2024年03月14日

犯罪被害金 被害者の子の奨学金に活用

 編集委員足立大という署名入りのエッセイが「トレンド」というタイトルで読売の夕刊に囲み記事として掲載されている。その3月9日に「人ごとではないこと」という見出しで、大学生の頃、タイで強盗に襲われたときのことが忘れられないというのだ。四半世紀経った今も思い出す。
 犯罪に遭い、重いけがを負った被害者の苦悩や、大切な人を亡くした遺族の悲嘆に接すると胸がふさがる。心労で働けなくなり、たちまち生活に困る人もいる。
 国がそうした方々への給付金の額を引き上げるという。併せて給付金の支給まで何か月もかかる運用を改めてほしい。
 事件後、被害者が周りの人に相談できず、孤立を深める被害者もいる。途方に暮れる住民に寄り添うのは、自治体の大切な役割ではないか。
 理不尽な出来事にいつ誰が遭うかわからない。と結ぶ。

 一方で、3月12日の読売が夕刊(柏原諒輔記者)で振り込め詐欺などの被害金をもとに、犯罪被害者の子どもを支援する奨学金制度の活用が広がっていることを伝えている。
 2013年度の開始以来、奨学生は10年間で延べ1354人(支給額計約7億6000万円)で、制度が貸与から給付に変わった17年度から特に増えている。

 警察庁は2023年6月、有識者検討会で遺族への給付金の最低額を「320万円」から「1000万円超」に引き上げる方針が決まったことを発表している。このことも同じ紙面で伝えている。


 犯罪被害に遭う場面もいろいろであるが、通り魔的な犯罪も多く、その理不尽さを〈大都会袖すり合うも殺傷の縁〉(島崎肇)という川柳を足立編集委員は紹介していた。
 無論、もともとは他生の縁ということで、前世からの縁ということだとは知っていたが、自暴自棄になった加害者の拡大自殺に巻き込まれるようなことだって起きている。

 まさに、事件に誰が遭うかわからない。他人事ではないのである。
 他者に自慢できるようなことは何一つないが、想像力だけは豊かだと思っているので、もし、被害者になったらと常に考えているから、何も考えていない人が被害者になったら、それは大変なことになってしまう。
 第一、どこに相談すればいいかそれさえわからないだろう。
 パソコン、スマホとも便利なものだ。でも、ほとんど活用できていない時代遅れの人間ではあるが、子どもの頃から百科事典を友としてきた分、インターネットで検索というか調べものをすることだけは自信があるから、どんなことでも知りたいことがあれば調べてきた。
 犯罪被害者支援を訴えてきた立場上、支援団体のことも知っている。しかし、普通の人はそんなこと全く知らないだろう。
 奨学金のことは、そういう自分でさえも知らなかった。

 振り込め詐欺の被害金だから本来は被害者に返還すべきものであるが、返還できないなら有効に活用すべきで、犯罪被害者の子どもたちへの奨学金として給付することには大いに賛同する。
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