2023年11月03日

限界集落と「ポツンと一軒家」 故郷への思い  

 10月27日、定期的な通院で主治医の先生に診てもらって帰宅後、のどが痛くなり、近くのかかりつけのクリニックで薬を処方してもらった。
 しかし、翌日午後になって咳がでて、苦しくなり、日曜日はクリニックが休みだから、月曜日の朝一番に咳止めクスリを処方してもらった。
 本当に苦しい1週間で、木曜日になっても治りそうもないので、もう一度咳止め薬を処方してもらいにクリニックに行くと、咳止め薬がなくなったから薬局に行ってくださいと処方箋を渡された。
 
 薬局は行きつけで顔なじみの薬剤師に電話を入れてから、連れ合いに薬を取りに行ってもらったら、現在、咳止め薬が手に入りにくくなっているのは事実だとのことで、具合がよくなったら捨てずに念のため、とっておいた方がいいとまで言われた。
 行きつけのクリニックが近くて良かったとつくづく思う。
 
 文化の日の朝、NHKおはよう日本で「限界集落住んでみた 福島編」ドキュメンタリー。の再放送だろうか、少しばかり視聴することができた。
 
 「限界集落…65歳以上の割合が半分を超えた集落をこう呼ぶ。全国あちこちで数が増え、いま大きな問題に。でも限界集落ってそもそもどんな所なの?そんな素朴な疑問を胸に、ディレクターが1か月間実際に住んでみるこの番組。今回訪れるのは福島県南会津町にある山に囲まれた集落。そこにはいったいどんな暮らしがあるのか?深〜く入って、ありのままを体感。思わぬ発見と感動が詰まった新感覚のドキュメンタリー。」と㏋に解説が。

 小谷裕幸『ある限界集落の記録』(冨山房企畫)の書評が10月15日の読売に掲載されていた。その解説をしていたのが自分が近年関心を持ってみている堀川惠子さんだった。
 紹介された本を読んでいないにも関わらず、取り上げるのは心苦しい。それでも。堀川さんのことは書かないではいられない。
 堀川さんは「ポツンと一軒家」が長く愛されるのは高齢の視聴者が遠い故郷を思うからだろう。
 戦後、全国の農村漁村から若者たちが都会へ移り住んだ。地方の過疎地は、今、無人の原野に戻りつつある。と書いている。
 ドイツ文学者の著者は1940年、岡山の山村に生まれた。12の家族が暮らした昭和20年代の記憶は鮮明だ。と紹介している。
 そして、堀川さんもなき祖父母が暮らした山村の光景を思い出したというのだ。
 6年前、これが最後と両親と訪ねた時、集落はすでに無人。愛でる人のない燃えるような紅葉がただ夕日に照らされていた。
 本書を消えゆく故郷に生きた、名もなき人々への深い鎮魂の書だと紹介している。


 首都圏の田舎町に生まれ育った自分の連れ合いの両親は妙高の出身で、義母が元気だった頃、暗黙の依頼で故郷の様子を観に行ったことがある。
 
 2006年8月27日と2007年8月8日、いずれも1泊したのは近くの赤倉温泉ふるや旅館だった。
 家内の愛車パジェロで初めて行ったときは、近くの中村新田?に住んでいた義父の妹宅に寄り、義母の実家の跡地、義父の実家の跡地を案内してもらい、一族の本家に立ち寄った。
 一族の墓にも叔母が案内してくれたが、今、世間を賑わしているクマが出ると言われ、鈴をつけ緊張した覚えがある。
 今、住んでいる世帯は9軒ということで、典型的な限界集落となっていたのである。

 連れ合いが両親に連れられて子どもの頃訪ねた故郷。自宅の前を流れる川はあくまでも清く、顔を洗い、歯を磨き、水遊びした由であるが、上流にゴルフ場ができたとかで面影は全くなくて失望したことを思い出す。

 TVでいつも視聴している「ポツンと一軒家」みたいな本家には、豪雪地帯だから、雪を溶かす融雪池が庭にあり、湿地みたいになっているから蛇がたくさんいるような話で、自分にはとてもここには住めないなと思った。
 豪雪のときは2階から家に出入りすると聞いて、豪雪地帯に住むことの厳しさも教えられた。

 2度目に訪ねた時、わが家の後継者にも記憶させるために同行させた。本家の主の高齢の女性は不在で息子さんが留守番をしていた。
 墓を庭に移転させたとかで、そこで、お参りする際、尺八で1曲吹いたことが翌年からの語り継ぐ戦争、戦没者慰霊のための行脚で経を唱える代わりに尺八を吹くという自分のお参りのスタイルとなったような気がする。

 限界集落で、寺はあったが肝心の医者がいないから、自分のように持病があったり、すぐに風邪をひくようなやわな人間はとても生きていかれないことだけはよくわかった。

 「ポツンと一軒家」を視聴しているとき、どうしても訪ねた妙高の限界集落の光景を思い浮かべてしまう自分がいるのである。
posted by 遥か at 11:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 地域おこし
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