2024年1月1日に発生した、石川県能登半島地震。
外国人技能実習生も被災しているが、漢字が読めないなど避難所生活に疲弊し、一時帰国する人もいると1月26日の読売が夕刊で伝えている。
1月25日のNHKWEBによれば、ベトナム人のグエン・ティ・クイン・チャンさん(21)は、2022年の11月から外国人技能実習生として、七尾市の工場で食品加工の仕事をしてきた。
1月1日も仕事中だった。机の下に隠れ、裏山に逃げ、近くの避難所に身を寄せ夜を明かす。
翌日、寮に戻るも断水の影響で水が使えず、言葉が理解できずで給水所の場所がわからない。湧水を探し、水を汲んで体を洗い、トイレの水を流していたとのこと。
その後、七尾市内にいた実習生11人と近くの自治体に身を寄せた。
借金をして日本に来ているだけでなく、家族5人に仕送りをしなければならないが、会社も被害を受けていて仕事に戻れるかわからない。会社はよかったので、移りたくないが働かなければならない。
名古屋出入国在留管理局によると、石川県にいる外国人の技能実習生は、2023年6月末の時点で4600人余りに上っているという。
現在の技能実習制度では実習生の職種の変更は認められておらず、今回の地震では特例措置として一定期間のアルバイトが許可される形になっている。
しかし、石川県内の実習生を支援する団体では、今回の地震で実習生らの将来への不安は強まっているとして、職種変更の規制を緩和するよう求めている。
技能実習生の「『転籍』緩和 期待と懸念」という見出しで2023年11月25日の読売が技能実習の見直し問題を取り上げていた。「暴力や低賃金改善につながる」「都市部へ人材流出 加速必死」という見出しも併せて見直しについて取り上げている。
何しろ、2023年6月末の時点で実習生は35万8159人いるが、失踪者も2022年は9006人に上っているのだ。
とにかく、3年間、受け入れ先企業などから別の所に移る「転籍」の条件緩和が盛り込まれた11月24日にまとまった外国人技能実習制度の見直しに関する最終報告書は技能実習生の待遇改善には1歩前進である。
実習生らの支援にあたるNPO法人「アジアの若者を守る会」代表の沼田恵嗣さん(61)は「制度改正による人材流出の加速は避けられないだろう」とし、地方への定着支援が不可欠だと語っている。
能登半島地震は予期せぬこととはいえ、地震が多発する日本列島だから、起こり得ることではあった。
市民が困っているのだから、言葉が不自由な外国人技能実習生のベトナムやインドネシアからやってきた外国人技能実習生はさぞ困っていることだろうと心配している。
普段、低賃金で待遇も決して良いとは言えない外国人技能実習生の待遇改善については、「転籍」緩和問題を筆頭に待遇改善をすべく政府もようやく取り組み始めたようである。
能登半島地域にとっては未曽有の大災害だから、この地域で働く外国人技能実習生が借金返済や仕送りのために働かなければならない状況に置かれてるいるわけだから、転籍がどうのこうの言っている場合ではない。
彼らに暴力を振るうようなブラック企業は淘汰されなければならないし、転籍が認められれば、待遇がよくない会社などから、都市部に人材が流出してしまうおそれがあることは否定できない。
もともと、低賃金で日本人が集まらない仕事場に外国人技能実習生制度という美名で労働者を集めてきたわけだから、制度そのものに無理があるのではないか。
先般、「ビヨンド・ユートピア脱北」を観て、金一族の首領の顔が遊廓の阿漕な主に見えた。
女郎として売られてしまった女たちは遊廓などの女郎屋で搾取されながら性奴隷として働かされてきた。
足抜きと言って、廓から逃げ出しても警察が女郎屋の味方だから簡単には逃げ出せない。
大阪の飛田新地には嘆きの壁があるし、吉原に鉄漿どぶというか簡単には逃げ出せないように周囲が囲まれているのだ。
外国人技能実習制度でやってきた人たちは、遊廓で働かされている女郎たちのように借金があり、親への仕送りなどの足かせがあっても逃げ出すのは北朝鮮と同じで自由を奪われ生きてられないからだ。
日本でこんなことがあってよかろうはずがない。
2024年01月29日
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