2023年03月06日

南三陸町で羊を育てる金井雄飛さん

 日曜日の夜は、「ポツンと一軒家」を視聴している。
 3月5日、昨晩の宮城県を舞台にした話は東日本大震災からまもなく12年ということで紹介されたのだろうと推測するが、いつもの内容と異なっていて、放送する価値のある非常に興味深いもので、どうしても書いておきたくなった。

 舞台は宮城県南三陸町、といっても俄に地勢とか説明できないが、東日本大震災で津波の被害に遭ったところだということくらいは知っていた。
 その時、学生だった金井雄飛さん(31)が災害ボランティアとして東京からかけつけ、瓦礫の片づけなど災害復興に尽力する。

 復興支援活動をしている中で、同じく災害ボランティアとして現地入りしていた神奈川県で建築関係の会社を経営していた金藤克也さんがNPO法人さとうみファームを立ち上げ代表理事となり、金井雄飛さんも仲間に加わる。

 災害復興から立ち上がり地域を振興させるためにファームで羊を育てることになり、金井さんは大学を中退し、移住して羊飼いに専念するのだ。

 金井さんが只者ではない、非凡な証拠は、海に面した土地だから、わかめなど海藻が豊富に採れるのだが、全て使えるわけではなく、食用にならない部位を廃棄していたのを見て、羊のエサに食べさせ、これが南三陸わかめ羊というブランド化に成功し、実際、わかめのミネラルをたっぷりとるようになった羊は食味が大幅に改善したというのだ。

 海に面し、里山がある街の麓で飼っていた羊の頭数が増え、山中で酪農家が廃業した牛舎などを借用して、電気も、水道もない場所で、麓から軽トラでポリ缶に入れた水を運ぶという聞きしに勝る重労働に耐えて羊飼いをしていた金井さん。

 番組のスタッフが訪れた時、近いうちに麓に下りることになったことを明かす。
 麓の酪農家が廃業して、空いた牛舎を借りられることになったのである。


 羊にわかめを食べさせたと知り、わかめといえば思い出す。
 NHKの「プロジェクトx」だったと記憶する。岡本おさみ作詞、吉田拓郎作曲「襟裳岬」で「襟裳の春は何もない春です」と森進一が歌った襟裳岬をわかめなどの海藻を肥料にして、土壌改良し、樹木を育てた話を取り上げていた。

 今、日本の酪農や農業がピンチに陥っている。
 理由は、飼料や肥料を外国に依存してきたからで、輸入飼料や肥料の価格高騰が酪農家や農家の経営を苦しめているのだ。

 日本はコメ余りだと言っては減反政策、牛乳が余るといえば、牛を減らせなどとあまりにも愚かなことをしていて、黙っていられない。

 飼料を国内で賄うことをやってこなかったつけがまわってきただけではないか。
 肥料は有機農業にすれば化学肥料が高騰しても影響は少ない。
 つまり、循環型社会にしていく必要があるということ。

 酒かす、おから、海藻類など、捨ててきたものがあるはずだ。
 これを飼料にすればいいし、家庭から出る残菜など所謂生ごみを分別回収し、飼料にすればいいのである。
 やる気があればできる。
 国産牛と言いながら、飼料を外国から買って、何が国産牛なのだ。おかしくないか。

 金井さんは信州で生まれ、海なし県で育っただから、海がある街が気に入ったのかもしれない。
 31歳の好青年である。
 南三陸町の若い女性たちはこんな好青年が未だに独り身だということで、放っておいていいのか。

 彼みたいな有能な好青年をつなぎとめておくために南三陸町の娘たちは羊を一緒に育てる気持ちになってくれと余計な心配をしてしまった。

 羊飼いだけではダメだから、これからは六次産業化し、採れた羊毛はクラフトで製品化し、肉を販売するだけでなく、加工し、一般に出回るようにしたい。

 とにかく、金藤さん、金井さんそして、地元の三浦さんだったか。エールをおくりたい。
posted by 遥か at 09:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 地域おこし
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