2023年12月12日

「みつひかり」不正事件 沈黙するマスコミ

 「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」から会報であるTPP新聞Vol.21が手許に届いている。
 「TPP交渉差止・違憲訴訟の会のサポート会員で、TPP交渉差止・違憲訴訟裁判の原告の一員に名前を連ねたことがあるが、現在は原告には加わていない。
 この会は、日本の農業を守るべく種子法廃止は違憲であることを主に現在は活動している。
 TPP交渉差止・違憲訴訟の裁判同様食料への権利の保障と主要農作物種子法廃止の違憲無効を訴えた裁判の第1審判決が棄却・却下となったことをこの新聞は伝えている。
 その中で、原告適格(確認の利益)があると唯一認められた種子農家の菊地富夫さんの思いも聞いている。
 ロシアのウクライナ侵略などで食料や肥料などが高騰して、命にかかわるものを国内できちんと自給することの大切さを実感している。種子を守ることは国民の命を守ることと同じだ。
 裁判で勝つことも大事だが「おかしいことにおかしいと言い続けることも大切だと語っている。

 種子法廃止を根底から覆す「みつひかり」不正事件についてもこの新聞では伝えてくれている。
 マスコミが報道しないと書いてあったが、よく調べると12月2日の東京新聞WEB(曽田晋太郎・安藤恭子記者)
が伝えていた。

 今年のイネの種子は売れません。
 岐阜県の稲作農家が、こんな仕打ちに翻弄された。なぜ売れないのか。原因を究明すると、種子を供給する「三井化学クロップ&ライフソリューション」が実は7年前から、産地の偽装表示・純度不足などの問題を抱えた種子を販売していたことが判明。民間企業の種子ビジネスを後押しする種子法廃止から5年、危惧されていた問題が顕在化した。同法廃止を違憲として訴訟している弁護団は近く、今回の問題を刑事告発する方針だ。


 食料自給率が38%で、目前に迫っている食料危機に関して無関心ではいられない。
 種子法廃止、「みつひかり」不正事件。
 なんのことかさっぱりという人も少なくないはず。
 政府がやろうとすることはろくでもないことが多い。市民のためにならないことの方が多いかもしれない。
 有機無農薬で野菜作りをしている経験から、野菜は種を買い求めて蒔き、自ら苗を育てる場合と、苗を買い求めて畑に植え付ける場合がある。
 育てた野菜から種を採り、蒔き、育てるという場合もある。

 種子法廃止とは種子は民間企業が開発した種子を売ることにして、農家が育苗しないとでもいえばわかりやすいかもしれない。
 「みつひかり」不正事件とは「民間の品種開発意欲を阻害している」として廃止された主要農作物種子法。この大前提を覆す事件で、三井化学(旧名)が2023年2月20日、契約農家に「みつひかり」の供給を中止すると通知したことで、農家が困ったことになった。
 種子法廃止は、民間の育種技術が向上し、民間においても優良な種子の提供が可能であることを前提に、民間が開発した種子が奨励商品に指定されないことを最大の理由としていた。
 その代表的な優良品種が「みつひかり」であったことから、種子法廃止の前提が覆されたことになるのだ。

 規制緩和ばかり主張する勢力があるが、国が一定の管理をした方がよい場合があるのだ。

 食料の自給率の向上が第一であるが、民間参入でも、肝心な時供給されないということでは何のための種子法廃止かわからなくなってしまう。

 新自由主義で何でも市場原理にまかせればいいというものではないのだ。
posted by 遥か at 15:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 農業、林業振興
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/190690922
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック