2024年10月21日

強制不妊補償金支給法成立

 旧優生保護法の被害者救済を目指す新法は8日の参院本会議で全会一致で可決され、成立した。不妊手術を強制された被害者や配偶者への補償や、人工妊娠中絶手術を受けた被害者への救済を実現する。衆参両院は優生思想に基づく過去の違憲立法を謝罪し、政府に誠実な対応を求める決議も可決した。とメディアが伝えている。

 10月8日の読売によれば、救済法では、不妊手術を強制された人に1500万円、その配偶者に500万円の補償金を支給する。本人や配偶者が死亡している場合は遺族が受け取り対象となる。人工妊娠中絶手術を強いられた人には、一時金200万円を支給する。

 旧優生保護法は戦後の食糧難を背景に、「不良な子孫の出生防止」を掲げて1948年に成立した。障害者らへの強制的な不妊手術を可能とし、96年に母体保護法に改正されるまで、約2万5000人が手術を受けた。最高裁は2024年7月、個人の尊厳や法の下の平等を定めた憲法に違反するとの判決を出した。

 救済法は、前文で国会と政府の責任に言及した上で、「心から深く謝罪する」と明記した。


 語り継ぐ戦争では、1945年8月9日未明、満州などに侵攻したソ連軍の兵士による邦人女性に対する激しい性的暴行が繰り返され、中国人や朝鮮人も呼応したかのように邦人女性に性的暴行をした。
 ために、生憎妊娠してしまい、博多、佐世保、仙崎、そして舞鶴に引き揚げ船が着くと、ソ連兵の子どもを産ませるわけにはいかないと当時堕胎罪があったが、超法規措置で妊娠中絶手術が行われた。無論、梅毒に罹患した女性には治療もである。

 精神疾患、所謂統合失調症で長く入院生活をしてきた弟を持つシニア世代の兄が家系のことを考え、子を持たないと若い頃、決めたことにその連れ合いが不満があったのであろうか、自分の目の前で口論となったことを思い出した。
 仕事というか、自分の身内のことではないが、その時の兄の気持ちが痛いほど理解できたし、夫を詰る連れ合いの気持ちもわからないではなかったが、正しい選択だったと今でも思う。

 三浦哲郎『忍ぶ川』(新潮文庫)を若い頃買い求めて読んだが、兄、姉が自殺、失踪という冥血筋に慄く大学生が水商売の世界に生きる女性と出会い、互いの血に流れる不幸を抱えながら共に生きていく姿を描く作品だったと記憶する。

 LGBTの人を生産性がない。あるいは性暴力の被害者女性に対し、女は嘘をつける。さらには、アイヌや朝鮮半島出身者などを差別する発言を繰り返した自民党の比例選出の女性議員がいたが、人を差別する人はかなりいるような気がする。
 YOUTUBEには、在日だとか部落だとか人を貶めるような動画をアップしている輩がいる。
 在日であろうがなかろうが、日本国籍があれば、出身や過去なんて関係ないし、そもそも人権蹂躙ではないか。
 優生保護思想は差別発言を繰り返した女性議員を擁護する側の人たちが考えていることで、健常者も障がい者もいての社会であることを認めたくない了見の狭い人間の取る態度である。

 ハンセン病の患者にも、強制不妊があったことは、宮崎かづゑさんや、山内きみ江さんが証言している。
 ハンセン病は遺伝するわけではないが、病気のことが詳しくわからない時代から、隔離してしまうことで、原因が究明されてからも隔離が続くという、その延長線上にあるのが強制不妊だったのではないか。

 読売の看板となっている「人生案内」に3人子どもいて、知的障がいそれも重い子どもに愛情が持てないという母親からの相談があり、尾木ママこと尾木直樹さんが助言していた。

 社会というのはいろいろな人たちで成り立つものだから、生まれてきた命は平等であるはずだ。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/191106847
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック