月に一度の映画館行き、3月はモハマド・ラスロフ監督『聖なるイチジクの種』を観てきた。
本日はまだカレンダーでは2月であるが、3月の分ということで、イスラム革命後のイランを舞台に女性の自由と人権を題材に家族が崩壊する様子を描いた映画でイスラムの世界のことを勉強させてもらった。
イスラム教が政治を支配する独裁国家イランで22年に起きたヒジャーブという被り物をしていなかった女性が警官に殺害された事件を契機に、自由と人権保護を求める人々がデモする様子と司法の世界で判事を目指して奮闘する父親とその連れ合いと2人の娘が父親が護身用に持たされていた銃の紛失をめぐって家族が崩壊していく人間模様を描いていた。
『鬼平犯科帳』や必殺仕掛人藤枝梅安などのシリーズで知られる作家池波正太郎さんは映画大好き人間で、シネマディクトと称されていた映画通だった。
パリに行ったとき、フランス映画をたくさん観ていたから、地図が頭に入っていた云々とエッセイに書いてあった。
時間と経済面などで制約がある自分は月に一度映画館に行かれればよしとしなければならず、たくさんの映画を観る時間がない。
加齢による心身の著しい衰えで、読書量が大幅に減っている分、いくらかなりとも、頭に栄養をと願って映画鑑賞している。
映画でなければイランのことなど知る由もないし、他の外国にも行けなくとも、街歩きなども楽しむことができるのも映画ならではではないか。
イランにおける自由と人権の問題を扱った映画であるが、家族が崩壊していく様子は何ともつらいものがあった。
家族のために、生きていくには体制側に与せざるを得ず、そんな父親のおかげで娘たちは大学にも行くことができているにもかかわらず、友人への体制側の暴力を見過ごせない娘は父親に反発する。
父と娘の間で、何とか親娘関係を取り持とうと努める娘の母親かつ夫の連れ合い。
独裁国家ばかりでなく、60年代、70年代の日本でも、日米安保反対でデモ行進していた東大生の樺美智子さんが警官隊に殺されるということが起きている。まして、独裁国家となれば、北朝鮮、中国、ロシアと権力側はやりたい放題である。
今、財務省を解体させようとデモ行進が行われているが、メディアが全く黙殺している。
いずれ書くことになるが、こんなところから、国がおかしくなっていることがわかるはずだ。
自由と人権そして家族の温かみと考えさせられる映画で、ぜひ、観ることをお薦めしたい映画だった。
2025年02月27日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/191265941
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック
http://blog.sakura.ne.jp/tb/191265941
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック