2010年05月17日

あなたは独りではない

 貧富の格差ということについて、大いに関心を持っているので、ホームレス問題についても考えることが多い。

 15日、NHKの「目撃!日本列島「あなたは独りではない〜30代ホームレスと向き合う〜」という放送を視聴した。

 番組を見ていない人のために、HPから引用させていただく。「今、急増している30代ホームレス。自己責任と自らを追いつめる彼らに「あなたは独りではない」と語り、人生を再び軌道にのせようと格闘する奥田知志さんの姿を伝える。

 今、急増している“30代ホームレス”。自己責任と自らを追いつめる彼らに「あなたは独りではない」と語り、人生を再び軌道にのせようと格闘する男がいる。奥田知志さん(46歳)だ。奥田さんは「彼らが失ったのは、“家”や“仕事”じゃない。それは、わずかな“自信”や“尊厳”だ」と言う。30代が“孤独死”などの悲劇に陥らないよう、寄り添い、格闘する奥田さんの姿を記録する」というもの。

 この人は、過去、NHKの番組プロフェッショナル〜仕事の流儀〜」で取り上げられたことがあるが、生憎見逃した。

 牧師でNPO法人北九州ホームレス支援機構理事長という肩書で活動しているが、キリスト教関係者には優れた社会運動家が多い。そもそも、キリスト教と一口に言ってもいろいろあるようだが、元売春婦だった女性などのためのコロニーである「かにた村」をつくった創立者も深津文雄牧師だった。

 アフガンで灌漑用水路をつくって沙漠の緑化に奮闘している中村哲医師もクリスチャンだと聞く。

 その点、わが国の仏教とか神道の関係者、とりわけ政治の世界に活動の幅を広げている新興勢力などがホームレス救済に立ちあがったなどということは全く耳にしたことがない。

 話を戻す。プロフェッシヨナルのHPで紹介されたいるものをみてみよう。「雇用問題が深刻化するなか、激増が懸念されるホームレス。一度転落してしまうと社会への復帰は極めて難しいといわれる。その救済を長年手がけ、5カ所の自立支援施設を運営する。

 この20年で600人以上のホームレスを自立へと導き、自立継続率も9割以上という驚異的な実績を持つ。力を入れるのは、週1回の炊き出しと、町中の巡回。そこで新たなホームレスの人に「出会う」ためだ。路上生活の中で再起への意欲を失い、絶望の中にいる人も少なくない。奥田は彼らに何度も何度もこう説き続ける――「けっして、あきらめるな」。

 当事者が施設に入ると、自立に向けてのプログラムがスタートする。就職先の紹介、資格取得のサポート、そして自立後の生活プランに関する相談など、その支援は、多岐にわたる。奥田たちが支援を通じて目指すのは、ホームレス状態の中で失った絆の回復だ。彼らは、家族、友人などの人間関係を失っているため、そのまま就職しても、すぐにまた逆戻りしてしまうことが多い。そこで奥田は、彼らの人生と徹底的に向き合い「絆」の回復を目指す。単なる「自立」支援を超えて、「人生」と向き合い続ける」という一部を紹介しておく。

 ここで取り上げる人物は、TVや新聞などのメディアが取り上げるような結構知られている人が多いかもしれない。しかし、取り上げる主旨は人間生まれてきた以上、少しは誰かのために役に立つことができたらいいなという願いからきている。

 取り上げる人物は偉大で、誰にでもできることをしているわけではない。でも、少なくとも、人それぞれ、自分の立ち位置で誰かのためにできることがあるのではないかということを考えるきっかけにはなるだろう。

 ささやかでいいのではないか。誰かに言われてやるのではない。自分で思うことをやればいいのだ。思っているだけではだめで、一歩踏み出して、実践していかなければ始まらないのではないか。








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