食料価格が高騰している。小麦やトウモロコシなど主要穀物だけでなく、オレンジやカカオといった商品作物の価格も上昇傾向にある。世界人口の増加やバイオ燃料の普及に加え、気候変動が大きな要因となっている。
専門家は食料価格の高止まりは数十年単位で続くと指摘している。と9月16日の読売(鎌田秀男経済部次長)が国際経済の紙面で伝えている。
今夏、日本ではコメの品不足や価格高騰が続き、一部のスーパーでは売り場からコメが消えた。
オレンジやカカオやコーヒー豆も干ばつや高温といった異常気象が原因で価格が高騰している。
食料価格の長期的な上昇をもたらした要因は大きく三つある。
一つは世界的な人口増加だ。
二つ目はトウモロコシなどを原料としたバイオエタノール(バイオ燃料)の生産拡大だ。
第三の要因が気候変動だ。
下川哲早稲田大学准教授は「貧しい国ほど、気候変動の農作物への影響が大きく、さらに、食料が不足する。国際的に協力しないと世界はますます不平等で不安定になる」と警鐘を鳴らす。
今後、食料価格の上昇などをきっかけに世界の農業国が食料輸出規制に乗り出す恐れもある。
農林水産省によると、07〜08に穀物価格が高騰した際には、ロシアや中国など18か国が輸出規制措置に踏みきった。22年のロシアによるウクライナ侵略後は、25か国が輸出制限的な措置を実施した。
私たち一人ひとりが気候変動や食料安全保障への関心を高め、暮らしや食生活を見直していけば、食料危機編と向かう流れを変えられる可能性はある。と結ぶ。
バイオエタノールとはトウモロコシのほか、麦類やイモ類などから製造されるガソリン代替燃料のことだと紙面に解説があったが、世界の飢餓人口が70億人に達する中、食用の穀物を燃料に加工してしまうなど罰当たりにもほどがある。
語り継ぐ戦争では、戦時中、国力に見合わないほど戦線を広げてしまった結果、兵站、つまり、食料供給などが追い付かず、南方戦線では飢餓が続出、最悪の作戦とされているインパールでは飢え死にした兵士たちの遺骨で白骨街道と呼ばれたり、ガダルカナル島のことを餓島と書いたことで兵士たちの飢餓状態を知ることができる。
敗戦後の飢餓は、節子と清太の話、『火垂るの墓』や塚本晋也『ほかげ』を観れば理解できるだろう。
戦後79年、その日本が十数年前から貧富の格差が拡大し、満足に食べられない子どもたちが出てきたことを見るに見かねた心ある人たちが「こども食堂」として、救援に乗り出した。
自民党政権がやってきた新自由主義の市場原理の政治がシングルの女性や子どもという弱者にしわ寄せが集中した。
生きていくとき、まず「自由」が大事だと訴えてきたが、そうは言っても生き物だから、食べなくちゃならない。
語り継ぐ戦争でいえば、「星の流れに」のヒロイン達は食べるために敵国だった米兵にだって抱かれた。
食料を手に入れようと、田舎に行った女性は百姓のおやじに身を任せてでも食料を手に入れようとしたはずだ。
大岡昇平『野火』を塚本晋也が映像化した作品では、サルの肉だと称して食べていたのは兵士の肉だったりして・・・。
武田泰淳『ヒカリゴケ』で飢餓だったはずの男の顔がてかっていたことで、飢えてタブーに手を染めてしまったことが描かれていた。
脱北者を描いた、『クロッシング』では飢えた家族が愛犬を食べてしまう話が描かれていた。
自分がご先祖から受け継いだ広くもない畑で有機無農薬での野菜作りにこだわっているのも、いつか来た道、食料難が予測されるからで、ついでに言うなら、わが家には井戸があって、塩素で殺菌していないから飲料不可ではあるが、災害時にトイレの水には使えるし、沸かして飲めば飲料としても使えるかもしれない。
とにかく、食べる物がなければ、女性は大事な体を売ってでも、食料を手に入れるだろうし、自由をうばわれてしまうことになるのだ。
農業にもっと補助金を出して、日本の食料自給率を上げ、いざというときに備えなければならない。
2024年09月22日
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