水俣病の未認定患者に一時金などを支給する水俣病被害者救済法に基づく救済対象から外れた熊本県や鹿児島県の住民ら144人が国と熊本県、原因企業のチッソに1人あたり450万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、熊本地裁は22日、原告側の請求を棄却した。とメディアが伝えている。
3月22日の読売の夕刊1面トップ記事によれば、品川英基裁判長は原告のうち25人を水俣病と認定したが、いずれも不法行為から20年で損害賠償請求権が失われる「除斥期間」を適用して退けた。
同種訴訟は全国4地裁で起こされており、初の司法判断となった2023年9月の大阪地裁判決は、救済法対象外の住民らを水俣病と認定し、国などに賠償を命じており、判断が分かれた。大阪地裁判決は、2006年以降に訴訟のために実施された検診時を起算点として、国などの除斥期間適用の主張を退けていた。
救済法は09年に施行され、約5万5000人が補償を受けたが、約9600人は救済対象と認められない「非該当」と判断された。こうした救済法が適用されなかった住民らが、13年6月に熊本地裁に提訴した。
主な争点は、手足の感覚障害などを訴える原告らが水俣病に該当するか否か。救済法適用の条件となっている居住地域(メチル水銀が排出された水俣湾周辺の対象地域に1年以上居住)や、出生時期(水銀の排出が停止された翌年の1969年11月末までに出生)の妥当性なども争われた。
「除斥期間」適用の可否も争われた。被告側は仮に水俣病を発症したとしても、遅くとも72年が起算点だとして、20年が過ぎたと主張。原告側は健康調査をしていないことから、適用は正義公平の観点から許されないとし、2013年以降に受けた診断時を起算点とすべきだと訴えていた。
熊本訴訟を巡っては14回にわたって提訴を重ね、原告総数は4地裁で最多の1400人。今回の判決は1、2陣提訴分の144人(50歳代〜90歳代)が対象となった。
読売新聞の人生案内を読んでいるような子どもだったから、所謂早熟だったのだろう。世の中の出来事に関心を持つようになったのは必然と言えるかもしれない。
肝心な思春期に受験勉強にもう一つ身が入らず、3人姉弟の中で一番出来が悪く何処にも行くところがなかった愚息だった。明治生まれの父親は長男は跡取りという保守的な考えだったから、あまり怒られることはなかったが、その分、姉弟に八つ当たりしたと言われ、今でも、恨み言を言われたりしている。
学生時代が全共闘世代だから、ゲバ棒を持ってデモ行進するなど反体制運動に参加しそうだと周囲に思われていた節があるが、16歳になった夏休み、その父親が病死していたので、ゲバ棒持つどころではなくなり,おとなしくしていた。
それでも、世の中がどうも弱者が生きにくいという思いを持ち続けていたから、50代半ばを前に退職し、自由になってから、語り継ぐ戦争、犯罪被害者や公害病患者などのためにできることをやろうとするようになっていく。
公害病では何と言っても、水俣病、それも胎児性水俣病に激しく心を揺さぶられた。
若い頃、水俣病のことを知っていたにも関わらず、何もしなかったことに後ろめたさを感じるようになり、水俣を訪れて慰霊碑にお参りすることにしたというわけだ。
こうして発信するときでさえ、水俣病のことを書くと怒り心頭になってくる。
1956年5月1日、公式確認されたということで、連れ合いの誕生した時には公式確認されるほど、実際はもっと早くにわかっていたはずだから、それほど長いこと患者たちは苦しみを抱いて生活してきたことになる。
毎年5月1日、不知火の海を埋め立てした海浜公園と小高い丘の上にある乙女塚で慰霊祭が開催されている。
患者団体主催の乙女塚塚の慰霊祭に参加している胎児性水俣病の坂本しのぶさんは「水俣病は終わっていない」と未認定患者を患者と認めるように訴えている。
有機水銀が混ざった工場廃液で海を汚したのは誰だ。その不知火の海で生きていた魚は有機水銀が毒だとわからないから口に入れる。
その魚を食べた人たちが有機水銀中毒になったというのが水俣病である。
誰が悪いのか明白である。原因企業チッソである。工場からの有機水銀混じりの汚染水をなかなかストップさせなかった国の責任だって明白である。県にも同様に責任がある。
裁判所は除斥期間20年ということで損害賠償請求を棄却したが、除斥期間の取り方は、患者に有利になるようにやろうと思えば大阪地裁の裁判官のようの患者の主張する2013年からだと認めればいいだけのことではないか。
患者は悪くないのだ。この視点に立てば、患者の主張を認められるが、認めたくないとチッソや国や県の立場寄りになれば、おのずと答えは棄却することになる。
悪くない側が救済されない裁判なんて茶番だといってもいいくらいだ。
チッソ、国、県はどれ程患者を苦しめれば気がすむのだ。
裁判所は公平な立場から、苦しめられ続けている患者のことをもっと真剣に考えてもらいたい。
2024年03月23日
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