かつて花街だった東京・四谷の荒木町にお座敷文化や伝統芸を気軽に楽しめる空間「津の守」を2023年4月に開いた元赤坂芸者塩見文枝さん(55)のことを8月20日の読売(編集委員祐成秀樹)がコラムの紙面に「顔Snnday」で紹介している。
岡山市出身、お茶の水女子大学卒の才媛で「日本を知る、江戸に遊ぶ」をテーマに数々のイベントを主催。
江戸時代に建てられた家で育ち、着物生活をしていた祖父の影響で和ものに親しんだ。
大学卒業後30代で呉服のプロデュースを始めた。
着物を楽しむイベントを手がけているうちに、芸者衆から信頼を得るようになった。42歳の時、東京赤坂の芸者「ふみ香」になった。「見た目大ベテラン、中身何もできない。でお酌だけしていた」が、他人の3〜4倍は稽古に打ち込み、3年で何とか形になったという。
やがて、気づいたのは芸者が料亭以外に踊れる場所がないこと。
「仕事する場を作らないと、お座敷文化がなくなる」と場所づくりを思い立った。
目指したのは「小さくとも本物」。クラウドファンディング約1300万円の資金を集め、引幕のついた20畳の座敷を作った。
今、仕事で得た宣伝力を使って発信している。
語り継ぐ戦争ではあるが、日本大好き人間の1人として、接客業では世界ナンバーワンと推奨している芸者衆の活躍を応援している。
日本の伝統芸能のうち、歌に踊りに三絃、鼓、ときには箏なども習得して披露してくれる接客のプロは日本古来から伝承されてきた着物に日本髪のかつらに簪とどれも日本の美で、世界に誇れる衣装と芸能で宴席を賑わすプロ集団が芸者衆である。
お座敷といえば、連れ合いが箏と三絃に自分は戦没者慰霊のための行脚で経を読む代わりに吹く尺八とふだんから和楽器が身近にあるわが家では、稽古で正座してきた箏や三絃のお師匠方が膝を酷使して、今では椅子を使って稽古するようになっていることから、芸者衆の膝の心配をしてしまう。
東京赤坂や京都祇園などその世界の頂点にあるような場所ばかりでなく、夢千代が働いていた日本海側のひなびた温泉のようないわゆる温泉芸者だって立派な芸者衆である。
日本の伝統芸能を身につけるにはそれ相当の時間がかかり、それなりの費用負担もある。
それでも、芸は身を助けるではないが、一度身につければ、定年などあるわけではないから、長く働くことができるという点で、女性にとって、自立していくには参考になる職業である。
その芸を身につける、磨くには、人前で発表することが不可欠であるから、その稽古所を拵えてくれた塩見さんにエールをおくりたい。
2023年09月06日
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