プラスチックの小さな断片「マイクロプラスチック(MP)」について、海洋研究開発機構などの国際研究チームが世界の海洋で行われた調査結果を解析し、海面付近だけでなく、海溝のような深海部に至るあらゆる水深で高濃度で含まれていることを明らかにした。生態系への影響が懸念されており、「既に無視できない量に達している」と警鐘を鳴らしている。と5月1日の読売が夕刊で伝えている。
MPは大きさ5ミリ・メートル以下の粒子で、ペットボトルやポリ袋などが波などで細かく砕かれてできるほか、研磨剤などにも含まれる。海洋流出が問題となっている。
研究チームは、2014年から24年に各国の研究者が太平洋や大西洋など1885か所で行った調査について、記録を解析した。その結果、海水1立方メートルに含まれていたMPの中央値は205個で、汚染は広範囲に広がっていた。北太平洋の水深2000メートルで同600個確認されるなど、深海でも高濃度な地点もあった。
同じ読売が5月16日の夕刊で「『透明な紙』脱プラ期待」「従来より厚みコップ・ストロー活用」という見出しで海洋研究開発機構などのチームが植物由来のバイオマス素材「セルロース」を原料にした厚みのある「透明な紙」を開発したことを伝えている。
便利さを追求する人たちがプラスチックを作り出した。当初はこれは便利だと人々は大喜びしながらどんどん使い、用途はどんどん広がった。
水に濡れると苦しい紙袋に対し、ポリ袋は水に濡れるどころか、水を入れても大丈夫だったりとかでどんどん普及した。
次いで、同じ容器でも、飲み物を入れるのにビンは重いからということでペットボトルが開発されるや、ビンと較べて格段に軽くて丈夫なことからあっという間にビンから容器の座を奪った。
ただし、ビールだけは、ペットボトルは適さず、こちらも優秀な人間がアルミ缶を使うことを思いついたのか、今ではビンビールはお目にかからなくなった。
有機無農薬での野菜作りをしているが、保温と除草のためにマルチングシート所謂マルチなるビニールを畑に敷き詰める人がほとんどで脱プラスチック派の自分くらいしかマルチを使わない人はいない。
昔から人々は何でも川に流してしまったことから、川から海に運ばれる間に微生物なりに分解してもらえる有機物は問題なかったが、生憎プラスチックはそのまま海に運ばれてしまい、海洋でマイクロプラスチック化し、生態系に影響を及ぼすことになってしまった。
買い物をするとくれたビニール袋、ポリ袋も滅茶苦茶に普及したが、脱プラスチックで有料になったので、相対的には減ったのではないか。
一方で、脱プラスチックということで、米国型使い捨て社会からやってきたストローやスプーンなどがプラスチック製から紙や竹製などに代わりつつある。
水俣病の原因企業チッソが工場廃液から流した有機水銀はプラスチックの材を作るために出たと耳にしたことがある。
こうしてみると、これからは脱プラスチックで、川に流さない、海に流さないだけでなく、プラスチックの代替品を有機物にしていくことが求められている。
何故なら、有機物なら微生物の力で土に還せるからだ。
深海にまで、マイクロプラスチックが浮遊しているようでは、環境によかろうはずがない。