2025年03月18日

自民は差別を許す政党になり下がったか

 自民党が今夏に行われる参院選比例代表候補に杉田水脈元衆院議員を公認した。少数者に対する差別的な言説を繰り返し、レイシズム(人種差別主義)と批判される人物。同党派閥の裏金事件でも政治倫理審査会に出席せず、説明責任を果たさなかった。

 全国民の代表である国会議員としての資質が疑われる候補を擁立したことで、自民党の人権感覚や「政治とカネ」に対する姿勢が厳しく問われるのは当然だ。と東京新聞が社説で取り上げたことを3月17日のWEBで伝えている。

 杉田氏は2016年に国連の会議に参加した際、自身のブログなどに「チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場」「同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなる」と投稿。23年に札幌と大阪の法務局が「人権侵犯」と認定した。

 18年には、月刊誌「新潮45」への寄稿で、同性カップルを念頭に「彼ら彼女らは子どもをつくらない。『生産性』がない」と主張。差別的な表現に批判が相次ぎ、掲載誌は休刊に追い込まれた。

 さらに、今や文春砲として、炸裂したらターゲットにされた人物が震え上がるほどの影響力がある週刊文春の
文春オンラインにプチ鹿島さんが寄稿している。そのタイトルが「る”と…『私は差別をしていない』差別を正当化する杉田水脈(57)は、なぜ自民党で『重宝』されるのか《参院選立候補》」だ。
 
 『宗教右派とフェミニズム』(ポリタスTV編、山口智美/斉藤正美、青弓社)に経緯が詳しいので要約して抜粋している中から理由を挙げている。
 《統一教会が2000年代はじめに特に盛んになった、フェミニズムや男女共同参画への反動(バックラッシュ)の動きの中の中心的な団体だったことに触れるメディアはほぼ皆無だった。》

 ここで「バックラッシュ」という言葉が出てきた。杉田氏は人権侵犯と認定されたあとに言動を正当化する動画をSNSに投稿した。曰く「逆差別、エセ、それに伴う利権、差別を利用して日本をおとしめる人たちがいる。差別がなくなっては困る人たちと戦ってきた。私は差別をしていない」。

 《利権や特権など存在しない。にもかかわらず、「マイノリティーが差別を主張することで不当な利益を得ている」と訴え、マジョリティーの不満をあおる。現代における差別扇動の典型的な表現だ》と社会学者の明戸隆浩・大阪公立大准教授は述べている。


 毎日、書き続けているのは「自由」のためであり、プラス人としての「尊厳」ということも大事なことだと認識している。
 自由には言論、表現の自由ということがまず、考えられるが、頭で考えることは誰も止められないし、誰にも迷惑をかけることではないので棚上げしておく。
 しかし、言論、表現の自由というのは、他者のことを誹謗中傷するものであってはならないということだ。
 例えば、同性カップルが子どもを産まないから生産性がない。と発信することは公職にあるなしに関わらず危険な考え方である。
 神奈川県相模原市の福祉施設で起きた殺傷事件で、加害者の男が一方的に自らを上から目線で生きていることだけで価値があるという考え方とは正反対の考えで多数の入所者を標的にした。
 他者を生産性がないなどということで見ている人間は危険だ。
 その延長線上にある考え方は想像しただけで空恐ろしい。
 日本の原住民であるアイヌ民族や朝鮮半島の人々に対する見方も似たようなもので、こんな人物が国会議員に選ばれてしまうのは、自民党の責任である。
 自由と民主主義で自民党という名前がついているのではなかったということか。
 自由のために書き続けているくらいだから、「明日枯れる花にも水をやる」のが政治家としての信条だった大平正芳元首相が好きだったし、自民党にいる数少なくなってしまった良識派を評価してきたが、次の選挙だけは、比例で自民党と書かないように周囲の人にお願いしてみるつもりだ。
posted by 遥か at 10:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 人権