2024年03月10日

賃金上昇と働く意欲が向上する環境を

 家庭の事情で寝る時間が遅くなってしまうため、朝6時に目覚ましが鳴ってもなかなか起きられず、10分にもう一度目覚ましが鳴ってようやく起きると、連れ合いはもう10年以上続けているTV体操を始めようとしている。
 毎朝のルーティンというのか『PERFECT DAYS』の平山さんではないが支度に1時間かかり、7時20分頃から洗濯を干しながらマイあさラジオ日曜日の今朝は畠山さんと渡辺ひとみさんが担当しているのを聞く。
 夏場は起床時間が5時頃なのでもっと早くから聞いている。

 今朝、東京大学名誉教授の神野直彦さんが自分とほぼ同じメッセージを発信されていたので、書いておく。

 要約すると、失われた30年ということで日本経済が凋落しGDPでドイツにも抜かれた。 
 近年、据え置かれていた労働者の給料が春闘などでアップする気配を見せているが、消費者物価がそれ以上の勢いで上昇しているため、景気が良くなるほどは消費が活発化していない。
 これは米国新自由主義勢力主導で企業が株主のためにあるということで、本来経営者と労働者で支えてきた企業経営が揺らぎ、株主への配当ばかり求めるようになり、人件費が目の敵にされ、切り捨てられてきたため、労働三法で守られてきた労働者の首切りをしやすくする派遣労働の導入、労働者の非正規雇用化が進められてきた。
 数を減らされた労働者は長時間労働で体も心も蝕まれ、労働意欲は大幅に低下している。
 ベースアップも大事なことだが、同時に労働環境をよくしない限り、労働者の意欲がアップせず、労働生産性は上がらない。(ダイハツのように過重労働によるしわよせが労働者の不正行為となり、どこの企業からも目立つようになった)

 30年前、日本経済が好調だった頃、日本型経営―すなわち労働者は定年まで身分が保証されていたから、会社のためなら労を厭わなかった。
 好調だった日本企業に目をつけた米国新自由主義勢力は企業は株主のためにあるのだとばかりに、日本型経営にいちゃもんをつけ、労働者の首を切りやすくする一方で、労働者の長時間労働などオーバーワークともいうべき劣悪な労働環境が増える一方となった。

 ということで、労働者のベースアップ、賃金上昇は経済をよくするために必須要件であるが、同時に労働環境が改善為されなければ長期的に安定した経済とはならない。
 株主の利益だけ追求するのではダメで、労働者があっての企業であるということに尽きる。


 自由のために書き続けている自分が失われた30年という日本経済がダメになった原因について訴えてきたこととほぼ同じ内容の神野さんのメッセージに嬉しくなって書いた。
 自分とは立場が異なり、経済学者だから株主主導新自由主義に批判的なメッセージは説得力がある。

 戦後、79年の3月10日だから語り継ぐ戦争の立場としては、東京大空襲、空爆のことを書かなければならない。
 語り継ぐ戦争で、いろいろ知識を得るうちに明らかに自分が反米になっていたことに気づく。
 日本に沖縄を筆頭に広大な面積の米軍基地があるのは米軍が日本を守るためではなく、戦前のように日本に帝国主義が復活するような事態が起きないようにするためだということ。
 ために、東京の制空権を米空軍横田基地が握っていること。
 米国大統領が来日するときは羽田ではなく決まって横田基地にやってくる。
 首都圏では座間に在日米陸軍司令部があり、厚木と横須賀に米海軍基地がある。

 戦争に敗れたから米国には何も言えないとしてきた自民党政権では日本の主体性を取り戻すことはできず、米国の言うがままにトマホークを買わされ、事故ばかり起こしている欠陥ヘリオスプレイ配備にも何も言えない。
 日米安保、日米地位協定の不平等条約を改正しようともしない自民党政権では国民の命を守れない。

 さらに言えば、仮の話をしても無意味だが、トランプのような新自由主義の権化、自分さえよければいい、米国だけ繁栄すればいいという身勝手な男が再び権力を握ったら怖ろしいことになりそうだ。
 何しろ、プーチンと手を組むというようなことを言っているし、議会を襲撃させるようなことをする男だから民主主義を否定してわけで、独裁者と変わらないからだ。

 とにかく、東京大空襲が遭った3月10日は、明日の3月11日の東日本大震災と共に大勢が犠牲となっていることを忘れてはならない。
 労働者が守られ、経済が良くなり、貧困に苦しむ人たちが少しでも減るような社会にしていかなければ、亡くなった人たちに顔向けできない。
posted by 遥か at 10:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 雇用
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/190809050
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック