で椅子を作るということは資源を無駄にしないことで循環型社会の構築を訴えている自分としては大いにエールをおくりたくなった。

 林業の衰退が叫ばれてから久しい。

 東京都と三井不動産だったか、神宮の森の再開発で脱炭素社会を目指すこととは全く正反対の多数の樹木を伐採するという蛮行をすると発表した。
 「白人は二枚舌」だとインデイアンに教えてもらったが、国だけでなく、都のお役人様も二枚舌だった。
 脱炭素だと言いながら、多数の樹木を伐採してしまうのだから。

 樹木の効用というものを考えるとき、それぞれの樹木を活かしてきた先人の智慧を知ることになる。

 北は青森のヒバ、ヒバは香が佳くて、檜同様、風呂の浴槽の材料にするくらい水にも強い。
 秋田のスギ、スギは、丈夫ではないが、曲げたり工作が可能なため、曲げわっぱ、つまり弁当箱などにもできる。
 木曾地区に代表される檜は建物の材木として適している。
 欅は太鼓で使うばかりか、船材として使われる。
 楠は樟脳、桐は箏や下駄、漆だって、漆の木から採取するし、コウゾミツマタは和紙や紙幣にと思いつくままに書いただけでもこんな具合である。

 太鼓の宮本商店のことは購読している「邦楽ジャーナル」の広告で知っていたし、太鼓といえば、ある都立高校で和太鼓を放課後練習している音が響く。と言っていたのを耳にしたことがあるくらい、結構楽しんでいる人はいるみたいだ。

 樹齢80年以上の欅だから、椅子だけでなく、有効に活用し、絶対に無駄にしないでもらいたい。
 それほど価値が高いと思うからだ。 
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2023年02月25日

若さで森林保全に挑戦する女性

 TV朝日「二十歳の挑戦」の2月12日の放送で森林保全に挑戦している高橋里帆さん(21)のことが紹介されていた。
 「高知大学で地域学を学びながら、「こうち森林救援隊」という人工林を守る団体に参加する高橋さんは、毎月一度、チェーンソーやユンボを扱い、間伐や植栽を行っています。
 きっかけは、高校生で出会った愛媛県の林業名人との出会いでした。急斜面での作業は想像以上に過酷で「足手まといになっているなと引け目に思うことも多く」それでも、林業に関わる仕事につきたいという決意は変わりません。
 森のために何ができるのか、必死に学ぶ、彼女の挑戦を追います。」と㏋に内容が説明されている。

 
 実は番組を視聴していない。
 高橋里帆さんのことを知ったのは、雪国で除雪作業に取り組む青年のことを同じ番組で取り上げていたのを視聴し、興味を抱いて番組の㏋を開いてみたからだ。

 これからの時代は一次産業の時代だということを書いてきたが、食料自給率がカロリーベースで38%と低いために食料危機がやってきて、戦後の一時期のような混乱となることを心配している。
 ために、これからは間違いなく農業が脚光を浴びる時代がやってくると訴えてきた。

 同時に、資源がほとんどないとされてきた日本における二つの大きな資源である水と森林、とりわけ林業もこれからスポットが当たる時代がやってくるはずである。

 さらに言えば、男たちの時代が終わり、女性が活躍する時代が目の前までやってきているということ。

 そういう視点から、若い女性が高知で森林保全の仕事に関心を持ち、職業としていきたい意向だというのだから応援しないわけにはいかない。

 今朝のNHKのTVで、宮崎県で19歳の女性が林業にチャレンジする様子が放送されたのを視聴して、大変心強かった。

 一方で、読売の先日の人生案内にブラック企業に就職してしまい、退職はできたものの、また、ブラック企業だったらと考えてしまうとどうしても、家に引きこもりがちだという20代の女性からの相談があった。

 自分が回答者だったら、農業法人への就職、または林業のような一次産業に従事するか、職人の道に進むことを奨めた。

 今、林業は明らかに変わった。

 「ポツンと一軒家」を視聴してわかったのだが、農業も林業も機械化が進み、力仕事というより、機械のオペレーターとして優秀な人材が求められていることがわかった。

 だから、林業でも女性が活躍する場ができたのである。
 TVでは高知と宮崎だったが、ほかにも女性が林業にチャレンジする林業女子は少なくないことがネットをみればわかる。

 男でないとできないということなどないのである。

 高橋里帆さんのことが広く知られ、林業女子、或いは農業女子の存在が広く知られることで、類は友を呼ぶではないが、仲間が増えてほしいと切に願う。  
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2023年02月13日

農産物輸出 最高1兆4148億円

 農林水産省が3日に発表した2022年の農林水産物・食品の輸出額は前年比で14.3%増の1兆4148億円だった。10年連続で過去最高を更新した。とメディアが伝えている。

 2月3日の読売夕刊1面トップ記事に拠れば、ホタテ貝、ウイスキー、青果物、ブリ、牛乳・乳製品が輸出額の目だった主な品目。

 政府は農林水産物・食品の輸出額を25年に2兆円、30年に5兆円とする目標を掲げている。

 2月4日の日経によれば、2000年以降に急伸している米欧との開きは大きく、拡大する世界の食料需要の取り込みが課題となる。
 米国の輸出額は日本の24倍に達する。オランダも15倍ある。人口の増加や食の多様化による世界の食料需要の増加に対応し切れておらず、拡大の余地は残る。


 農産品の輸出が10年続けて過去最高を更新したというニュースは芳しいニュースが少ない日本にあって喜ばしいニュースである。

 食料自給率がカロリーベースで38%と低い日本では、まず、食料自給率をアップさせ、外国から輸入ができなくなった時の対策を考えておくことがまず一番にやらなければならないことだ。

 その上で、ホタテ貝、青果物、ブリ、そして牛乳・乳製品などの輸出は食料自給率から見れば、さほど影響のあるものではないので、どんどん輸出を増やすことに賛成である。

 気になるのは、牛乳、乳製品といえば、北海道の酪農と畜産の問題である。

 先般、北海道の酪農がトウモロコシなど輸入飼料の高騰で経営が苦境に陥り、廃業する酪農家が出ているというニュースを耳にした。
 酪農家が生まれた子牛を畜産家に売却する価格が信じられないほど低価格だったが、飼料代が高騰してしているからということで、畜産家も経営が苦しいというのだ。

 食料自給率ではないが、飼料や肥料の価格が高騰していることについても、飼料は国産で賄えるようにしてこなかったこともその要因の一つとして考えられる。

 肥料の高騰については化学肥料から有機肥料に転換していくことを考えるべき時が来ているということではないか。

 農産品といえば、農業、漁業それも養殖、林産物、青果物とあるが、国土面積の7割が森林資源の輸出ももっと真剣に取り組む必要があるし、もう一つのわが国の有力な資源である水の輸出も有望である。

 小中学校では資源が乏しい日本は原料を輸入し、加工して製品にして輸出する加工貿易の国だと社会科などで教わった。

 これからの日本の進む道は農林業の振興で、農産品の輸出に活路を見出すことではないか。
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2023年01月31日

外国産材 価格高止まり 国産木材チャンス到来

 不動産やゼネコンの大手各社が国産木材の調達や加工に力を入れている。 
 外国産材の価格が一部で高止まりしているのに加え、強度や耐火性が向上し、木造のオフィスビルやマンション向けの需要が増えていることが背景にあると1月30日の読売が総合の紙面スキャナーで(中西瑛、川口尚樹記者)伝えている。

 鹿児島県湧水町や北海道で不動産やゼネコンなどが国産木材の入手に力を入れている。 
 脱炭素で木造ビル需要が高まっているからだ。
 東京、横浜、札幌などで木造ビル11階〜12階を主に建築が為されたり、これから建築が予定されていることから、ウッドショックで価格が高止まりしている外国産材ではなく、国際材の活用に目を向けたということ。

 木材の強度の問題は新建材「CLT(直交集成板)」がコンクリートに匹敵する強度を実現したことが木造ビル建築に大きく貢献する。


 木造と耳にしただけで、4階建て以上のビルの建築は難しいと決めつけていたが、技術革新は素晴らしい。
 木造ビル、それも11階建てというから、一昔前ならまず考えられないこととして、安全であるなら結構なことである。

 何しろ、国土面積の7割が森林だという日本だから、あちこち旅をすれば、事実、森林が多いことはよく理解できることだ。

 水と並んで二つの有力な資源である日本の樹木を木材として使わないという選択肢はない。

 脱炭素と言いながら、明治神宮外苑の樹木を伐採するというのだから、お前たちはアホかと言ってやりたくなったが、一方で、国産木材にようやく復権のチャンスが到来したことを大いに歓迎したい。 
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2023年01月24日

この畑から生き直す

 NHK「Dearにっぽん この畑から生き直す」再放送だと思うが、昨日、偶然視聴することができた。
 途中からだったけれど、興味を惹かれた。

 「日本一の畑作地帯、北海道・十勝に、児童養護施設や少年院を出た青年たちが作物を育てる畑がある。行き場を失い孤立した青年たちと、彼らを懸命に支える人たちの物語。

 未婚の母のもとに生まれ、義理の父から虐待を受け、荒れた生活を送ったリク(仮名・22歳)。 18歳まで少年院で過ごし、2022年6月、十勝にやってきた。仲間とぶつかることもしばしばだが、NPO法人「スマイルリング」の堀田豊稔さんらの支えを受けながら、地域の人たちとともに、広々とした畑で作物を育てる日々を送っている。十勝の大自然の移ろいの中で、自分を見つめ直していく青年たちの物語。」と㏋に紹介されている。


 小学5年生くらいから、父親の指示で畑で野菜作りを手伝わされてきた。
 アジア太平洋戦争で生き延びて引き揚げてきた父親だから、親に逆らうなどということは考えられない家庭だった。
 クラスメイトには農家の息子もかなりいたが、畑での手伝いをしているのは自分以外一人いたくらいの時代である。
 16歳になったばかりの夏休み、父親が病気で亡くなるまで、畑を手伝った。
 その後、畑は荒れ放題で、学校を卒業して、社会人になった頃、晩秋だったか、枯れ草に火を付けられて消防署から管理不行き届きで注意され、仕方なく開拓民の如く、開墾から始めて栗や梅などの果樹を植え、下草刈りだけしていた。

 その後、運が向いてきてかして区画整理を経て、周囲が整備され、再び、畑で野菜作りを始め、しばらくしてから、有機無農薬での野菜作りに目覚めた。

 その頃から、今でいうところの、農福連携や刑務所や少年院を出た人たちなどが働く場所として農業が適していることに気づく。

 野菜だけは自給自足みたいなことを目指したが、仕事は所謂サラリーマンだったから、農業で食べていたわけではないので、農業で自立するとなると厳しいことくらいは承知していた。

 さて、北海道十勝で農業に頑張る若者たちの姿をみて、応援したくなった。

 農業だけで生活をしていくこと。しかも、冬ともなれば大自然の厳しい洗礼を受ける北海道のことだから、暮らしていくことだけでも大変だろうと推測する。

 しかし、周囲には農業のことを教えてくれ、支援してくれる先輩、それも、同じような道を経て、今日に至るということで、気持ちを理解してくれる人だから力強い。

 人間関係のしがらみというか、昔の仲間も北海道十勝ともなればやってこないだろうから、農業に打ち込める。

 要は、やる気があるかどうかだから、支援者を裏切らないように腰を据えて取り組む必要がある。

 大自然相手だから、生活ともなれば大変であることは間違いないが、食べるものを確保することだけはできるはずだ。

 仮名の青年の立ち直りを応援したい。
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2023年01月11日

元ホスト歌舞伎町トップから和牛「日本一」

 興味深い記事で目が離せない読売の連載、1月9日の「今もどこかで」6⃣は「元ホストが和牛『日本一』」、「父の畜産業継ぐ『最高に格好良い仕事』」という見出しで伝える酪農の星の話である。

 酪農の星は鹿児島県霧島市の和牛農家藤山粋さん(47)。2022年「日本一」に輝いた和牛を育てた。
 20年ほど前、その姿は900`離れた首都東京のネオン街にあった。
 そう歌舞伎町のホストとしてトップを張ったというので俄然興味を惹かれた。

 親の稼業の後を継ぐなどということは全く考えたこともなかったというより、むしろ、「なりたくない職業のナンバーワンだった」というくらい嫌だった畜産業。

 大学進学で上京するも、友達に誘われホストの道へ。親に知られ、退学し、この道を進むと言ったら、「勘当」を言い渡された。

 ところが、27歳の時、支え合ってやってきた仲間が亡くなり、窮状を訴える父親(75)から「戻ってこないか」との手紙が届く。
 付き合っていた20歳の彼女に見せると、「こんなに頼られて帰らなければ本当の親不孝者。このままなら、一緒にいられない」と喝を入れられ、Uターンを決意した。

 畜産業の秘訣は「目をかけ、手をかけ、声をかけるのよ」と大先輩の女性に教えられた。

 和牛「日本一」になった前日は、あの時父からの手紙に喝を入れてくれた彼女と17回目の結婚記念日だった。

 受賞後、小学5年の女子から似顔絵付きの手紙をもらった。「日本一、すごい」と「自分も牛を育てるとき教えてもらいたい」とも。

 「牛飼い」を子どもたちの憧れの職業にするのが夢だという藤山さんにエールをおくる。


 なんの世界でもトップランナーになるような人は違うということを教えてもらった。
 工夫も努力もしないで、トップを取って、その地位を張ることなどできはしない。

 ホストといえば、自分が歩んできた遊女、女郎たちの供養で知った苦界においてもナンバーワンになる人はそれなりに工夫していることを知った。
 所謂花電車藝で、その世界に知られた女性がいることを知ったのは大林清『玉の井挽歌』(青蛙房)だったか。
 御職を張ると呼ばれたか、売れっ子ナンバーワンはただ、器量が佳いというだけではなかった。
 客のあしらいも上手だったらしい。

 ホストでナンバーワンになるくらいだから、女性に好かれたということは、牛に好かれることも難しいことではないだろう。

 同じ生き物相手だし、愛情をかければ、応えてくれるはずだ。
 ただし、生き物は病気もすれば、死んでしまうことだってある。
 毎日、食べさせなければいけないということを考えれば、休日というものがないので、厳しい仕事であることは間違いない。

 ついでに言うなら、畜産業は、臭いの問題があり、霧島辺りでは大丈夫かもしれないが、もし臭いで困ることがあれば、飛騨高山で乳酸菌を食べさせて、排せつ物の臭いを消し、堆肥はみな土という名の肥料として販売している人がいるので参考にしてもらえばいい。

 とにかく、自分は肉を食べないけれど、農業、酪農などを応援する気持ちは他者に負けない。
 飼料も輸入に頼らず、国産を食べさせてほしい。
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2023年01月08日

侵略、気象 食料輸入の危機 食の安保

 世界の食料事情は、気候変動による異常気象や人口爆発というリスクに加え、ロシアのウクライナ侵略という新たな危機に見舞われている。
 食料を囲い込む動きは各国に広がり、大部分を輸入に頼る日本では今、「食料安全保障」の重要性がかつてなく高まっている。と1月6日の読売が特別面で「世界秩序の行方」というテーマで「世界の農地が抱えるリスクを取り上げ、わが国の食の安全保障に警鐘を鳴らす。

 日本は世界で11番目に人口が多い一方、国土面積の7割が森林で、農地は少なく、分散している。国民一人当たりの農地面積は1億人以上の国としては最も狭い。
競争力に劣る国内の農業は、じりじりと細ってきた。主に自営で農業に従事している人は、00年の240万人から現在は123万人に半減し、平均年齢も67・9歳と高齢化。耕作放棄地も増え続けるなど、生産基盤は脆弱化している。
 21年度の食料自給率(カロリーベース)は38%。タイ米などを緊急輸入した「平成の米騒動」(1993年度)の頃と同じ水準にまで落ち込んでいる。
 肥料や飼料も海外に依存、牛・豚・鶏等に与える飼料も自給率は25%(21年度)にとどまる。

 農水省が2021年5月に打ち出した「みどりの食料システム戦略」は、食料安保を支える取り組みとして注目されている。農業現場の生産力向上と環境負荷低減の両立を目指す。


 人というものは困ったものである。
 食料自給率が38%だと聞いてもどこか他人事という人が多いのはどうしたものか。
 2023年だから、戦後78年になるが、飢餓に苦しめられたのはわずか78年前のことなのにその時代を生きてきた人が舞台から退場していき、戦後の飢餓を知らない人ばかりになってしまえば、自ずからこうなることはわかっていたようなものであるが。

 ロシアのウクライナ侵略を契機に小麦など農産物輸出国であるウクライナからの輸出をロシアが邪魔したことで、食料安保の問題が俄にクローズアップされてきた。

 道楽でやっていると親しい人から揶揄されている有機無農薬での野菜作りであるが、商売でやるには面積が狭すぎるし、売り物となれば、無農薬だからといって、アオムシや夜盗虫がいる野菜は商品にはなりにくい。
 それでも、自分が死んだ後も、有機無農薬での野菜作りは続けろと家人に伝えてある。
 理由は、間違いなく食料難の時代がやってくるからだ。
 その時、いくら狭い面積だと言っても、農地は農地で、自分が必死で土づくりに取り組んできたから、自分が死んだ後、肥料など使わずとも、野菜が収穫できるようになっているはずだからである。

 語り継ぐ戦争だから、戦後の一時期は、農家の天下で、何としても食料を手に入れたい女性は不本意なことでも受け入れざるをえなかったと耳にしたことがあるくらいだ。

 食べるものがなければ、自由だ尊厳だと言っても、空腹はどうにもならない。
 戦地であれば、サルの肉だと言って、人間を食べてしまう?話がいくらでもあったくらいである。
 北朝鮮で飢餓に苦しむ家族が愛犬を食べてしまうのを映画で観たことがある。
 2008年公開された『クロッシング』だったと思う。

 食品ロスなどと言っている場合ではない。

 食料の自給率が38%では話にもならない。
 何としても、農業に携わる人を増やし、自給率を50から60%くらいにはもっていきたい。
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2022年11月21日

生乳再び廃棄のピンチ 牛乳を飲んで生産者を支援

 学校が冬休みで給食のなくなる年末年始を前に、2022年も乳製品の原料となる生乳が余って、廃棄を迫られる恐れがある。
 飼料価格の上昇を受け、大手乳業メーカーが牛乳の価格を引き上げ、売り上げが減りかねないためだ。
 農林水産省は生産者支援に向けた対応に乗り出した。と11月16日の読売が伝えている。

 21世紀のヒトラー+スターリンこと悪魔殺人鬼のプーチンのロシアのウクライナ侵略と円安が原因となっている飼料価格は上昇した。

 明治と森永、雪印メグミルクの大手3社は、11月から、牛乳類の出荷価格を2・8から10・2%引き上げた。
 ために、消費減の恐れが出ている。

 2021年末、約5000dの生乳廃棄のピンチを迎えた時は、政府による消費拡大の呼びかけなどが功を奏し、廃棄を免れた。


 一般的には廃棄するくらいなら牛乳をもっと値下げしろという短絡的な声が高まりそうだ。
 さらに、輸入の自由化で外国から安い乳製品を買い求めればいいという意見もあるだろう。

 生乳廃棄については、絶対そんなことをさせてはならないと書いたことがある。
 
 需要を喚起するために、自分が毎日、パック1本半の牛乳を飲んでいることを明らかにした。
 内訳は朝、6時に起床してまず、カップ1杯、大館から届くロシア製法の黒パンなどを食べるときカップ2杯。夕方、散歩から帰ってきてカップ2杯。夜風呂に入る前22時頃、カップ1杯、風呂から出て23時頃、カップ1杯。都合、200t超くらいの容量のカップに7杯、全て冷たいまま飲む。

 炎症性腸疾患クローン病だから、病名が判明した頃、肉や中華のように油を多く使った料理、牛乳を飲むのは控えるように栄養指導で指示されたように記憶している。

 ところが、加齢とともに、体内から不要となった物が出にくくなって、その方面の薬を飲むくらいならということで、牛乳をたくさん飲むようになった。

 飲んでいるのは、加工乳というのか、低脂肪かつ鉄分とカルシウムが取れるとかパックに書いてある製品である、。

 生乳を廃棄するくらいなら、政府が牛乳を買い上げて、子ども食堂や路上生活者への炊き出しに回せと言いたい。

 自分では生産できないにも拘らず、生産者の苦労を理解しようとしない消費者がいるが、値段を不当に下げれば、やがては生活できなくなった酪農家が廃業してしまう。
 そうなると、外国からの輸入だけに頼ることになり、輸出を止められたら、忽ち、乳製品は食せなくなってしまう。

 過去に国内で深刻なバター不足があったことを忘れてはならない。

 生乳が廃棄のピンチなら、対策としては牛乳の消費を増やすことであるが、将来を見据えた対策としては、飼料を輸入に頼るのではなく、国内産に切り替えていく必要がある。

 酪農家は牛さんが相手で、人間と同じ、生命があるわけだから、毎日、餌をやらなければならない。ということで、どこにも遊びに行かれない年中無休の大変な仕事である。

 改めて、酪農家の皆さんにお礼申し上げる。
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2022年11月15日

ブランド品種 農産物流出 監視機関創設

 農林水産省は、農産物の「ブランド品種」の海外流出を防ぐ民間の専門機関創設を後押しするため、業務の一部経費を財政的に支援する方針を固めた。と11月7日の読売が伝えている。

 来年度予算案に関連費を計上する。専門機関に外国での品種登録や、無断栽培の監視・訴訟などを担わせ、国内で開発された品種の価値を保護したい考えだ。

 日本の「ブランド品種」を巡っては、近年、種苗が無断で海外に持ち出される事例が相次ぎ、被害が深刻化している。

 同省によると、高級ブドウ「シャインマスカット」は、2016年頃に苗木が中国に流出したのをきっかけに、現在は中国での栽培面積が日本の約30倍の5万3000ヘクタールに拡大し、損失は年間100億円以上に及ぶとされる。韓国にイチゴの種苗が流出した例も確認されている。

 不正流出を防止する国内法には、21年4月に施行された改正種苗法がある。品種の開発者が、品種登録時に栽培地域を指定し、地域外での無断栽培に刑事罰を科す内容だ。
 
 ただ、種苗がいったん海外に持ち出されると国内法を適用できないほか、現地で品種登録しない限り、無断栽培として取り締まれない。


 日本のブランド品種が事実上盗まれたのが中国と韓国、譲渡されてしまったのが豪州だと伝えられいるのを見て、「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉を思い出した。

 正確な意味からすれば、日本のブランド品種だから、中国で生産されようが韓国産であろうが悪貨になるはずがないので、廉価で販売されるとよほど日本で生産されるものと差別化されない限り、日本の生産者の痛手は計り知れない。

 しかし、日本だって、戦後77年経っても、中国大陸や朝鮮半島に侵略した事実は消えないし、流出しないように国家として、取り組む必要がある。

 世間をお騒がせしている旧統一教会の教祖文鮮明は、日本に植民地化されたことを恨み、日本人の信者を洗脳し、高額な献金で家庭を崩壊させた。その上で、その献金を韓国に全部持って行った。
 保守を標榜する自民党の政治家が安倍元首相を筆頭にその統一教会とズブズブの関係だったというのだから、保守だと言いながら、反日、反社のカルト教団とズブズブの関係だというのだから、日本大好き人間の一人としては絶対許せない。

 両国間の歴史を眺めれば、韓国が日本のブランド農産物を流出させ、韓国で生産するくらいのことはやるだろう。

 流出されて困るくらいなら、流出させないようにすることが肝要ではないか。

 知的財産というか、商品登録というか品種登録というのかをやっていくしかない。

 性善説と性悪説からすれば、世の中悪い奴だらけだと見れば、自己防衛をしていかなければならない。

 種苗法について、メディアで取り上げられる機会が滅多にないが、本来の趣旨からすれば、新品種の開発にはそれ相当のカネがかかっているわけだから、せっかくできた新品種を安易に外国に持っていかれたり、販売されないような歯止めをかけておく必要がある。

 農作物の生産で実践しているのは、サトイモは毎年、収穫した中から、翌年の種イモにすべく、深さ1b以上ある穴を掘り、翌年の植えつけ時季まで保存しておく。
 のらぼう菜も菜の花として咲いた後、枯れるまでそのままにして、種を採っておき、秋になると、種を蒔いている。

 こんなことは農家の常識でどの家でもやっていることである。

 果樹農家はそれこそ、消費者に食べてもらうために剪定作業から、土づくりと日々作業する中で、新品種というのも農業試験所などとタイアップして取り組んでいるのではないか。

 だから、安易に苗を持ち出されないようにしているはずだが、中には不心得者もいて、外国に売りわたす者もいないとは限らない。

 農産物の流出は不愉快なできごとである。
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2022年10月30日

酪農家に支援を 国産牛乳のために

 加速する円安により、飼料や肥料、燃料等あらゆるコストが異常な高騰を続け、特に乳牛の飼料に欠かせないトウモロコシの国際価格が急騰し、災害やコロナ禍を何とか乗り越えてきた日本の酪農は存亡の危機を迎えている。
 このままでは牛乳の安定供給ができなくなってしまう。
 子どもたちにも酪農を継がせることができないと考えている酪農家が増えている。

 乳価の値上げに理解してほしい。

 というような内容で一般社団法人中央酪農会議傘下の団体ホクレン農業協同組合連合会などから牛乳の値上げに理解してもらいたいという訴えが10月29日の読売1頁全部を使って掲載されている。


 炎症性腸疾患クローン病になってからもう30年くらい経った。難病に指定されているから治らないのは仕方ないが、いつも、腸閉塞にならないように注意しながら生活している。
 人間食べれば、体内で不要になったものを出すことになっているが、明らかに病気のせいで腸管が極端に狭くなっている箇所があり、出しにくくなっていて困っている。
 腸管の具合がよろしくないから、やたらの薬が飲めないということで、いろいろ実践した結果、水分をとることと、YOUTUBEで見た体操をするようになった。

 水分と言っても、とりあえず、パックの牛乳を1日1本として1000㎖をノルマとして自分に課している。
 
 酪農家が危機的状況にあることは知っているので、乳価の値上げは当然のことで、何とか安全な国産の牛乳の生産を継続してお願いしたい。

 毎日1本飲んでいるからには安全な国産牛乳でなければ困る。
 
 酪農家の仕事が大変なこと、経営が危機的状況にあることは理解しているので、政府や自治体はコロナ禍のとき、飲食業にばかり給付金を支給し、製造業というか酪農家などへの支援が行き届いていないのでないか。

 牛乳が亡くなったら困るので、酪農家への援助をすべきである。

 食料の生産に携わる人々をもっと大事にしていかなければらない。外国からの輸入に頼っているとロシアのウクライナ侵略みたいなことが起きれば、直ちに食料危機になってしまう。

 農業、酪農、畜産どれも大事な仕事であり、後継者がいなくなれば、たちまち食の危機がやってくる。
posted by 遥か at 11:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 農業、林業振興