東京都内に住むウェブディレクターのサユリさん(58)が受刑者と文通し、更生を後押ししている。と11月6日の読売(福益博子記者)が夕刊で伝えている。
2021年、受刑者支援団体「ほんにかえるプロジェクト」が受刑者に本を送ったり、文通したりして社会との接点を持たせる活動をしていることを知り、サユリさんも文通を始めた由。
文通相手の多くは無期懲役などの判決を受けた受刑者。不安もあったが、文通を重ね、「受刑者も一人の人間。思いを受け止めてくれる人がいたら、真剣に罪に向き合えるのではないか」との思いを強くした。
被害者遺族の中にも手紙が立ち直りのきっかけになったケースがあるとして紹介されているのは大阪池田小事件の遺族本郷由美子さん(59)。
1999年に発生した米国の高校で発生した銃乱射事件の遺族との手紙のやり取りで、話を聞いてもらうことの大事さを痛感し、2016年に東京都内に被害者遺族や家族と死別した人の悲しみを癒す「グリーフケア」の拠点を開設した。
物心ついた頃から、わが家で購読していた読売の「人生案内」を毎日、読んでいる。
その人生案内で、回答者、確か作家だったと思うが、つらいことがあったりした時、文章に書くことを薦めていたことが時折ある。
書くというのは、自分を見つめ直すことに役立つ優れた行為で、受刑者が立ち直る意思があれば、文通はきっと役に立つはずだ。
更生といえば、刑務所や少年院などで犯罪者の処遇の一方法に「内観法」がある。
藤本哲也『犯罪学者の独り言』(日本加除出版)の22〜29頁に書いてある。
中央大学の名誉教授で米国に留学した時に知ったとあるが、浄土真宗の求道法である「身調べ」を吉本伊信が宗教色を除き、一般向けに開発したものだと藤本先生は解説されている。
「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」の順番で、過去から振り返ることによって、人間は、自分が忘れていたり見逃していた、自分の対する他者からの愛情を記憶の中からよみがえらせることにより、自分と他者との関係を明確にすることが可能になる。
このことは指定暴力団山口組の顧問弁護士だったこともある山之内幸夫元弁護士も指摘している。
貧しくとも親の愛情を十分に受けた子どもは、簡単に人を殺めたりできない。親の愛情を受けられなかった人たちが暴力団員になっている。
自分も貧しい暮らしながら親の愛情を受けて育ったから道を踏み外さずに来られたというような形で親の愛情の大事さを語っている。
文通をする相手がいることで、自分を見つめ直すきっかけができ、さらに、内観法というか自分を見つめ直すことで、更生の意欲がわけば、更生につながっていく。
本人に更生の意志がないものを更生させることなどできるわけがないということだ。
手紙での文通とメールでのやりとりでは大きな違いがある。
手紙は残る分、考えながら書くことが自分を見つめ直すことにつながるが、メールは簡単に打てる分、自分を見つめ直すことにつながらない。
メールが全盛なのは、簡単だからで、考えないと書けない手紙での文通はそれだけ、心が伴うと言っても過言ではない。
それだけ、相手の心を揺さぶったり、動かすことにつながるということ。
「本にかえるプロジェクト」のことは以前書いているので、今回は省く。
2025年11月09日
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