2025年08月28日

治安維持法施行から100年 哲学者三木清も獄死

 1945年10月15日、戦前・戦中の思想弾圧に猛威を振るった治安維持法が廃止された。命じたのはマッカーサー率いる連合国軍総司令部(GHQ)。指令の背後には、直前に発覚したある人物の死があった。と8月13日の毎日新聞が伝えている。

 『人生論ノート』などの著作で知られる哲学者・三木清(1897〜1945年)。治安維持法違反容疑で逮捕されて東京・豊多摩刑務所の独房に勾留されると、劣悪な環境下で寄生虫感染症を患い衰弱死した。死亡日は、日本の無条件降伏からひと月半近くもたった45年9月26日。

 1929年3月5日、治安維持法の暴走に歯止めをかけるため、危険を承知で抵抗を続けた政治家「山宣」の愛称で親しまれた労農党所属の衆院議員、山本宣治(1889〜1929年)が暗殺された、と7月23日の毎日新聞(石川将来記者)が伝えている。

 暴走した悪法「治安維持法」制定100年「屈辱的な拷問受けた」弾圧された女性たち【報道特集】|TBS NEWS DIGがYouTubeにあったが、治安維持法違反で検挙された女性が全裸にされ、大事なところを焼かれる辱めを受けたことを証言していた。


 治安維持法といえば、虐殺された作家、小林多喜二『蟹工船』(新潮文庫)を買い求めて読んでいる。
 山田火砂子監督、寺島しのぶ主演『母 小林多喜二の母の物語』も観ているので、治安維持法違反容疑で捕まり、取り調べで特高警察に虐殺された小林多喜二の偉大さも学習している。

 映画で激しく心を揺さぶられたのは廓清というか廃娼運動を支持してきた自分としては、多喜二が廃娼しようとする女性を救うシーンがあったときである。
 多喜二は女郎、娼婦と呼ばれた弱い立場の女性の味方だった。
 語り継ぐ戦争、戦没者慰霊のための行脚の折、女郎、娼婦と呼ばれし、自由を奪われた女性たちの供養もしてきたので、小林多喜二の人間性を知り、嬉しくなったと同時に、特高警察関係者に天罰が下ることを願ったものである。
 山田洋次監督、吉永小百合主演『母べえ』では原作者野上照代の母を描いているが、夫が治安維持法違反で捕まってしまう。この映画でも治安維持法の恐ろしさが伝わってきた。

 日本国憲法に緊急事態条項だなどと言いながら、市民の人権を抑圧しようと目論む保守派勢力が増えてしまった日本。

 治安維持法という法律とこの法律を盾にした特高警察の恐ろしさは、共産主義というイデオロギーなど関係なく、戦争に反対しただけで捕まってしまうという滅茶苦茶な法律だった。
 がさ入れと呼ばれる家宅捜索で、関係の本があっただけで、有罪にされるという出鱈目なことが国家権力の強権でなされた。

 自由主義者であることを公言している自分としては、治安維持法、緊急事態条項など自分から表現の自由などを奪う悪法が二度と制定されないように選挙では、れいわ新選組の山本太郎代表を応援している。

 女性を取り調べで全裸にし、大事なところを焼くなどと辱めをするのはまともな人間のやることではない。
 日本人女性に性暴力を繰り返したソ連の兵隊と少しも変わらないではないか。
 特高警察を二度と跋扈させてはならない。
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