宝塚歌劇団の宙組劇団員が自殺(警察の見方)した問題で、11月14日、宝塚歌劇団が記者会見を開いた。遺族側弁護士川人博さんはいじめを認めなかった外部調査委員会は宝塚が依頼した弁護士事務所のメンバーなどでそもそも第三者による調査委員会ではないと批判を強め、このことをメディアは何故、放送しないのかと、宝塚のいじめによる生徒の自殺問題への報道のあり方まで指摘していると伝えられている。
時を同じくして、「救えぬ命 いじめ防止法10年」というタイトルで11月9日から上中下と読売がいじめ問題に取り組む報道をしていた。
「SOS 動かぬ学校」「絶望『誰も守ってくれない』
」「SNS 容赦ない中傷」「大人の目 届かぬ間に拡散」「放置・歪曲 教委に不信」「身内意識 調査の壁」という見出しで伝えるものは、「いじめ防止対策推進法」ができても、いじめに対する有効な手が打てない、学校や教委の関係者に子どもの命を守るという姿勢が欠けていることで、当事者は誰も守ってくれないと絶望し、自ら死を選ぶという状況がちっともかわっていないということ。
文科省の調査によれば、小中高生のいじめによる自殺者は22年度だけで5人。この10年間で少なくとも85人に上る。
人心の荒廃という言葉がある。
いじめがいつの時代でもあったことはわかりきったことである。
いじめが一番酷かったのは語り継ぐ戦争の立場から伝えてきた戦時中の旧日本軍で、陸軍が新兵を教育する内務班におけるいじめや海軍の船の中での新兵いじめである。
その旧日本軍の悪しき伝統というか、縦社会における上からの命令は絶対という組織におけるいじめが戦後もずっと続いてきた。
自衛隊、警察、消防、中高大学と続く運動部、大相撲そして宝塚である。
ここに風穴を開けたのは大相撲の時津風部屋における力士リンチ殺人事件で、まず、旧軍そのままのような相撲部屋が事件後風通しがよくなった。
それが証拠に、相撲部屋の土俵にあった力士を殴るための竹刀やゴルフクラブが撤去された。
旧軍の伝統を受け継ぐ自衛隊では、隊員に対するセクハラを告発した勇気ある女性によって、セクハラ、パワハラをなくそうという機運が高まっているが、道半ばである。
警察では、時々、いじめられた警察官が拳銃自殺しているが、体質は全く変わっていない。それでも、セクハラ、パワハラが告発されれば、加害者には厳しいペナルティが待っていることにはなってきた。
運動部でも、鉄拳制裁というかビンタなど日常茶飯事だった東京六大学の明治大学野球部が先輩後輩和気あいあいとやっていると耳にする。
つまり、セクハラ、パワハラなどいじめを追放しようという機運が盛り上がっている。
悪質ないじめは犯罪であり、警察への通報を徹底することがいじめ防止に欠かせない。
宝塚が記者会見で顰蹙を買ったのは、自らの命を持って抗議した女性徒に対し、口先だけで心から謝罪する気持ちがないということで、親会社の阪急電鉄の姿勢が問われることになるということがわかっていない。
現在の経営陣は総退陣し、出直さなければ、宝塚が復活することはないだろう。
人の命を重く考えないで、歌劇でもないではないか。
学校でもいじめは、教員や教委に子どもの命を守る姿勢がない以上、親が子どもの命を守ってやるよりない。
親はわが子がいじめられているか日頃から把握することに努め、いじめられていることがわかったら、直ちに学校に行かせないようにし、子どもの命を守ってやらなければならない。
「誰も助けてくれない」と絶望する子どもを助けるのは親の役割だ。
学校など行かなくとも、勉強さえすれば、道は開ける。人生だってどうにでもなる。
とにかく、死を選ぶ前に、その環境から逃げ出させることだ。
生きて入れば何とでもなる。
2023年11月17日
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