2023年09月21日

木の文化を後世に伝える森林づくり

 企業の宣伝も含まれることになるが、9月16日の読売の広告の紙面に住友林業株式会社代表取締役会長市川晃さんと茶道を嗜み、BS朝日「百年名家〜築100年の家を訪ねる旅」に出演していた俳優牧瀬里穂さんの対談が掲載されていた。木の文化を後世に伝えるというテーマが興味深かったので書いておく。

 脱炭素社会を推進する資源として、「木」の活用に大きな期待が寄せられる中、循環型の森林づくりが課題となっている。そこで、「木」が持つ魅力とともに、正しい森の守り方について、語り合ったと前置きがあった。
 
 100年名家を実際に見て、木の種類の豊富さ、木の表情をそのままデザインに取り入れてきた日本人の感性に感心したという牧瀬さん。
 国土の約7割が森林である日本。古来、木の文化を育んできたという市川さん。木の性質や特徴を知り尽くした職人によって磨かれてきた日本の木造建築の「匠の技」は現在にも通じる素晴らしさであるという。

 木の持つ性質、人に優しい素材である木を積極的に活用しようと建物内部に木を使うだけでなく、学校や商業施設など様々な建物を木造化する動きがある。中高層の木造のビルも建てられるようになってきた。
 建設時の二酸化炭素(CO2)の排出量はRC造りよりも少なくて済む。木は炭素を長期間にわたり貯め続ける機能があるため、木造の建物を増やすことは脱炭素社会の実現に貢献できる。

 木造の建築物を増やすとなれば、伐採することになるが、環境に良くないイメージがあると危惧する牧瀬さん。
 森林には、生物多様性や水源の涵養の観点からの「保護林」と活用していく「経済林」とがある。という市川さん。
 伐採して、使って、植える健全な森林にしていく必要があるが、戦後、植林され、伐採時期をを迎えた「経済林」の多くが手入れが不十分なまま放置されていることにより、土砂災害の原因になるなど問題となっている。

 最終的にバイオマス発電の燃料として活用することができる木は地球の脱炭素化において非常に有効な資源だ。
 健全な森林を次世代に託す取り組みは素敵なことだという牧瀬さん。
 次世代に木の文化を継承できるように循環型の森林経営を行っていきたいと市川さん。

 
 社会科で、日本は資源がないから、原材料を輸入して加工し、輸出する加工貿易の国だと教わった記憶がある。
 ところが、敗戦後78年、時代は変わって、国土面積の約7割が森林であることから森林資源大国だというではないか。
 さらに、付け加えれば、その森林に雨が降ることで、水資源も豊富だということで、二つも大きな資源に恵まれた国であることがわかった。

 一番ダメなのが政治家で、日本の先住民であるアイヌ民族や、隣国の韓国人を侮辱するという人間として恥ずべき発言をまたしても繰り返し、「札幌法務局が人権侵犯と認定した」下劣な女の議員を自民党は離党させようとはしない。どうかしている。
 
 脱炭素社会を目指し、森林資源の有効活用ということを考えるべきときにである。
 地球温暖化の影響かどうか、詳しいことはわからないが、とにかく、異常気象で、雨が降れば、線状降水帯とかで、川が溢れてしまうほど降るし、夏だから暑いと言っても、暑い日が彼岸までも続く。

 日本の木造建築といえば、法隆寺や東大寺に代表されるように腐ってしまう釘を使わない宮大工の匠の技でつくられた優れもので知られる。

 ドイツ人建築家のカール・ベンクスさんが新潟県は十日町の竹所で古民家を再生し、提供してくれている。
 新自由主義に毒されてしまった日本人に対し、本物の建築物の柱を使い、手を加えて住めるようにしてくれているのだ。

 100年名家もそうだが、日本の美と称賛されるほどの建築物が長期に渡って保存され、次世代に継承されるなんて、何と素晴らしことか。

 一次産業である林業にもっと光が当たることを期待しつつ、木の文化を後世に伝えていくことは日本大好き人間のひとりとして素直に嬉しい。
posted by 遥か at 12:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 農業、林業振興
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