2024年02月01日

輪島塗も甚大な被害

 1月31日のNHKクローズアップ現代で、「能登半島地震1か月 暮らしの再建は今 輪島朝市の人たちの選択」というタイトルで能登半島の被災地の震災後1か月の現在の様子を伝えていた。
 奥さんと息子を亡くした70代の男性が必死に涙をこらえながら取材に応じている姿に思わず泣きそうになってしまった。
 子どもを亡くすのは辛いが、連れ合いを亡くしたら自分だったら生きていかれない。それほど大きな存在である連れ合いというものは。

 輪島朝市の地域が火災でまさに廃墟みたいになっている中で、輪島塗が地震で苦境に陥っていることも伝えられた。
 1月27日の読売も1面トップに「輪島塗 新たな苦境」「工房8割被災か」「政府 支援策検討」という見出しで日本の漆文化を代表する伝統工芸で能登地方の主要な観光資源の一つでもある輪島塗復活への支援が待たれるということを伝えていた。

 輪島塗は高度な分業制を取る。特に懸念されるのが職人の高齢化だ。復活への道は険しい。
 次世代の人間国宝を育てる拠点である石川県立輪島漆芸技術研修所には蒔絵や沈金などを学ぶ37人の研修生が所属する。
 卒業年に当たる生徒の卒業制作も当面、中止したという。


 今日は朝から東京は鶯谷にある西蔵院に行き、お世話になった女性の墓参りをしてきた。
 お世話になった人には墓前で経を唱える代わりに「手向」を吹くのが自分のお参りのときのスタイルである。ついでに言うなら、いつも同行してくれる連れ合いが四国の遍路人が使うリンを一緒に鳴らしくれるのだ。
 2020年の正月だったか、お世話になった女性が亡くなったことを知り、墓参りに行くとご家族に伝えたまま、コロナ禍で行かれなくなっていたことが重荷になっていたが、ようやく約束を果たせてほっとした。

 輪島塗といえば、土蔵を解体した時、漆器類もあったが、輪島塗のような価値がある品物があるはずもなく、そのまま骨董屋に引き取ってもらった。

 輪島塗は木製のお椀やお盆、重箱に地元産の珪藻土を原料とする「地の粉」を混ぜた下地漆を丁寧に塗り重ね、沈金や蒔絵で装飾する高度な技法などが特徴。95年に伝統的工芸品に指定されていると紙面に解説されていた。

 わが国を代表する伝統工芸品であり、わが国の漆文化を代表する作品である。
 このまま途絶えさせるわけにはいかない。

 お世話になったということで、間隔が空いてしまったが、故人を想う気持ちがあればこそ、墓参りに行ったことになる。

 伝統工芸、伝統文化いずれにしても、日本人として日本が外国に誇れる宝として輪島塗をこのまま衰退させるわけにはいかない。
 心というか思いが如何に大事なことかわかってもらえればいい。
posted by 遥か at 15:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 伝統芸能、伝統工芸
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