「孤島の若先生と大先生」「父子 礼文の医療守る」という見出しで1月5日の読売が社会面に「継ぐつなぐ」という連載の2回目で稚内からフェリーで2時間という礼文島で頑張る医師の親子を紹介している。
日本海最北の離島にある「礼文町国民健康保険船舶診療所」所長升田晃生さん(39)と現在は嘱託医師である升田鉄三さん(70)父子が島の医療を支える。
小学校卒業後、島を離れて旭川医科大学を卒業し、秋田の病院で働いていた頃、悪性リンパ腫を患った父が治療のため秋田に来た。
数年後、定年を控えていた父に「礼文に帰る」と伝えた。父は嬉しそうな顔をしていた。
父から「医者になれ」と言われたことは一度もない。しかし、幼い頃から見てきたその背中は大きかったのだと思う。「医者は世界に何十万人といるけれど、礼文の医療を知っているのは自分しかいない」と息子は心を決めた。
離島の医療はどんな病気やけがにも対応できなければならない。専門の消化器外科だけでなく、内科や整形外科の指導医にも離島での医療を前提にした助言を求めた息子。
2020年の夏、島に戻り診療所を受け継ぐも、島民に馴染んでもらうのに時間がかかったが、次第に理解を得られた。
実家の横にあるアパートで暮らし、緊急の電話が入れば、昼夜を問わずすぐに駆けつける。
礼文島の人口は約2500人だそうな。
TVや映画で視聴したり、観た『ドクターコトー診療所』のコトー先生こと五島健助医師と升田晃生医師が重なってしまう。
近年、カネが儲かる、収入が多いからと美容整形の医師になり手が多く、医師の診療科目の偏りが目立つと報じられている。
一方で、アフガンで医師でありながら灌漑用水路を敷設し、食料事情をよくした中村哲先生のような歴史に名前を刻み、長く称えられる医師もいる。
余計なお世話だが、コトー先生には彩佳という看護師がいて、映画では夫婦で島の医療を支えてくれた。
晃生先生だって、いつまでも一人では行く末が心配でならない。
礼文島には娘たちはいないのか。看護師になって晃生先生を支えようという女性はいないのか。
いなければ、全国の若い女性に呼びかけたい。
島には島の物語があるもので、古くは壷井栄『二十四の瞳』の舞台となったのはオリーブの島小豆島だった。
ハンセン病患者の収容を描いた小川正子『小島の春』は岡山県瀬戸内市の瀬戸内海の離島の長島愛生園だった。
島民のために働く人たちにエールをおくりたい。
2025年01月07日
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