2024年06月13日

“PFAS汚染”岡山県吉備中央町汚染源は?

 NHK「クローズアップ現代」追跡“PFAS汚染” 汚染源は?健康リスクは?を視聴することができたので書いておく。  
 
 「自然界でほとんど分解されず“永遠の化学物質”と呼ばれる有機フッ素化合物=PFAS。2023年、高濃度のPFASが水道水から検出されたことが明らかになった岡山県吉備中央町。検査を受けた住民の血中濃度の平均は健康リスクが高まるとされる値の9倍以上に。住民の病歴などから健康への影響を検証。さらに、国が“98%は不明”だとする汚染源を徹底取材。産廃処分場や在日米軍基地など関連が疑われる施設と汚染との関係を追跡。」と番組の㏋にある。


 水俣病で公害病に目覚めたから、沖縄の米軍基地が原因とみられるPFASによる水質汚染の問題が起きたことを書いたことがある。
 水俣病はチッソの工場から処理せずに排水に流れ出した有機水銀が海に流れ出し、魚の体内に取り込まれた有機水銀の毒で魚を食した人々が苦しめられた。
 有機フッ素化合物=PFASは泡消火剤などに含まれ、自然界でほとんど分解されず、米軍基地内で地中に埋められた廃棄物からPFASが流れ出し地下水を汚染したばかりでなく、川に流れだし、飲料水となる水道水を汚染することなってしまったというわけである。

 岡山県吉備中央町で何故,PFASに汚染されたのかは正確なところはよくわからなかったが、水質が汚染されたことで、活性炭を使って浄化しようと試みたが、その使用済み活性炭が汚染されたにもかかわらず、野積み状態であったため、そこから、PFASが流れ出して、汚染が広がったことは明らかだ。

 汚染された活性炭を野済みにしていたと聞けば、原発の使用済み核燃料、あるいは福島第一原発事故での放射能に汚染された水を処理した処理水も、結果的に海洋放流してしまった。

 東京三多摩の日の出町にある谷戸沢と二ツ塚の処分場では地下水が汚染されないようにということでゴムシートを敷き詰めてあるということだったが、そのゴムシートが不具合だったことがあったように記憶する。
 野積みにされただけでは、仮にゴムシートを敷いてあったとしても、あてにはならないのだ。

 有機物は地中の様々なバクテリアが土に還してくれることになっていることは、デイビッド・モントゴメリー, アン・ビクレー; 片岡夏実訳『土と内臓 : 微生物がつくる世界』(築地書館)に書いてある。
 水俣病の原因物質有機水銀、イタイイタイ病の原因物質カドミウム、カネミ油症の原因物質ダイオキシンのPCB(ポリ塩化ビフェニール),そして,PFASと化学物質はバクテリアでもお手上げということで、安易に、便利だからといって、使ってきたことへの天罰みたいにして、人間の体を蝕んでいくのだ。

 水俣病然りで、すぐに結果が出るわけではないが、やがて、出てくる答えは怖いことになりそうだ。
 サリドマイド薬禍のとき、米国で被害が少なかったのは、FDAの審査官フランシス・キャサリーン・オルダム・ケルシー審査官のおかげである。

 番組では、日本全国取り分け、米軍基地、空港周辺などPFAS汚染が考えられる地域に危険信号を灯していた。
米軍横田基地で働く人が証言してくれていたが、いくら治外法権だからといっても、米軍は酷すぎる。
 抗議もできない自民党政権では市民は苦しめられるだけである。
posted by 遥か at 10:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題・公害問題
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