2020年02月09日

自然と闘う首都圏外郭放水路

 読売の日曜日版「よみほっと」が「ニッポン探景」と題し、写真と文章で時代の関心事を取り上げている。
 その1月19日の見出しが「自然と闘う『地下神殿』」で、埼玉県春日部市にある首都圏外郭放水路を紹介していた。
 読売によれば、幅78b、奥行き177b、高さ18bの空間に重さ500dのコンクリートの柱が並ぶ。その数59本で空間を支える。

  2019年10月、台風19号は東日本の河川を氾濫させ、土砂を崩した。
 「地下神殿」は東京ドーム10杯分という1200万立法bもの水を飲み込み、はきだし続けた。
 「浸水被害の9割を軽減できた」と国土交通省の高橋正樹首都圏外郭放水路管理支所長は胸を張る。

 「調圧水槽の巨大さは人知を超えた自然の強大な力と闘うためだ。だからこそ、神殿のような厳かさを感じさせるのだろう」とは見学した記者の感想だ。


 首都圏の田舎町で祖父の時代、本家から独立し、商売をやってカネを蓄えたのであろうか、昭和の初めに庭に大きな池を作り、コイを愛でていたらしい。

 ところが、その後、没落したわが家の池は壊れて水が漏り、使えなくなってしまったが、そんな池がわが家を助けることがしばしばある。
 大雨のとき、この池に雨水が溜まり、その後、地下に浸透するのだ。

 古い庭だから、雨水の浸透桝などというしゃれたものがわが家にはない。
 だから、大雨ともなれば、この池が頼りで、壊すこともままならない。

 首都圏外郭放水路は、理屈でいえば、わが家の池と同じような作用をするが、もっと進んでいるのは溜めた雨水はポンプで排水される仕組みであることだ。

 首都圏外郭放水路のお陰で助かった家が多いことは確かで、これから、このような施設が多数必要になりそうだ。

 区画整理をやったところや団地などでは雨水の貯水池みたいなものが必ず作られている。

 これがないと、大雨の時決まって水が出て、床下、床上浸水になる家庭がでる。
 先見の明というか、カネがないと作れないが、こういう都市基盤の整備への公共投資をやらないといざというときにどうにもならない。
posted by 遥か at 17:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 災害対策
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