2025年03月23日

戦没者遺骨収集と戦跡を残すことを訴えている女性

 語り継ぐ戦争の立場から、戦後80年ということでメディアが積極的にアジア太平洋戦争について様々な視点から取り上げている。
 毎年、語り継ぐ戦争に力を入れてきた読売や現代ビジネスなどが伝える戦争の実相は自分の立ち位置から見ても大変勉強になった。
 YouTubeも大いに参考になっている。

 語り継ぐ戦争、戦没者慰霊のための行脚で全国を周ってきた立場から、遺骨収集にも大いに関心があり、保守派とされている人たちがA級戦犯が合祀されている靖国神社にばかりお参りし、戦没者の遺骨収集には見向きもしてこなかったことに怒りすら覚えてきた。

 偶々開いたYouTube、れいわ新選組から7月の参議院議員選挙に京都選挙区から立候補するという西郷南海子さんのおしゃべり会で、アジア太平洋戦争における戦没者の遺骨収集と戦跡保全に当選したら取り組みたいと意欲を語っていたことに嬉しくなったので書いておく。

 議員の選挙に立候補した人で戦没者の遺骨収集に取り組みたいと発信した人を知らない。
 初めてではないか。
 西郷さんは鎌倉育ちで、現在同じ古都の京都に住んでいるそうな。
 子ども3人のシングルマザーだということだが、編集者をしていた父親の影響で「ならぬものはならぬ」という会津の「什の掟」を実践するような女性らしい。
 会津だかられいわ新選組なのかと思ったのは自分だけだろうが、その精神は見上げたものだ。
 おしゃべり会で驚いたのは、子どもを連れ、テニアン島に行っていると言ったときだ。
 そう、テニアン島からあのエノラ・ゲイが出撃し、ヒロシマ、ナガサキに原爆を落としたからだ。

 若い頃、サイパンに着いた時、ホテルからタクシーでバンザイクリフに行きお参りしたことがある。
 グアムにも行ったが、横井ケーブルには行かずじまいだった。
 テニアン島は残念ながら頭に浮かばなかった。
 さらに、遺骨収集の話になると沖縄のガマフヤーこと具志堅隆松さんの名前が出てきたことにさらに驚かされた。
 ポレポレ東中野で『骨を掘る男』として映像化された具志堅隆松さん。
 具志堅隆松さんの手掘りの作業に対し、重機を使った国の遺骨収集は死者を敬う気持ちなど毛頭ないが、その遺骨が多量に含まれている土で辺野古の海を埋め立てするという罰当たりなことをする自民党、公明党政権に批判的な自分と同じ考えであることが分かってまたしても嬉しくなった。

 沖縄と霞が関の議員会館で話したことがある具志堅隆松さんのことをまだ若いシングルマザーの西郷さんがご存じだったことに感動した。

 語り継ぐ戦争、戦没者慰霊のための行脚は誰かに頼まれたわけではないし、当然、自慢できるようなことでもない。ただただ、戦争で犠牲になった人たちのお陰で、自分が平和な時代を生きられたことに感謝の気持ちを形に表す意味で供養のためにお参りさせていただいただけのことである。

 京都は鎌倉同様好きな街であるが、西郷みな子さんを応援したくとも京都で知人とて頭に浮かばない。けれど、戦没者に感謝の気持ちを抱く西郷さんの力にはなってやりたい。

 京都の学校では修学旅行で広島に行かない。平和公園にも子どもたちを行かせないようにしている動きがあるそうな。
 九州への修学旅行では佐賀、大分、熊本だったか、わざと長崎を避けているとも耳にした。
 いよいよ、平和が脅かされているとしか思えない。

 だからこそ、原爆ドームや戦跡を保全していかなければならない。

 家族でナガサキに行き、ヒロシマにも行っている自分としては、次世代に戦争を原爆の惨禍を語り継いでいるが、一人でも多くの人に戦争を語り継ぎ、平和な世の中を守っていきたい。