月に一度の映画館行き、3月は『NO OTHER LAND 故郷は他にない』を観てきた。
入植者を住まわせるため、強奪したヨルダン川西岸地区の町からパレスチナ人を追い出そうと街を破壊するイスラエル軍。故郷を守ろうと破壊される街の様子を撮影し、世界に発信するパレスチナ人青年と自国の行為に批判的なイスラエル人青年が出会い友情を育むドキュメンタリー作品。2023年10月までの4年間にわたり記録されている。
2024年・第74回ベルリン国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞、第97回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞も受賞した。
ヨルダン川西岸地区、マサーフェル・ヤッタがイスラエル軍に占領され、長く住んでいたパレスチナの人々の住宅、学校、井戸が非情にも解体され、パレスチナの人々が抗議すると機関銃を構えた兵士たちに排除される。
イスラエルの非道な振る舞いを撮影し、世界に発信していたパレスチナ人青年。故郷を守ろうとイスラエル軍に抵抗を続ける。
自国がパレスチナの人々に行っている非人道的な暴力行為に批判的なイスラエルのジャーナリストの青年が同い年のパレスチナ人青年の許にやってきて、敵味方の間柄を超えた友情を育むが・・・。
中東でエジプト、サウジアラビアと並ぶ大国イランで、女性が被るヒジャブの着用をめぐって警官隊に若い女性が殺害されたのではないか。ということで抗議デモが起きたをことを背景に、自由と人権保護を求める女性たちと旧来の家父長制度に縛られる家族が崩壊していく様子が描かれた『聖なるイチジクの種』を2月末に観たことで、中東のことが少しは理解できた。
イスラエルが建国したのは1948年だったか。確か、『栄光への脱出』という映画で描かれたと記憶するが、生憎観てはいない。
イスラエルを構成するのは多くがユダヤ人で、聖書の創世記を若い頃読んだとき、あるいは百科事典だったかでそのユダヤ人がエルサレムから世界に離散し、米国、英国が後ろ盾となって、パレスチナの人たちが住んでいたエルサレムにイスラエルを建国した時、世界中から移住してきた。
ユダヤ人といえば、ナチスのヒトラーに酷い目にあわされたことで知られるが、立場が逆転し、パレスチナの人々に非道なことをしていることがこのドキュメンタリー映画で理解することができた。
日本人が遠い中東のことだと他人事で見ていてはいけないのは、昭和100年のアジア太平洋戦争で中国大陸に満州国という傀儡政権の国を作り、満蒙開拓団を送り込んだこととイスラエルがパレスチナの人々にやっていることはそっくりだからだ。
ロシアがウクライナに侵略して、ウクライナが市民の命と領土、自由と民主主義を守るために防衛戦争をしている時、パレスチナのイスラム武装勢力ハマスがイスラエルに侵攻し、人質を取ったことから、怒ったイスラエルがガザ地区で徹底的な破壊と殺戮をした。
どっちがどうなどと言えないが、他国を侵略することが許されるはずがないことだけは断言できる。
中東パレスチナといえば、日本赤軍が反米反帝国主義ということでパレスナの人々への連帯ということでテルアビブ空港乱射事件を起こしたことで知られる。
そのリーダーも日本に帰国し、捕まってもう罪を償ったいるかもしれない。
自由と民主主義が大事だとつくづく思うが、差別発言を繰り返す女をまたぞろ自民党が参議院議員選挙の候補者にしたと伝えられている。
自民党が差別主義者を公認するような政党だったのかと失望すると同時にこの党が終わったことを痛感させられた。
自由と人権ということがいかに大事かということを教えてくれるこの映画を多くの人に観てもらうようにお薦めしたい。