2010年07月21日

「自殺者」解剖率調査…犯罪発覚「氷山の一角」

 埼玉県と鳥取県で発覚した連続不審死事件。解剖や薬物検査をせず、自殺や事故死と処理されたケースもあったやに聞く。

 読売に自殺者の解剖率が4%余り、警察当局犯罪見逃しの要因にという見出しの記事をみつけた。

 自殺を偽装した殺人事件などが後に発覚するケースの多くで共通するのは、解剖や薬物検査など詳細な検査が行われていないこと。

 事件は被害者が相次いだり、犯人が自白したりして初めて表面化することが多く、ある県警幹部は「発覚は氷山の一角に過ぎないだろう」と指摘するそうな。

 異状死の解剖率は、フィンランドやスウェーデンは100%、英米豪が50〜60%などで、約10%の日本よりも軒並み高い。自殺に限っても原則、解剖する国が大半だ。日本の現状は、世界の常識とかけ離れているという。

 「日本では検視段階で自殺が疑われると、明確な遺書などがないのにもっともらしい理由で済ませる傾向がある。自殺を偽装した殺人を見逃す恐れがあり、詳細な動機分析もおざなりになる」と法医学者で自殺予防対策に取り組む秋田大の吉岡尚文副学長は指摘する。

 他の先進国が医学検査をないがしろにしないのは、判断を誤れば死者は報われず、遺族の権利や社会の安全にも影響を及ぼすと認識しているためだ。捜査現場に意識改革が求められている。

 不審死の解剖をきちんとするべきだという指摘は以前から何回となく取り上げたことがあった。

 警視庁の検視官の活躍を描いたドラマ『臨場』を見ていたので、検視官の仕事の重要性については理解しているつもりだが、一方で米国の科学捜査班の活躍を描くドラマCSIも見ているので、あちらの方が不審死に関して、解剖がきちんと行われていることも承知している。

 戦没者の慰霊と並んで犯罪被害者の支援にも力を入れてきたので、金がないなどという理由で解剖をしてこなかった対応はよくないということを改めて指摘しておく。

 金がないから税金を上げるというが、その前に、国会議員を減らせば、解剖の費用くらいすぐでてくる。

 ネットの「国会の権限」によれば、国会議員に支払われる費用は、詳しいことは省略するが、議員個人と公設秘書に支払われる税金と政党助成金を合わせ、国会議員らの手に渡る直接費だけで年間総額約800億円にも上る。実にわが国の政府税収の0.2%にも及ぶ。ただし、政党助成金は、共産党はもらっていない。

 一般には、不審死がきちんと解剖がなされずに原因が究明されなかったとしても、直接的に誰かが困るということは少ない。

 しかしである。

 埼玉や鳥取の事件をみればわかることだが、保険金目当ての殺人事件などは、解剖しないことをよいことに続発している。

 犯罪被害者支援という立場に立つ自分からみれば、実際は保険金目当てに殺害されたにもかかわらず、自死したとされたのでは、死者は浮かばれないではないかと言いたい。

 犯罪を野放しにするようなことでは社会は成立しない。犯罪における真実は追求しなければならないだろう。
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