2025年07月14日

二つの敗戦国から学ぶ子どもの教育

 NHK映像の世紀バタフライエフェクト「二つの敗戦国 日本660万人の孤独」が放送された。前回放送時一度書いているが、新たな気づきがあったので書いておく。

 中国大陸に侵略した関東軍が満州国に傀儡政権を作り、国策として、満蒙開拓団が中国人から土地を取り上げたも同然で入植した。
 『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』で紹介された中東のヨルダン川西岸で行われているイスラエルによるパレスチナ人の土地の収奪、入植とそっくりなことが行われた。
 その関東軍が南方や沖縄に転進したため、1945年8月9日未明のソ連軍の満州、朝鮮半島などへの侵攻で、関東軍に見捨てられた開拓民は、ソ連兵よるマンドリンと呼ばれた機関銃を突き付けられ略奪、女性は性的暴行を繰り返され、戦車に轢き殺され、集団自決に追い込まれた開拓団もあった。

 広い満州の曠野を彷徨するうちに生きるため、中国人に助けられた女性、親から手放された子ども、親とはぐれてしまった子どもが後の、中国残留婦人、中国残留孤児と呼ばれ、70年代から80年代に日本に帰国し、大きな社会問題となった。

 その一人、野村志津さんは20歳の時、福井県から満州に渡った。敗戦で黒竜江省で中国残留婦人となり、1973年に亡くなった。
 その孫の達雄さんは1986年生まれで、1995年秋、9歳で家族で来日した時日本語が話せなかったが、やがて、「ポケモンGO」の開発者としてその名を知られるようになった。
 「祖母の国にやってきて、しっかりした教育を受けることができたことが大きい」というような祖母が日本人であったことに感謝する気持ちを述べている。


 時あたかも参議院議員選挙の最中である。
 教育といえば、山本太郎代表のれいわ新選組の兵庫選挙区から立候補している米村明美さんはユネスコで働いていた経歴を持つ。
 ユネスコは教育、科学、文化の協力と交流を通じて、国際平和と人類の福祉の促進を目的とした国際連合の専門機関だ。
 その米村さんが教育の大事さを選挙戦で訴えている。
 教育といえば、学校教育で子どもたちに主権者教育を受けさせるように訴えているのはれいわ新選組全国比例候補博多弁を交えて子どもたちの声を代弁している奥田ふみよさんだ。

 世論調査で支持率を伸ばしているという独裁者が率いる参政党は、国民主権から天皇主権、個人の人権は国家によって制限される国家主義で教育勅語を復活させようと目論む右翼政党だ。日本人ファーストだと声高に訴えているが、戦前に日本の教育を戻すということは戦争も辞さないということで怖ろしい考え方を持つ。

 教育。科学、文化の協力と交流を通じて国際平和を希求するユネスコで働いていた米村さんは当然、戦争反対である。
 3人の子どもの母親でピアノ教室の先生だった奥田さんの許には自由を奪われる校則に抑圧される子どもたちの切実な声が多数寄せられているそうな。
 主権者教育といえば、戦前の教育で戦争への道をひたすら進んでいった日本が、戦後は主権者教育をやってきたかと問えば、否としかいいようがない。
 アジア太平洋戦争への反省をしなければならないが、学校教育では平和教育が十分に行われているとは言い難い。

 教育が大事だと訴えるれいわ新選組の兵庫選挙区では米村明美さん。全国比例では奥田ふみよさん。
 教育で戦争に反対するこの二人に大いに期待する所以である。
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