不当な取り調べを防ごうと、日弁連=日本弁護士連合会は警察などの取り調べに弁護士が立ち会うことを求めていて、4月から実際に立ち会うなどした弁護士に支援金を支払う取り組みを始めることになった。一方、捜査機関側からは「真相解明の妨げになる」という声があり、支援制度が今後どのような影響を与えるか、注目される。と3月23日のNHK、5月13日の読売(徳山喜翔記者)が夕刊で伝えている。
日本より民主主義の先進国である米国では取り調べでの弁護士の立ち会いが容疑者の不可欠な権利とされている。しかし、日本では立ち会いを認めるかどうかは捜査機関の裁量に委ねられている。
供述の強要などによる冤罪を防止するため、取り調べの場で弁護士が法律上の助言を行う必要があるというのが日弁連の立場だ。
19年には警察や検察のトップに立ち会いを認めるよう求めたほか、取り調べを受ける人に弁護士を立ち会わせる権利があることを明文化する刑事訴訟法の改正も求めている。
18年以降各地の弁護士から報告を受けた立ち会いの申し入れ件数は計約100件にとどまっている。
こうした現状を打破するため、国選弁護人として書面で立ち会いを申し入れた弁護士に3000円、勾留中の取り調べに実際に立ち会った弁護士に1日当たり2万円を支給する制度を始めた。
不当な取り調べといえば、名張の毒ぶどう酒事件で冤罪を訴えながらも、八王子の医療刑務所で病死した奥西勝さんのことを思い浮かべる。
一審で無罪となったにもかかわらず、高裁で死刑、上告するもそのまま死刑が確定したという信じられない裁判が為されたことで知られる。
インターネットという便利なものが普及したお陰で,Wikipediaという便利なツールが利用でき、加齢で「忘れてしまったことを容易に調べられることになった。
犯罪の事件簿みたいなもので、事実関係を確認することもまた少なくない。
なかで、「無限回廊」は実によくまとめられていて感心しているが、名張の毒ぶどう酒事件では、再審請求の経緯もまたわかりやすく捕捉されている。よくできていて、大いに参考になる。
再審請求は当然のこととして、冤罪事件に弁護士が取り調べで立ち会っていたらと思わないでもないが、過ぎてしまったことを今さらどうすることもできない。
一方で、捜査側は弁護士の立ち会いに消極的で、事件の解明を妨げていると批判されている。
犯罪被害者の支援に理解がある元検事の高井康行弁護士は「容疑者の故意や動機などの立証を捜査側に課している今の日本の刑事司法制度では弁護士の立ち会いは認められるべきではない」と読売でコメントしている。
戦争に敗れたからと言って、なんでも米国の真似をすればいいというわけではないが、仮に自分が容疑者となったときのことを考えれば、弁護士を立ち会わせないのは、恣意的で、取り調べで不都合なことがあるのかと勘繰りたくなってしまう。
犯罪もいろいろで、極悪人もいれば、冤罪の人だっていることを考えれば、取り調べで一律に弁護士を立ち会わせないというのは疑問である。
日弁連が米国のように取り調べで弁護士を立ち会わせるように動いているのは当然のこととして理解できることだ。支援金を支払う制度も必要だろう。
全ては、冤罪をなくすためであることを忘れてはいけない。
2024年05月20日
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