能登半島地震で大きな被害を受けた輪島塗の漆芸家で、「沈金」の人間国宝、山岸一男さん(70)が8月29日、客船「飛鳥U」内で講演会「能登はやさしや土までも」を行った。と9月25日の読売(清川仁記者)が伝えている。
同船は常時、日本工芸会所属作家の作品を展示しており、今回は「夏の金沢・函館クルーズ」に合わせて山岸さんを招いた。
山岸さんは地震で左肩などを骨折し、石川県輪島市の自宅兼工房が全壊した。現在は金沢市内のマンションで制作を再開しているという。山岸さんは、輪島が北前船の寄港地として栄えた歴史を誇らしく語り、「能登の国はつくづく美しい。人は寡黙だが働きもの。粘り強く復興する。私は漆の仕事で、先人の志を次の世代に渡したい」と再興への決意を新たにしていた。
漆の塗面に文様を掘り、金箔や金粉などを埋める「沈金」。山岸さんは2018年に人間国宝に認定された。
「焼け。潰れ。ひび割れた…」輪島思い涙。美しい風景も仕事場、家、友達もなくなったが、次世代に先人の志渡したいと願う。
そこに9月21日からの記録的な大雨ということで記者も「能登の一刻も早い平穏を願わずにはいられない」と結ぶ。
畑の近所の女性、自分より一回り上だから80代後半であるが、お元気、かつ経済的にも恵まれているのだろうか、先般、「飛鳥」(Uかどうかわからない)に乗ってきたと言いながら、土産を頂戴した。
クルーズ船など乗ったこともないし、興味も全くないが、世界一周だったか、そんなことを以前耳にしたことがある。
船旅するような人は経済的に恵まれているだろうから、需要を喚起したいわが国の伝統工芸品を展示しておくのは素晴らしい企画である。
さらに、人間国宝の作家が講演するという企画もまた目の付け所が佳い。
さて、災害列島である日本列島でも、正月元旦の大地震に見舞われた能登地方に秋の彼岸になって、大雨が降り、TVで行方不明の女子中学生が海上で見つかったというニュースが流れていた。
気の毒なことで、かける言葉がみつからない。
いかに災害列島はとはいうもののなぜ、能登の人たちばかり苦しめるのか、大自然というものは。
ライフラインの復旧に時間がかかっていることも政府の取り組み方が甘い気がするし、仮設住宅が雨でやられたという報道にはびっくりである。
自分は今、心身共に体調が優れず、鬱に近いようなところもあるが、大自然に助けられ、畑で草むしりをしていることで、どうにか、心身のバランスをとっている。
作家は作品をつくるのが仕事だけれど、その環境が整わない中での制作だけに安易に頑張れなんていえない。
それでも、人生いい時もあるはずだから、その日のためにも制作を継続してほしい。
2024年10月01日
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