被災地支援で初めて知った「水のない生活」…反省の念から教授が改良、持ち運びできる「造水機」という災害の多い日本の救世主のようなニュースを9月16日の読売(菅原智記者)が夕刊で伝えている。
山梨大発のベンチャーで一般社団法人の「小さな水」(甲府市)が、水路や沢などの水を浄化して生活用水に変える「可搬型小型造水機」を開発した。能登半島地震の支援に携わった経験から、既存装置を軽量化し、キャリーケースで持ち運びできるよう改良した。同法人は「インフラ維持が課題となる過疎地域などで広めたい」としている。
山梨大で水質汚染などを研究する西田継教授(57)らが開発した。西田教授は同法人の代表理事だ。
「ロカロカ」と名付けられた新装置は、水路などからくみ取った水に紫外線を当てて細菌などを除去し、フィルターで濾過(ろか)する。1台で1日5〜10トン(10〜20世帯分)の生活用水を確保でき、風呂やトイレの水として利用できる。
首都圏の田舎町に生まれ育ち、災害にはラッキーなことに縁がなく過ごしてきたが、そんなわが家でも大きなトラブルに見舞われることになった。
祖父が作った池、自分が子どもの頃はすでに壊れていたが、集中豪雨などの時にこの池に水がたまり、自然に地中に浸み込んで水害を防いでくれていた。
ところが、水がなくとも転落するとケガするからということで、解体して埋めてしまったら、大雨が降ると庭に水が溜まってしまうことに気づかされた。
床下浸水というと大袈裟だが、困り果て、結局、排水路を水道業者に設置してもらい何とか水が溜まらないようにはなった。
昔から住んでいるので、井戸があるのだが、消毒していないので飲料不適ではあるが、いざとなればトイレやふろ、洗濯などには使えるので、停電時のためにモーターから手押しポンプに切り替えた。
今度は労力が大変で、なかなか思うようにはいかない。
災害に遭ったわけではなくとも、普段からいざという時のことを考えておくことが重要なことがわかった。
能登半島のような地方で、住宅が少ないと政府の支援も手ぬるい感が否めない。
れいわ新選組の山本太郎代表が国会で政府の支援の遅れを厳しく追及していたことを思い出す。
飲料水は給水車で何とかしのげたとしても、トイレ、風呂、洗濯の水に困ってしまう時、造水機が役立つ。
山梨大学の西田継教授らの努力にエールをおくりたい。
海水を真水にする技術で海外で支援活動をしている人のことを以前書いた記憶がある。
水といえば、上水道、下水道となるが、下水を浄化して浄水となれば、飲食以外では使える。
ライフラインとはよく言ったものだが、水とトイレは何としても不自由しないように取り組む必要がありそうだ。