現代日本における課題に向き合い、問題点を指摘し、茶の間に届けてくれる優れた番組、「NHKクローズアップ現代」で昨晩、12月2日夜、笹子トンネル天井板崩落事故から8年経って、教訓は生かされているのかという内容で、国内の老朽化するインフラの修繕問題を取り上げていた。
放送は少ししか視聴していないので、内容は番組の㏋から転載させていただく。
「笹子トンネルで天井板が崩落し9人が犠牲になった事故から8年。事故後、国は5年に1度、トンネルや橋の点検を義務化し、危険性の高いインフラの早期修繕を掲げてきた。
しかし今回、早期修繕が必要とされた全国の橋とトンネルを初めて可視化した「インフラハザードマップ」を作成したところ、約7万3千か所のうち6割以上が「未着手」だと明らかになった。新設工事に比べ修繕工事が構造的に進まない実態と、インフラのトリアージに取り組む自治体などから対応策を考える。」
事故直後の報道で当時28歳の女性がただ一人、脱出し、助かったことに注目が集まり、インフラの老朽化のことを考えたのは少し経ってからのことだった。
未だに、女性がどうやって押しつぶされた車から脱出できたのか詳しいことはわかっていないようだが、九死に一生とはこのことをいうのだろう。
運転免許を取得したのは18歳だったから、もう50年以上車の運転をしているが、高速道路を運転したことは、数えるほどで,ETCを着けたのもごく最近のことである。
高速道路で遠出したのは、東北道で福島、関越道で新潟、中央道から上越を経て妙高、中央道で飯田山本、東名で伊豆方面というくらいで、その他も数えるほどしかない。
中央道は富士五湖に行ったこともあるから、一番多く利用しているかもしれないが、満蒙開拓平和祈念館に行ったとき、路面がずいぶん傷んでいて、修繕が必要なところが多数あった。
語り継ぐ戦争では、訪れた沖縄や九州など、タクシーでところの高速道路には乗っているが、こちらは道が整備されてさほど古くないのか老朽化は気にならなかった。
我が家を例に考えてみるとわかりやすいが、家は築40年近い家と昭和の初めだから築90年くらいの離れ、壊れて修繕が必要な土蔵に、物置とどれも、経年劣化というか修理が必要になっているが、まとまったカネがかかるので、思うように修繕することはできない。
早く言えば、生活が先で、修繕にまでカネが回らない。
筑90年余の建物は耐震構造ではないので、大地震が来れば崩壊することはわかっていても、なかなか工事費が用意できない。
我が家を例にしてみても、直したくとも生活するだけで精一杯で手が回らない。
しかしである。
国家がこれでは困る。
我が家で何かが起これば、自己責任になるだろうが、これが、公共の橋や道路などなら大惨事になってしまう。
さらに、常識的にみて、笹子トンネルでの天井板崩落にみられる天井に重いものを着ければ、いつか崩落することなどわかりきったことで、考えた人間は馬鹿じゃないか。
コンクリートが塩分に弱いことなども常識で、あちこちで海を渡る橋が架橋されているが、これだって、いつまでも大丈夫であるわけがない。
木造建築物で世界一の歴史がある法隆寺や各地の寺の構造物にはいずれ錆びて腐る釘が使われていない。
これなど典型的な先人の知恵である。
国土強靭化のためにカネを使うのはごく当然のことだが、その前に、笹子のトンネルのように天井に重いものを着ければいつか落下するという前提で物事を考えていく必要があるだろう。
笹子トンネルで亡くなった犠牲者のためにも、その死を無駄にしたくない。
2020年12月03日
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