「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」から「TPP新聞」VOl.25 2025年8月が手許に届いている。
有機無農薬での野菜作りを実践してきたので、食の安全には大いに関心があり、原告団にも加わったことがあるくらいだが、結果的に地裁で敗訴した段階で、勝ち目がないと判断し原告団からは外れた。それでも、会を支援するサポーターとして残っているため、会報である「TPP新聞」が届く。
その間、国が種子法を廃止したため、「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」は、「種子法廃止違憲確認訴訟」を始めたが、一審で敗訴したため、控訴するも、「食料への権利」は認められなかったため、3月4日、最高裁に上告した。
弁護団共同代表の田井勝弁護士が最高裁に上告したのは「誤った憲法解釈、法解釈を正す。それが最高裁の役割」だからと紙面の1面で訴えている。
1952年に主要農作物種子法の制定で、戦後の食糧難を克服し、国民に安定した食を保障することを目指した。
1999年には食料・農業・農村基本法で良質な食料が安定的に供給されることは国民の権利であり、国の義務であると明記されていると上告理由に加えている。
種子法が廃止されて以降、民間品種「みつひかり」の不正事件やコメ不足、食品表示の厳格化などが起こっていることで原告団にも不安が共有されている。
国家権力の力は強く、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)はすでに動き出しているが、それでも、生協など食の安全と安定供給に関心を持つ団体や個人は日本の食料自給率の低さなどから、食料の安定供給について心配していたところに、令和の米騒動で、コメ不足を補うためと称して政府は備蓄米の放出に踏み切った。
TPP違憲訴訟と種子法廃止違憲確認訴訟については、オールドメディアとされている新聞やテレビではほとんど取り上げられることがないから、一人でも多くの人に知ってもらいたいと、こうして発信している。
とかく、人は自分に直接かかわりがないと判断すれば、他人事にしてしまう傾向がある。
しかしである。
冷静に考えてみれば、食の安全、安定供給の問題であることを理解すれば、他人事だなどと言っている場合ではない。
後期高齢者になってしまった自分はともかく、子どもや孫の世代の食料のことを考えれば他人事だなどと言ってられない。
種子法廃止は多くの人たちに関わりのある問題だから、少なくとも社会問題としての意識を高めてもらいたい。