2025年03月24日

農業高生と福祉作業所 大根ジャム練りこむケーキ開発

 都立農業高校(府中市)定時制の生徒たちと、府中市の福祉作業所「ワークセンターこむたん」の利用者たちが、手製の「大根ジャム」を練り込んだパウンドケーキを協力して開発し、商品化にこぎつけた。双方が大根の栽培から調理まで一緒に手がけ、同市のふるさと納税の返礼品に採用された。生徒らは「貴重な体験ができたし、いい商品が作れた」と手応えを感じている。と3月22日の読売(長内克彦記者)が伝えている。

 同校とこむたんは2022年度から、農業と福祉の「農福連携」による商品開発に取り組んでいる。22〜23年度は同校がつくったブルーベリーのジャムを使ったパンをこむたんが製造し、こむたんに併設されているカフェで販売したところ好評を博した。24年度は同校定時制食品化学科の有志の生徒3人が活動に参加し、生徒の提案で一風変わった大根のジャムをつくることにした。

 こむたん利用者らも参加して2024年9月に校内の畑で種まきを行い、同10月末には収穫も体験してもらった。一方、生徒たちは昨春から市販の大根を使ってジャムのレシピ開発を進め、同11月にはこむたんを訪れてパウンドケーキの試作に参加するなどした。


 語り継ぐ戦争だから、食料安保の観点から農福連携に着目し過去発信してきた。
 食料自給率が2023年のデータでカロリーベースで38%。しかも、農業は後継者難かつ人手不足ということで食料が心配になる状況が続く。
 一方、福祉作業所で働く人たちの作業の場として、農業ほどふさわしい場はないと言っても過言ではない。
 そこで始まった試みが農福連携である。
 
 明治生まれ、かつ召集され戦地から無事帰国を果たした厳父のスパルタ教育を小学生の頃から受け、5年生ででは、鍬で畑を耕していた記憶がある。
 16歳になったばかりの夏、東京五輪の翌年、父親が病死するまで畑を手伝わされていたが、その後、10年間くらいは畑は荒れ放題で樹木が生え、ごみを不法投棄されてしまった。
 固定資産税が高くなり、不審火で火事になったことを契機に一念発起し、開墾をはじめ、栗や梅を植え、果樹園みたいにしていわゆる生産農地として、固定資産税の減免を受けられるようにしていた。
 ラッキーなことに、区画整理の話が持ち込まれ、完成したのは50代の頃で、その後、退職して有機無農薬で野菜作りを実践するようになってもう20年くらいのキャリアがある。
 だから、素人が農福連携を推奨しているわけではない。
 福祉作業所もまたいろいろな人たちが働いているだろうが、仕事が欲しいという願いがあることは明らかであるのは、できる仕事が限られてしまうからだ。
 仕事には向き不向きというか適性があったりするし、農作業は嫌だという人だっているかもしれない。
 それでも、一般論でいえば、人間関係が一番ストレスになるから、土いじりというか自然相手のことだから、大変ではあるがストレスは少ないはずだからである。

 紹介された府中の福祉作業所から知的障がい者や聴覚障害がある利用者4人が活動に参加し、大根の収穫やケーキ作りに励んだということで、生徒たちと交流ができたことは意義深い。

 府中市は東京競馬場がある街、その昔内藤新宿と八王子間の甲州街道の途中で遊郭があったりしているから、遊女の慰霊碑に供養の祈りを捧げたことがある。
 東芝やサントリーがあることはラグビーでよく知られているし、大國魂神社や都立農業高校があることでも知られている。
 東京農業大学を卒業したという「工藤阿須加が行く農業始めちゃいました」で注目を集める農業で働くことが見直される時代である。
 都立農業高校出身者で農業への道を進む人がどのくらいいるかわからないが、福祉作業所の人たちと校内の農園で種をまき、収穫をするという試みは応援したくなる。 
 さらに、採れた大根を六次産業化というかケーキ作りに生かすとはすばらしい・
 エールをおくりたい。
posted by 遥か at 10:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 農業、林業振興
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