法務省は20日、2024年の「犯罪白書」を公表した。2023年1年間の刑法犯の検挙件数は前年比7・7%増の26万9550件で、19年ぶりに増加に転じた。新型コロナウイルス禍が収束し、犯罪の機会が増えたことなどが影響したとみられる。白書は、SNSを通じた「闇バイト」問題に初めて言及し、少年が重大犯罪に加担していると警鐘を鳴らした。と12月20日の読売が伝えている。
刑法犯の検挙件数は1985年の103万2879件をピークに、減少傾向に転じた。2005年からは18年連続で減り、コロナ禍の22年は25万350件で戦後最少となっていた。
特殊詐欺も、前年比8・6%増の7212件となった。高額の報酬を示唆して犯罪の実行者を募集する「闇バイト」に触れ、少年が特殊詐欺や強盗などに加担し大きな社会問題になっていると指摘。こうした犯行には、SNSでつながって離合集散を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ」(トクリュウ)が関与している場合があるとした。
白書では、再犯状況も分析した。昨年の刑法犯の検挙者数18万3269人のうち、再犯者は8万6099人で、「再犯者率」は前年から0・9ポイント減の47・0%となった。過去最悪だった20年の49・1%からは低下したものの、高止まりの状態が続いている。
白書だから数字は2023年の犯罪情況を伝えているわけで、2024年の体感治安は戦後最悪と言っても過言ではないくらい悪化している。
理由は、SNSでつながって離合集散を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ」(トクリュウ)が関与する首都圏で頻発している強盗事件の増加である。
特殊詐欺ということで括られる振り込め詐欺などは身の危険は心配することはなかった。
ところが、首謀者は安全地帯にいて、SNSで集めた「闇バイト」を使って強盗を実行させるという手口だから、凶悪で首謀者をなかなか捕まえられなくて、事件が繰り返されてしまっている。
池波正太郎『鬼平犯科帳』の火盗改めの長官長谷川平蔵によれば、闇バイトの手口は「急ぎ働き」に分類され、極めて凶悪である。
皆が寝静まった「丑三つ時」に雨戸や窓ガラスをぶち壊して侵入し、家人を緊縛し、暴力を加えるという。女性を拉致監禁した事件もあったくらいである。
所謂おとり捜査を導入してでも、首謀者を捕まえなければ犯罪は繰り返される。
体感治安というのは結構大事なもので、街の安全の目安となっているくらいだ。警視庁はメール警視庁で、首都圏に発信し、街の治安状況を伝えてくれている。
犯罪白書は興味がない向きには必要ないかもしれないが、犯罪被害者支援を訴えてきた立場からは興味深い内容で、とても役に立っている。
2024年12月22日
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