2025年01月13日

犯罪追徴金 未収1251億円 マネロン巧妙化 影響

 薬物の密売や詐欺などの刑事事件の判決で被告に科され、検察が徴収する「追徴金」の累積未収総額が2023年度末時点で、1251億円に上ったことが最高検への情報公開請求でわかった。07年度末の449億円から2・7倍に増加した。被告に十分な財産がないことに加え、犯罪組織のマネーロンダリング(資金洗浄)が巧妙化し、捜査当局の追跡が困難になっている。と1月6日の読売が伝えている。

 読売新聞の情報公開請求に対し、最高検が開示した資料によると、前年度までの未収分と23年度中に新たに確定した追徴金は計1326億円。このうち、23年度に検察が徴収できたのは61億6500万円(4・6%)にとどまった。

 また、被告に1円も納付させられないまま1年が経過し、刑法の規定で時効となる場合などに、検察は「徴収不能」と決定しており、23年度は13億6400万円が未収額から除外された。

 被告から徴収した追徴金については、その事件の被害者に分配する制度が設けられており、徴収が滞ると被害回復にも影響する。

 SNSで誘われて運転免許証の偽造を繰り返した被告に対し、東京地裁が2024年10月、組織犯罪処罰法に基づき、報酬として受け取った暗号資産を没収する判決を言い渡し、確定していたことがわかった。暗号資産を没収対象とした同法改正後、没収を命じる司法判断が明らかになるのは初めてとみられ、暗号資産の悪用防止が期待される。と1月8日の読売(糸魚川千尋記者)が伝えている。


 犯罪をなくすことなど不可能なことだが、減らすことは可能である。
 犯罪といえば、殺人、強盗、不同意性交などの凶悪犯罪がすぐに思い浮かび、首都圏で頻発している闇バイトを使った強盗事件が頻発し、体感治安が悪化の一途を辿っている。

 凶悪犯罪に対し、経済犯罪というか、詐欺など人命には影響が少ない犯罪に対しては市民の恐怖感は比較的軽くて、どちらかといえば、他人事みたいに考えている向きも少なくない。
 ところが、振り込め詐欺や薬物売買で得た収入や追徴金を被告人から徴収できできないということになると、そのカネが次の犯罪に使われる公算が大きくなるから、検察はもっと真剣に徴収するようにしてもらわないと困る。

 犯罪被害者支援を訴えてきたが、反社の団体などが得た収入をマネーロンダリングすることは言葉では知っていても、現実に自分の住む世界とは別のところで行われている印象で、取り上げる機会もほとんどなかったように記憶している。

 覚せい剤などの薬物は、梅毒と並んで亡国病の一つであるから、摘発に力を入れる必要があることは真剣に訴えてきた。
 近年、梅毒患者が増加の一途を辿っていることは何回となく発信してきた。
 覚せい剤も、多量に摘発されたときに取り上げるようにしてきた。
 しかし、売買する反社の人たちが得た収入がどうなったかまでは気が回らなかった。

 被疑者を捕まえ、裁判にかけることは当然のこととして、懲役刑を言い渡すだけでなく、追徴金を納めなければ刑務所から出られないようにすることで、追徴金を徴収できる可能性がでてくる。

 とにかく、善良な市民が納得できるような犯罪収益や追徴金徴収システムを構築してもらいたい。 
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