2025年06月25日

「米国についていくだけ」の日本の外交の転換期

 「いざというときでもアメリカは守ってくれない」が国民の77%…そもそも戦後アメリカに「日本を守る」つもりはあったのか? 今こそ親米外交からの転換期である理由〈沖縄戦から80年〉というタイトルで、集英社オンラインが国民の大多数が日米同盟は名前だけで、親米外交を続けていけば、いずれ、日本は米国の代理戦争をさせられるという自分と同じ考え方で警鐘を鳴らしていたので書いておく。

 〈〈沖縄戦から80年〉国を守るとは? 沖縄戦では「天皇制国家」を守るために沖縄の人々と日本軍の兵士が、降伏することも捕虜になることも許されず死を強いられたという事実〉から続く。
 「強国アメリカについていくだけ」という日本の外交の転換期であると指摘するジャーナリスト布施祐仁氏。沖縄戦研究の第一人者である林博史氏との対談である。

 今の日本に「純粋に民間の飛行場や港」はなく米軍がいつでも利用できる「潜在的な米軍基地」になっている のは、日米地位協定(*1)の第5条で、「日本の港湾と飛行場には米軍はいつでも出入りできる」と認めているからだ。
 このことは「軍民分離」をせず、米軍が港湾と飛行場を使うなら、戦争になれば、「攻撃されても文句は言えない」ことを意味する。

 戦後、天皇制に代わって日米安保が「国体」になった。それでいいのか?
 アメリカが強力な国であっても、「おかしいことは、やっぱりおかしい」ときちんと言って、「日本国民と、日本に住んでいる人々をどう守るのか」ということをまず第一に考えないといけない。
 
 かつて米軍は中国に核爆弾を落とす作戦も検討し、爆撃機発進基地となる沖縄が報復されても「しかたない」と考えていた。
 これまでの戦争でアメリカがどういう戦い方をしてきたのかもしっかり見た上で、日本政府は日本の国民の命を守るということを最優先にアメリカとの付き合い方も考えていかないといけない。

 権力を持つ側の変わらない精神構造の問題で、日本軍による住民虐殺などが起きた要因の一つとして、「皇軍=天皇の軍隊」という位置付けが将兵たちを「天皇の代理人」のように振る舞わせ、そのエゴイズムを極端なまでに肥大化させた。権力者の精神構造が変わらず、今もこの意識を持っているということで、沖縄戦と同じことが繰り返される恐れがある。

 最強国にくっついてナンバー2として威張るのではなく自立した思考に基づいて、自分たちの未来を自分たちで考えて決めるのだ。とした上で、トランプが「アメリカ第一主義」をあらわにした今こそチャンスだ。と結ぶ。


 1960年の日米安全保障条約の改定で、「安保反対!」と訴え、国会周辺にに集まった労働者、学生がデモ行進する最中、東大生の樺美智子さんが警官隊に殺された。
 交渉をまとめたのは岸信介首相だったが、東京裁判で戦争責任を問われA級戦犯だったはずの人物である。
 ところが、いつのまにかA級戦犯ではなくなったのは、将来の日本の首相になることを米国に見込まれたからで、どういう取引があったかは知る由もないが、結果的に米国にとって都合の良い日米安保条約と日米地位協定が結ばれることになった。

 7月の参議院議員選挙で米国追随外交を転換せよ。と訴えているれいわ新選組の山本太郎代表は、比例選挙の候補者として、特定枠で毒蝮三太夫こと伊勢崎賢治さんを紹介した。
 米国追随外交を改める第一歩として、日米地位協定の改定を訴えてきた人物である。

 語り継ぐ戦争、戦没者慰霊のための行脚で全国の慰霊碑を周ってきたくらいだから、自分はどちらかといえば、原爆を落とした米国に対し、反米という立場である。
 いざという時は、米国が守ってくれるなどと市民を騙してきた自民党にはうんざりで、他の野党、保守派、右寄り勢力も総じて親米だった。
 自分の国は自分たちで守るのが当然であることは、ウクライナのゼレンスキー大統領とウクライナの市民が証明してみせてくれた。
 米国は武器はいくらでも売ってくれるが、全く助けようとはしてくれない。
 中国の内政問題で台湾と戦争状態になった時、米国は武器はいくらでも台湾に売りつけるが、米軍の代わりに日本の自衛隊に戦わせようとしていることは明白な事実である。

 戦後80年経って、いつの間にか戦争前夜みたいなきな臭い状況が生まれている。
 戦後80年、日本の政治を担ってきた自民党は日米地位協定を改め、日本の主権を取り戻すことをだれ一人としてやろうとする人がいなかった。

 それだけに、れいわ新選組の山本太郎代表が比例選の特定枠を使ってでも、伊勢崎賢治さんを国会に送り出そうとしていることに勇気をもらった。

 米国の本質などとっくに見抜いていたし、日米地位協定を改めよとすでに何回となく訴えてきたので、山本太郎代表のような著名な同調者が政治家として登場してきてくれたことが嬉しくてならない。

 沖縄戦の勉強を自分なりに相当させてもらった。
 日本軍が沖縄県民を守る意思がなかったことも十分承知している。

 日本にある米軍基地は将来的には日本の自衛隊が使うとして、それまでは、日本政府が米国の植民地の如く何も発言力を持たないということではなく、米軍基地から他国を攻撃するようなことは許さないというように、世界中に駐留している米軍に対する独立国家が持っている矜持を日本政府にも持ってもらいたいと伊勢崎賢治さんに期待したい。  
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