2024年10月27日

被害者記者会見 元検事正 部下への性的暴行認める

 酒に酔って抵抗できない状態だった部下の女性検事に性的暴行を加えたとして、準強制性交罪に問われた元大阪地検検事正の被告(65)の初公判が25日、大阪地裁であった。元検事正の被告は起訴事実を認め、「被害者に深刻な被害を与えたことを深く反省し、謝罪したい」と述べた。とメディアが伝えている。

 10月26日の読売によれば、女性はこの日、被害者参加制度を利用して出廷。検察官席の近くに座り、元検事正の被告らから見えないよう、周りについたてが設置された。

 閉廷後、女性検事が大阪市内で記者会見し「被害から6年間、ずっと苦しんできた。犯罪者を処罰する検察庁のトップから被害を受け、全てを奪われた」と涙を流した。

 検察幹部に被害を申告したのは2024年2月。女性は会見で「被告から『他の検察職員に迷惑がかかる。公にすれば死ぬ』と脅され、申告できなかった」と打ち明けた。

 「女性として、検事としての尊厳を踏みにじられ、身も心もぼろぼろにされた」と強調。会見を開いた理由については「声を上げられない被害者はたくさんいる。私の経験を話すことで過酷な実態を正しく知ってもらい、性犯罪を撲滅したい」と話した。

 一方、女性は、副検事が元検事正の被告側に今回の事件の捜査情報を漏えいするなどしたとも訴え、10月1日、副検事を国家公務員法違反などの疑いで大阪高検に刑事告訴・告発したことも明らかにした。

 女性は、「検事正から性被害を受け、副検事から名誉 毀損の被害を受けているにもかかわらず、検察庁からは謝罪もなく、非常に孤立させられた」とし、「検察庁には、適正に処罰をしていただきたい」と訴えた。

 
 語り継ぐ戦争で、日本が戦争へと突き進む軍国主義が台頭したのは、5・15,2・26という軍人によるクーデター未遂事件だとされている。
 自分たちだけ武装している軍人には誰も勝てないから、政治家も次第に黙してしまうことになるのだ。
 高倉健の『動乱』で、青年将校の部下たちが、田舎の貧しい農村では娘たちの身売りが続き、貧富の格差が広がる政治に怒り立ち上がったことを知った。
 売られた娘たちは遊廓で女郎として、楼主に搾取されながら、逃げ出すこともできず、死ねば投げ込み寺と呼ばれた浄閑寺などに投げ捨てられた。

 このことを知ってから、浄閑寺にある新吉原総霊塔に行き、女郎と呼ばれた女性たちの供養をすることを始めた。
 同時に、女性に対する性暴力を糾弾することも発信するようになっていく。

 もともと、「自由のために」活動することを旨としてきたので、人身売買、性暴力共に女性の自由と尊厳が奪われることだから、当然、反対する立場に立つ。

 元検事正といえば、検察のトップで国家権力の代行を続けてきたから、勘違いして、自分が何をしても捕まらないと思ったということもなかったとは言わない。

 しかし、犯罪被害者支援を訴えてきた立場だから、男は女性に誰でも性暴力をすると思うのは大きな間違いで、性暴力をする男は魔がさしてやったというのではなく、常習者がほとんどで、性暴力志向が強かったとみている。

 元検事正の家族構成は知らないが、伴侶や娘がいたら、自分の夫、自分の父がしかも、社会的地位にある立場にありながら、部下の女性に性暴力をして捕まったとなれば、恥ずかしくて、知った人には会いたくないだろう。

 それだけに、被害者女性が職場の上下関係からすれば、泣き寝入りさせられてしまいそうだが、毅然として告発し、記者会見で、権力者の性暴力を糾弾したのだから、振り絞った勇気、これは応援しないわけにはいかない。

 元自衛官の五ノ井里奈さんの告発が何と言っても大きな影響を与えたのではないかと推察する。
 自衛隊と検察、国家そのものもみたいな組織で、性暴力、性的暴行の被害を受けたら、なかなか告発することができず、泣き寝入りということが多かったはずだ。

 時代は明らかに変わったのだ。
 人は見ただけでは性暴力をするかどうかわからない。
 少なくとも、酒席で無理に酒を飲ませるのは、魂胆があると考え、女性も積極的自衛する必要がある。
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