2025年06月10日

放牧酪農、草の大地で育む

 NHKETV特集 「草の大地に生きる ―ある放牧酪農家の人生―」が放送された。

 「その人は、牛とともに豊かな大地を作り上げてきた。北海道足寄町の酪農家・吉川友二さん(59)。牛舎で管理する一般的な酪農ではなく、牧草地に牛を放し、自由に草を食べさせる「放牧酪農」を追求、多くの酪農家を育ててきた。しかし、すい臓がんで引退せざるをえない事態となった。牧場で働き始めた息子。世界一の味を目指すチーズ職人。人は自然の中でどう生きるのか。草の大地に生きる人々の2年の記録。」と㏋にあった。


 酪農といえば、毎日飲んでいる牛乳でお世話になっている。
 生きていくとき一番大事な食べること、体に栄養になったもの以外が排せつされるという過程で、炎症性腸疾患クローン病ということで、小腸が極端に狭隘になった個所が数か所あり、古希を前にした頃から、加齢もあって、その循環に支障が出て、その対策として、ヨーグルトを食し、低脂肪の牛乳を毎日1パック超飲むようになった。

 農業分野で見てみると、コメ、野菜などを生産する、牛乳やチーズなどを生産する酪農、肉を食べてしまう畜産などに大別される。

 自分と家族の健康のために有機無農薬での野菜作りを実践しているが、家畜の糞が土づくりに役立つことを知り、牛、豚、鶏とそれぞれ効能があることも知った。

 飛騨高山の酪農家だったか、畜産農家だったかが飼料に乳酸菌を混ぜて食べさせたところ、牛舎のあの独特の臭いが消えたとTVで放送していた。
 さらに、乳酸菌を食べた牛が排せつした糞で生産した肥料(商品名みな土)は、地中にいる夜盗虫が集まって食べるくらいで、栄養価が高いからか作物の生産を助けてくれると伝えてくれた。
 地元の農協にみな土を扱ってくれと申し入れたら断られたので、近隣の大きな農家がトラックで取り寄せたみな土をネットを頼りに手に入れて使ったところ、作物の出来が明らかにレベルアップしたのである。

 酪農といえば、語り継ぐ戦争では、満蒙開拓団の引揚者が那須などの開拓村で酪農に取り組んだことが頭に浮かぶ。
 北海道はそもそも開拓民が本州から渡った土地である。
 その酪農は牛舎で管理するのが一般的であるが、もともとは牧草地に牛を放し、自由に草を食べることで、牛が排せつし、その糞が肥料となって大地が豊かになり、また草が出るということで成立してきたもので、循環型酪農こそが本来の酪農だと言っても過言ではない。

 畜産の場合、飼料を輸入に頼り、和牛だなどと寝言を言っているが、飼料を国内で用意しなければ、和牛だと自慢できない。
 
 小泉構造改革だ、聖域なき改革だなどと言って、郵政民営化し、その息子が古古古米を5`2000円で売り出したことを例によってメディアが持ち上げ、農協改革で小泉劇場再来だなどと煽っている。
 自民党の減反政策の失敗を棚に上げ、2000円もするような価値がない古古古米を買わされて怒りを感じない人はおめでたい。
 有機無農薬での野菜作りのため、米糠が必要なわが家では、米を買えば、その場で精米して米糠をくれる小売店で減農薬の米を買い求めている。
 米価が高騰する前は、普通にスーパーでコメを買っていたし、米糠も手に入れられた。
 新自由主義が跋扈し、何かにつけ生産性ばかり問われるようになってしまったが、効率も大事かもしれないが酪農では、生産者が休日が取れない労働環境を改善できるように国が援助していく必要がある。

 米の生産しかり、酪農、畜産皆生産者がいなければ食べることができないことを考えるべきだ。
 補助金を出して、生産してもらい外国からの輸入がストップしても、国内で賄えるようにしておく必要がある。
 酪農家が放牧して育てた方が自然であり、牛だって明らかに健康的に育つはずである。 
posted by 遥か at 10:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 農業、林業振興
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