2025年03月27日

ソロモン諸島に不発弾100万発、陸自が処理支援

 太平洋戦争の激戦地・ソロモン諸島で不発弾が住民を苦しめている。現地では、日本軍と連合国軍が激突したガダルカナル島を中心に100万発以上が残るとされ、自衛隊が不発弾処理支援を続けている。戦後80年となる今なお、傷痕は深い。と3月25日の読売(溝田拓士記者)が伝えている。

 日本から南に約5000キロ離れたガダルカナル島にある人口約13万人の首都ホニアラ。陸自隊員ら6人が2月、ソロモン国家警察の施設で「不発弾処理局」に所属する警察官8人不発弾処理について助言していた。

 不発弾に対するソロモン側の危機感は強い。2021年にはホニアラで5人家族が屋外で火を使って食事を準備していたところ不発弾が爆発し、父子が死亡した。地域を開発する際の障害になっているが、被害状況の集約すらできていないのが実情だ。

 陸自の現地講義は23年度から3年間の予定で実施している。24年度に説明した弾の種類は、日本軍の分だけだったが、今年度は米軍が使用した弾も詳しく解説した。陸自は沖縄で米軍や日本軍の不発弾を計6000トン以上処理した実績があり、この知見を活用した。

 ソロモンでは、世界各地で地雷除去に取り組む国際NGO「ヘイロー・トラスト」も不発弾が埋もれた場所を調査しており、日本政府は同団体とも情報を交換していく。

 自衛隊OBらでつくる民間活動団体「日本地雷処理を支援する会」(東京)によると、日本軍の拠点が置かれたパラオにあるマラカル湾では、日本の輸送船が爆雷を積んだまま沈み、有害な化学物質が流出。同会は2012年度から政府開発援助(ODA)として爆雷469個の回収・処理作業に取り組み、今年度に完了した。

 同会は、米軍の空襲で日本海軍の艦船約50隻が撃沈されたトラック諸島(現ミクロネシア連邦・チューク州)でも、油が流出する危険性が高い15隻から油を回収する作業を続けている。


 ソロモン諸島のガダルカナル島といえば、兵站をやられ補給路を断たれた日本軍は兵士の多くがマラリアや餓えで斃れたことから(飢島)と呼ばれていることは語り継ぐ戦争の立場から耳にしていた。

 アジア太平洋戦争から80年、現在もロシアがウクライナに侵略し、ウクライナの苦戦が伝えられているが、ロシアがウクライナで地雷を埋めていると伝えられている。
 パレスチナのガザ地区ではユダヤ人の国イスラエルにもう5万人以上のパレスチナの人々が殺された。
 
 過去戦地となった土地には、不発弾と地雷という戦後処理への置き土産がある。
 60年代から70年代にかけて東南アジアではベトナム戦争やカンボジアなどの国では内戦が起きたのでいたるところに地雷が埋められているのを自衛隊OBなどの人たちが処理したことが伝えられてもいる。

 自衛隊というのは日本を守るための軍隊であり、当てにならない米軍より頼りになる存在である。
 災害時には出動し、市民を助けてくれる頼もしい人たちだ。
 ところが、ソロモン諸島のガダルカナル島まで出向いて不発弾処理に力を尽くしていることはあまり知られていない。
 近年、女性自衛官に対するセクシャルハラスメントという不名誉かつ恥ずかしいことでニュースになってしまったが、不発弾処理は命がけの仕事であり、大いに称えたい。

 戦争にならないように外交努力が重要になってくるが。不発弾や地雷のみならず、壊された街、人々の受けたダメージなど戦後処理の大変さがもっと広く伝えられれば、戦争を起こさないように世論もついていくはずである。

 不発弾処理と地雷の処理で頑張る自衛官とOBにエールをおくりたい。
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