佐賀県有田町の陶芸家で白磁の重要無形文化財保持者(人間国宝)、井上萬二さん(94)が2024年3月にニューヨークで開く個展に向けて準備を進めている。と6月28日の読売(井上裕介記者)が伝えている。
有田町で、祖父が始めた窯元の家に生まれたが、飛行機乗りに憧れ、15歳で鹿児島海軍航空隊に入隊した。特攻基地の鹿屋に配属され、続く配転先の串良で終戦を迎えた。
帰郷し、柿右衛門窯で修行するも無給の時代が続く。名工と言われた初代奥川忠右衛門と出会って弟子入りし、ろくろの腕を磨いたことが転機となった。
佐賀県窯業試験場で、13年間技官として勤務し、陶土や釉薬、デザインなどを研究し、白磁を極めることを決心した
米国の大学からも指導を依頼され、これまで20回以上にわたって渡米したことで、「伝統にとらわれない美意識に触れ、造形の幅が広がった」と振り返る。
平凡な造形が一番難しいというこだわりを持つ。
1970年に独立し、95年、白磁の陶芸家として初めて人間国宝に認定された。
2020年に後継者の長男を病気で亡くすも、受け継いできた技術を孫に伝える。
「茶の湯を旅する」というタイトルで6月25日の読売(伊丹理雄記者)が身近な道具 茶碗を購入する楽しみを伝えている。
高橋伴明監督、吉沢悠主演、柳宗悦 に影響を与えた浅川巧 の半生を描いた『 道〜白磁の人〜 』を観ているので、焼き物においては、日本の師匠だと言っても過言ではない朝鮮半島のそれも磁器の素晴らしさを教えられた。
焼き物には陶器と磁器があることくらいは誰でも知っていることだと思うが、陶器は簡単に割れてしまうが、磁器であれば、少しくらいぶつかっても割れない特性がある。
食器は陶器より磁器の方が圧倒的に持ちが佳いが、磁器に絵付けしている点で、有田や瀬戸などの器や皿などは見た目もとても美しい。
茶の湯を旅するというタイトルで、茶の湯を楽しむ初心者の記者が自分で茶を楽しむために茶碗を買い求める楽しみを知ったことを大いに喜んでいる。
陶芸教室に通い、茶碗ばかり作ってみたことがあるが、なかなか軽くすることができなかった。
それでも、自分でお茶を楽しもうと茶筅と抹茶を買い求めてみたが、結局、毎日飲んでいるのは煎茶、金子園の天下一ブランドである。
京都に行ったとき、楽美術館というのか、楽茶碗を観たが、形が何とも気に入った。
ところが、自分で作ると、いくらやっても、あんなふうにはならない。
人間国宝とか歴史に刻まれるような作品の良し悪しなどわからないが、自分の好きな形というものはいつの間にか頭にインプットされているので、語り継ぐ戦争、戦没者慰霊のための行脚では、買い求めることもある。
人間国宝の作品でなくとも、陶磁器を眺めることは楽しい。
2023年07月14日
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