障がいや心の病などで社会にうまくなじめない人に農業体験を通じて社会生活への復帰や就労を目指してもらう取り組みが、東京八王子の多機能型事業所「エシカルベジタブルス八王子(エシベジ)」で進められていると10月3日の読売(久保拓記者)が伝えている。
農作業で心の平静さや体力を取り戻し、商品となる作物を作ることで自信を持ってもらうことなどが狙いだ。
代表の渡辺章子さん(57)は「東京多摩から農業と福祉の「農福連携」の新しい風を起こしていきたい」と意気込む。
エシベジは八王子市と瑞穂町の計4か所3500平方bの畑と事務所内でカリフラワーやビーツなどの野菜の栽培や加工、販売などを手がける。
畑の野菜は農薬も化学肥料も使わずに栽培し紫や白のニンジンなど希少価値があって市場価格が高いものを重点的に作っている。
病や障がいを機に自宅に引きこもるなどして社会生活を営めなくなった15人の通所者らが栽培などに取り組む。
大手銀行に約30年勤めた経歴を持つ代表の渡辺さんは「一人の親として、障がいを持つ娘が安心して暮らせる社会を作りたい。そのために全力を注ぐ」と語る。
40代早々に4回目の入院となり、このときは3か月入院し、やっと炎症性腸疾患クローン病だと診断され、その後、腸閉塞で2回、腎盂腎炎で1回、計7回入院し、今日に至る。
病気との交換条件というわけではなかろうが、家庭環境は恵まれていて、連れ合いが働いてくれていたおかげで50代半ばを前に、病気加療と届け出て、退職し、ご先祖が残してくれたわずかばかりの畑で有機無農薬での野菜作りにチャレンジすることができた。
子どもの頃、戦地から無事に帰国してくれた厳父から鍛えられていた。小学生の時から鍬で畑を耕していたことが役立つことになろうとは未だに信じられない。
古希が過ぎた頃から、コロナ禍を経て、後期高齢者になるや、急激に心身ともに衰えが目立つ。
歯の具合、歯茎の具合がよくなくて、入れ歯になり、目から光線が発するということで驚いて眼科に行くと、白内障だと言われ、畑では目を保護するためにサングラスをかけた方がいいといわれた。
耳の聴こえが悪くなり、TVの音が聴こえにくくなった。同じころ、耳鳴りが始まり、耳鼻咽喉科に行くと、加齢だと言われた。
夜になると、トイレが近くなり、1時間おきに目が覚めてしまうし、加齢によるものか、病気によるものか、出るものが出にくくなっているから、寝る前も頑張って水分を摂っているから、余計トイレが近いことくらいはわかっているが、出るものが出なければ、腸閉塞になる可能性が高いので、もっと困ったことになる。
ところがである。
畑に行くと、こんな自分でも信じられないくらい元気になるのだ。
上述のとおりの日常で、雨が続いたりすれば、鬱状態に近い日々を送っていても、気分転換ができるというか、気分が優れるのだ。
サングラスは日差しが強い時は先生の指示のとおりにしているが、耳鳴りなんか全く気にならなくなってしまう。
夜間、あれほどトイレが近くて困っていても、畑で汗を書けばその心配をする必要がない。
ということで、「社会になじめない人へ、農作業通じ就労支援」という見出しが大袈裟でもなんでもなく、事実であることを実践からフォローできる。
農作業の効用は、多分、大地、太陽、風などからエネルギーが人体に伝わってくるからではないかと思う。
学問的な裏付けはないが、まちがってはいないだろう。
「工藤阿須加が行く 農業始めちゃいました」を視聴しているが、農業を始めた人たちは皆元気だ。
農福連携は過去何度も書いている気がするが、刑務所や少年院の出所者や出院者にも農業を薦めてきたくらいで、やる気があって、農業大学校みたいな技術を教えてくれる施設で学べば福祉関係の人にだって農業法人における就労は可能である。
渡辺章子さんのようなリーダーの果たす役割が大きい。
渡辺さんにエールをおくりたい。
2024年10月04日
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