2025年08月31日

疎開 ひもじさで涙 二度と戦争はダメだ!

 太平洋戦争中、米軍による日本本土への空襲の危険が高まると、政府は都市部に住む児童を地方に避難させる「集団疎開」を進めた。家族と離れ、すきっ腹を抱えて不衛生な暮らしを強いられた日々は、80年たった今も体験者の脳裏に焼き付いている。と8月26日の読売(水野祥記者)が伝えている。

 東京下谷で生まれ育った井上隆夫さん(87)(栃木県小山市)が1945年3月下旬、身を寄せたのは福島会津の温泉旅館だった。
 茶碗の底が透けるほどしか盛られないご飯。肉や魚は一切でない。
 空腹を満たすため、近くの山でワラビやゼンマイを探し、簡単に捕まえられるアブラゼミや持参した整腸剤も食べたそうな。
 「長い人生で疎開での空腹は最もつらい出来事だった」と話す井上さん。
 東京の大森の国民学校の3年生50人を引率し、静岡熱海に集団疎開した元教員白石美津子さん(98)(東京大田区)「ノミが乱舞する劣悪な環境にぞっとした」と語る。


 自分たちだけ武装している軍隊には誰も逆らえない。
 治安維持法と特高警察だから、戦争に反対することすらできない。
 戦後80年、昭和百年の2025年、今思えば、5・15事件、2・26事件という軍部によるクーデターが転機となったことは確かであるが、治安維持法が施行から100年になることを思えば、この法律を成立させてしまったことが大きな間違いだったことは明らかである。
 戦後80年、新たな戦争前夜と呼ばれている今、日本国憲法に緊急事態条項を加えて、市民の思想、信条の自由、表現、言論の自由を奪おうとしている勢力が台頭しているが、第二の治安維持法の役割りを果たす自由を規制するこの動きを断固阻止しなければならない。

 さて、戦争で一番苦しめられるのは弱い立場の人間であることは間違いない。
 清太と節子の兄妹が生きたくとも生きられなかったことで、この事実を証明してくれたのが『火垂るの墓』の野坂昭如さんであり、アニメ化してくれた高畑勲さんだ。
 姉の立場から疎開した妹と父と娘の愛を教えてくれたのは『字のないはがき』の向田邦子さんである。
 教科書に採用されているらしいが、疎開の大変さをこれほどわかりやすく教えてくれている書物があっただろうか。
 戦争で大変なのは、人間だけではない。
 アフリカやインドから動物を人間の都合で勝手に連れて来て、動物園で見世物に晒し、空襲で逃げ出したら危険だから、と上野動物園ではぞうさんが殺されたことを教えてくれたのは『かわいそうなぞう』でラジオで8月15日に朗読し続け、大事なことを教えてくれた秋山ちえ子さん。絵本は作: 土家 由岐雄、絵: 武部 本一郎さんだ。

 食料の問題でも、食料自給率が30%台と低いから、外国から輸入できなくなれば、すぐに、食糧難がやってくる。
 コメ余りだから減反政策だと言い、政府に従っていたら、突然、コメ不足だと令和の米騒動が始まった。

 覇権争いをしている米中は、中国が武力を行使して台湾統一を実行したら、米国は日本に米国の代理戦争をさせようと目論む。
 日本は中国と戦争なんかやる力がない。
 台湾に援助するのは東日本大震災でお世話になったから当然のこととして、戦争をするわけにはいかない。

 戦争だけは言い訳無用でダメだ。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/191473488
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック