国家権力を担う検察、その組織の花形とされる東京地検特捜部が取り調べで、やってはならない不起訴を示唆し、供述を誘導したことに着目し、5月18日から21日までの4日間、読売が「供述誘導 広がる波紋」というテーマで連載した内容がジャーナリストの矜持を思わせる見事な内容だったから書いておく。
「自白有無で『星取表』」「検事に重圧『特捜外される』」、「『なめんな』密室で威圧」「『見立てに沿う内容』」、「内部から『組織の問題』」「『検察の理念』指導を強化」、「裁判所『録音』調べず」「捜査実態 解明する選択も」、というのが4回のそれぞれの見出しである。
09年に大阪地検特捜部が手がけた郵便不正事件では村木厚子厚生労働省元局長を逮捕起訴した大阪地検特捜部の主任検事が証拠品を改ざんした証拠隠滅容疑で最高検が2010年9月に逮捕するという検察の不祥事があった。
検察の証拠隠滅で冤罪、濡れ衣を着せられた当の村木厚子さんが取材に応じ、「捜査のプロである検事と、弱い立場に置かれている容疑者が対峙する取り調べは検察の「真相と思うもの」が真実に変えられていくリスクを常にはらむ。在宅を含む全事件の取り調べを早急に可視化しなければならない」と自らの経験を踏まえ語っている。
日本をダメにしてしまった検察は立ち直れるだろうか。
郵便不正事件で証拠をを改ざんした証拠隠滅で無実の村木厚子厚労省元局長を陥れようとしたばかりでなく、2019年の参院選を巡る大規模買収事件で東京地検特捜部は元法務大臣から現金を受け取った地元政治家ら100人超を公職選挙法違反容疑で調べる中で、禁じ手の供述誘導、それも起訴しないことを条件に持ち出すという汚いことをやったことが明らかになった。
冤罪事件は絶対許せないが、今、大きな問題となっている自民党安倍派のほとんどと多くの議員が政治資金で裏金を作り、政治資金規正法に定められた手続きをせず、脱税という面でも疑念を抱かれている事件で、検察は自民党の議員を逮捕せず、お目こぼしするという暴挙をやってのけた。
弱い立場の人間にはあれほど強く、取り調べで『なめんな』とまで恫喝しているにもかかわらず、権力側の自民党の議員は何をやっても許されてしまう。こんな不公平、日本国憲法の法の下の平等も踏みにじる行為は断じて許せない。
検察に天罰が下ることを祈っている。
経済アナリスト森卓さんこと森永卓郎さんが病気になって覚悟を決め、仕事を干されることを承知で、1985年8月、御巣鷹山に日航機123便が墜落した事件は、自衛隊が尾翼にミサイルを撃ち込んだからだという衝撃的なことを本に書き,YOUTUBEで明らかにしていることを知った。
事件の真実を米軍を巻き込みもみ消した政府は、その後米国の言いなりになっているという怖い話だった。
森卓さんだけでなく、JALで働いていた女性までもが、疑惑について訴えていたことから、おそらく事実ではないかと自分もみている。
民主主義の国だから、検察の不正も明らかになると言えば、そのとおりだが、当事者にしたら、酷い目にあわされるわけで、こんなことが許されてはならない。
戦前、戦中と、特高警察や、憲兵が跋扈していた時代ならいざ知らず、戦後、79年も経って、こんなことが問題とされているのは、ひとり一人がもっと真剣に国家権力のやっていることを注視していかなければならないことを示唆しているとしか思えない。
国家権力は全く信用できないことを改めて考えさせられた。
2024年05月26日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/190912958
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック
http://blog.sakura.ne.jp/tb/190912958
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック