2024年03月26日

シュレッダー紙から培養土 廃棄減らし有効活用

 個人情報など他者に知られては困る書類を処分するときに活躍するシュレッダー。しかし、裁断された紙はリサイクルにしづらく、4割は廃棄されているという推計もある。
 そんなシュレッダー紙から培養土が作られ販売されている。と3月23日の読売(木田滋夫紙WAZA編集長)が夕刊で伝えている。

 福岡県八女市で農業資材を製造する大石物産が2年前に発売した園芸用培養土「実のなる野菜の土」だ。
 土砂2d弱と、シュレッダー紙20〜30`、水に溶いた微生物を機械でかき混ぜる。袋詰めして1か月ほど寝かせる間に微生物は紙を分解し、それを栄養として増えていく。
 店頭価格は20gで500円〜600円程度で九州方面のホームセンターなどで販売している。
 紙を分解する微生物「トリコデルマ菌911株」を発見したのは九州大学熱帯農学研究センターの松元賢准教授だ。

 公益財団法人「古紙再生促進センター」の推計によれば、全国のオフィスから出るシュレッダー紙は年間72万5000d。このうちリサイクル用に回収44万6000dで残りは燃やされるなど廃棄されている。資源化率は61・6%で段ボール(98・7%)新聞(92・4%)より低い。


 毎日、わが家から出る所謂生ごみ、野菜くずなどを畑に埋めている。もう20年くらい続けているのではないか。
 農園と呼ぶには狭い農地ではあるが、循環型農業、有機無農薬農業での野菜作りに目覚めた結果である。
 親しくしている口さがない人は、生産緑地ではない農地だと知っていて、高い固定資産税を納めてやる道楽だなどと揶揄するが、畑の土をよくしたいがためである。

 親族に薦められて読んだデイビッド・モントゴメリー:アン・ビクレー 翻訳:片岡夏実 『土と内臓 微生物がつくる世界』(築地書館)のお陰で、実践で知っていた土の中に棲む微生物の力の凄さが科学的にちょっぴりではあるが理解できた気がする。

 雨の日は除いて、ほぼ毎日畑に埋めている生ごみであるが、1年間では、何と言っても夏場に土に還るのが圧倒的に早く、1週間もあれば、堆肥化(土になる)されてしまうものが、冬場は3週間くらいはかかる。
 
 わが家には危ないからシュレッダーはないので、個人情報保護の場合は燃えるごみに出してきたが、びん・かん、ペットボトルに牛乳パック、新聞、段ボール、雑誌や書籍は資源回収に出し、その他の紙は雑紙として資源回収に出す。

 紙を畑に埋めることはほとんどなかったが、樹木の枝や紙も土に還ることは知っていた。
 わが家の畑では使用していないが所謂マルチ、畑に敷き詰める黒いビニールも、今では微生物の力で土に還る製品が開発されているくらいで、プラスチック系以外のもの、自然界にあるようなものは皆、土に還るくらい、微生物の力は偉大なのだ。

 シュレッダー紙から培養土を製品化した大石物産と微生物を見つけた九大の松本賢さんには大いにエールをおくりたい。
 
 飛騨高山で牛の飼料に乳酸菌を混ぜ、その排泄物である牛糞を肥料にした製品「みな土」が販売されていることも、この際宣伝のために書いておきたい。
 長年の懸案である、牛舎の悪臭が乳酸菌で解消したという歴史的な発見である乳酸菌の活用は、「トリコデルマ菌911株」を発見したことと同様に素晴らしいことである。
 自分が組合員になっているわが街の農協がこの肥料「みな土」を取り扱ってくれないことに再び怒り心頭になっていることも記しておく。
posted by 遥か at 10:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題・公害問題
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