2025年08月10日

爆心地から半径500b内、奇跡的に生き延びた78人の証言

 NHKスペシャル戦後80年「広島グラウンドゼロ 爆心地500m 生存者たちの“原爆”」を視聴し、激しく心を揺さぶられたので書いておく。

 「原爆の炸裂で、史上最悪の“死のゾーン”となった爆心地=グラウンドゼロ。広島で半径500m以内にいながら、奇跡的に生き延びた78人がいた。あの日、彼らは何を体験したか、そして戦後をどう生きたか。彼らが語った110時間に及ぶ証言テープが残されていた。刻まれていたのは、78人しか語ることができない爆心地の衝撃的な光景。最新科学で検証・映像化。そこから浮かび上がった核兵器がもたらした“極限の真実”とは―。」と㏋にある。

 
 8月9日、午前11時2分、ナガサキへの米軍による原爆投下で犠牲となった人たちに黙とうを捧げた。
 10日にはナガサキの原爆関連で書くべきところだが、どうしても書いておきたいことがある。
 
 同じ被爆地ヒロシマで爆心地から半径500b以内にいながら、奇跡的に生き延びた78人がいて、彼らが体験した被爆の実相、目撃したものを最新科学、CGというのかで検証、映像化しているのを視聴して、被爆の恐ろしさに激しく心を揺さぶられた。

 爆心地から半径500b以内といえば、普通なら生き延びられないはずだが、78人には、運があったのか、幸いにも生き延びることができた。
 その証言は、いずれも被爆の実相を物語るもので、そのあまりにも悲惨さに気持ちが、溟い海に引き込まれそうになってしまった。
 例えば、銀行の石段に残る「人影の石」はあまりにも有名だが、すぐ近くのコンクリートの建物に守られ、、耳が溶けたというか取れてしまうも生き延びた男性がいた。
 モンペなどの衣類が高熱で肌に焼き付いてしまうとか、考えられないことが起きている。
 苦しまないで被爆死してしまえば、まだしも、死ぬまでに苦しみ抜き、「水をくれ」とうめきながら、死んでいった被爆者の様子を伝える証言には、この世の地獄としか思えず、いくら米国が人種差別の国だから、ゲルマン民族のドイツには原爆を落とさず、カラードピープルでイエロージャップとバカにしてた日本だから原爆を投下、しかも、ヒロシマ、ナガサキと2回もだというのだから自分は米国政府を赦せず、反米だと立場を明らかにしている。

 しかしながら、原爆投下から80年経ってしまったことを思えば、前を見て生きるしか術がない。
 と考えれば、貴重な証言を残してくれた78人の証言を一人でも多くの世界の人々に語り継ぐことで、核兵器の恐ろしさを訴えることができるはずだ。

 先般、観ている『黒川の女たち』で開拓団をソ連兵や中国人などからの略奪、性暴力から守って貰うために、ソ連軍の将校たちに助けを求め、その代償に性奴隷として差し出された開拓団の未婚の女性たち15人のうち、事実関係を証言した女性のことを取り上げていた。

 満州(現中国東北部)や朝鮮半島で、ソ連兵や中国人や朝鮮人などから性暴力をされた女性は多いが、目撃証言はあるものの被害者自らが証言したものはほとんどない。
 だから、性暴力の被害者が証言した黒川開拓団の女性の証言は貴重である。

 同じように、爆心地から半径500b以内で助かった人たちが目撃した被爆者の実相は極めて価値が高い。

 ヒロシマ、ナガサキと原爆資料館があって、ここに行けば、被爆の実相が理解できるようになっているが、NHKが放送してくれた証言+CGはTVの前に自分がいることを忘れさせ、現地にいるかの様な臨場感がある。
 この証言を平和のために有効に活用してもらいたい。

 8月4日の読売(小松大騎記者)夕刊によれば、爆心地から500b以内で被爆した近距離被爆者の生存者は爆心地から460bで被爆した友田典弘さん(89)だけになり、母校などで被爆について語っている。