日本で最も深刻な海洋プラスチックごみ問題の一つが、漁網や釣り糸などが海に流出して漂う「ゴーストギア(幽霊漁具)による被害だこの問題の解決策として、海で溶けるプラスチックの研究が注目されている。と8月4日の読売(鬼頭朋子記者)がくらしサイエンスの紙面で伝えている。
解決策の切り札として注目されているのが海中にいる微生物の働きで水と二酸化炭素に分解する「海洋生分解性プラスチック」だ。
東京大学や愛媛大学などのチームは高分子化合物「ナイロン」の一部は海水に長期間つければ分解できるとする研究成果を2025年発表した。
環境省の調査によれば、海岸に漂着したごみのうち、約7割(重量比)はプラスチックで、漁網などの漁具が約6割を占めた。
15年度から、回収に取り組む自治体には補助金を出す制度を設け、2025年度は約37億円を投じた。
一方で、廃棄漁網を再利用した素材を使い、服やバックに商品化した気仙沼の元地域おこし協力隊員、加藤広大さん(28)の取り組みについて8月30日の読売(浅井望記者)が夕刊で伝えている。
お勤めをしていた頃、半世紀も前の時代は職場で旅行したりしたことがあった。
伊豆の熱川だったか、土産物店で漂着した流木を使ったものいれが気に入り、買い求めて大事にしている。
古いタイプ、時代遅れの後期高齢者の一員としてはプラスチック製品は便利だから使うけれど、好みではない。竹や木工製品が好きだ。
プラスチックは地中の微生物でも分解させられず、早く言えば、腐らないから、畑ではごみとなるだけである。
ところが、近年驚くべきことが起きた。
ほとんどの農家が使っているだろう草除け、保温などに効果がある黒いマルチングシート(通称マルチ)が微生物によって堆肥化できることになったというのだ。
有機無農薬での野菜作りを実践している立場としては、マルチを使ったことがなかった。実際に使っていないわけだから、マルチが堆肥化できても直接的には関係がないが、ごみを減量できるのは佳いことである。
畑則ち地中の微生物には大いに関心があるが、海に行くことは少ないし、釣りもしないから漁具のプラスチックの微生物による分解を意識することは少なかった。
ペットボトルが海に漂流中、マイクロチップス化して、環境問題で騒がれている。
海は広いし、大きいから目立たないが、海を汚すのは人間であり、プラスチックの便利さを知ってしまったのも人間だから結果的に自分で自分の首を絞めることになる。
プラスチック系の品物が微生物によって、分解されることは環境問題で大きな進展である。
再利用した素材を使った服やバックとして商品化することもプラスチック製品をただ捨てないという意味においては大変佳いことだ。