2025年05月10日

撤回するなら発言する資格なし 沖縄県民は怒っている

 「西田氏発言撤回 これで謝罪と言えるのか」というタイトルで5月10日の沖縄タイムスが社説で県民の怒りを代弁している。

 一転、発言撤回に応じたのは無神経だったと気付いたからだという。「あの場でひめゆりの塔を持ち出して話すことが、県民の皆さんの心に傷を負わせた」とした。
 問題は場をわきまえなかったことにあるのではない。
 あいまいな記憶に基づいて「あそこはひどい」と侮辱し、「歴史を書き換えた」と決め付けたことにある。矮小化は許されない。 
 今回も「発言は事実」と繰り返し、自身の歴史観をとうとうと述べる場面が目立った。
 
 再び事実をゆがめる発言を繰り返した。
 「沖縄の場合は地上戦の解釈を含めてかなりむちゃくちゃな教育をされている」との部分については撤回しないと明言した。
 沖縄は米軍統治が27年間にわたって続いたことを挙げ「アメリカに都合がいい教育をしてきた」として「反日教育」に染まったと主張したのである。
 だが、認識不足もはなはだしい。
 占領当初、米軍は日本の教科書使用に反対していたが、予算上の理由から方針を転じ、1948年からは沖縄でも日本の教科書が輸入、使用されている。

 沖縄戦を巡っては過去も度々、日本軍に都合の悪い事実を隠す動きが問題となってきた。
 81年度の教科書検定では高校日本史から日本軍による住民殺害の記述が削られたが、県民の反発を受け翌年度に記述が戻った経緯がある。
 2007年にも教科書の「集団自決」記述から「軍の関与」がなくなったことを受け大規模な県民大会が開かれた。
 そうした県民の声にこそ向き合うべきだ。
 以上、要旨である。


 れいわ新選組の大石晃子衆議院議員から裏金議員と厳しく糾弾される立場である西田参議院議員は裏金議員としての反省もなく、石破総理に辞めろと発言していた。
 西田議員の事実ではない発言で沖縄県民の反発を恐れた自民党幹部は次期選挙で公認しないことをちらつかせて発言撤回を求めたのであろう。あれほど強気の発言をしていたにもかかわらず、発言撤回とは情けない。その内容も全面的に謝罪したものではないという姑息なもので、全く信用できない人物であることが世間に知れ渡った。

 昨日、参議院議員という立場にありながら、沖縄戦のことをきちんと勉強もせず、保守的な立場からの事実に基づかない発言を繰り返していることを糾弾したばかりである。
 自民党は選挙で公認すべきではない。

 沖縄タイムスの社説氏も書いているが、保守派はどうして事実関係を認めようとはしないのか。
 日米地位協定の不平等問題の解消には全く取り組もうとせず、遺骨収集への支援という己の果たすべき役割を果たさず、勝手なことばかり言っていては人間として信用されなくなるばかりだ。

 日本軍による住民殺害の事実。集団自決に軍が関与していたこと。
 具体的には、ガマに隠れていた住民を追い出す。あるいは乳児が泣き声をあげると米軍に見つかってしまうからと母親に銃口を突き付け、黙らせろと命じたこと。
 降伏しようとガマから出て行こうとすると後ろから日本軍に撃たれたこと。
 琉球の言葉が理解できないからと、スパイだとして疑われたこと。
 日本軍の関与がなければ、兵士ではない住民が米軍に殺されることはなく、住民は集団自決に追い込まれることにはならなかったこと。
 師範学校や高等女学校の学徒を鉄血勤皇隊やひめゆり学徒隊として、日本軍に協力させたにもかかわらず、日本軍の戦いは、沖縄の住民を守るための戦争ではなく、本土の防波堤にするための戦争だったということに尽きる。

 事実関係をきちんと調べもせず、県民の証言を確認せず、勝手な思い込みで、選挙での公認をされないことをちらつかせられただけで、発言を取り消す。
 議員の資質はない。

 怒り心頭の沖縄県民には選挙で意思を示してもらいたい。さらに、選挙で投票する有権者の京都府民は裏金議員を許さない。かつ事実に反する発言を繰り返すことを許さないという意思を示してもらいたい。