ロシアのウクライナ侵略から本日、2月24日で3年が経った。国力に歴然たる差がある中で、祖国を故郷を家族を守るためにウクライナの人々はよくぞここまで戦い抜いてきた。エールをおくりたい。
「石の上にも3年」というように3年頑張れば成果が出ると昔の人は言い伝えてくれた。
ウクライナの人々がここまで抵抗できたのは米国を筆頭に欧州の国々が支援してきたからにほかならない。
その理由は、第二次世界大戦以降、武力による他国への侵略をしないことを暗黙の約束として、それぞれの国が守ってきたからである。
ところが米国にトランプ大統領が誕生するや、ウクライナへの支援を止めたいばかりに両国に停戦を呼び掛けるも、ウクライナにいちゃもんをつけロシアの言いなりに停戦をさせようと目論む。
ロシアが奪ったウクライナの領土を返還しないとなれば、武力による国境の変更、つまり侵略が認められたことになり、すぐに、中国が台湾に侵攻することが目に見えている。
ロシアのウクライナ侵略が3年となる前に、ウクライナで起きたこと、これからどうなるかなど読売が伝えている。
「ウクライナ侵略3年」と題し、2月17日からの連載では、「ハルキウの作家 遺作になった『占領日記』」「連行前日 庭に隠す」という見出しで、占領地を拡大し、「ロシア化」を図る相手に抵抗する記録を出版することなどを通じて文化を守る姿を伝える。
2月20日には「元捕虜男性 性被害の苦悩」「性暴力 自尊心砕く」「父、子と触れ合えず」「神父、抗うつ剤今も」という見出しで、女性に対する性的暴行ばかりでなく、男性、しかも神父にまでも性暴力という鬼畜行為を楽しむロシアの兵士たちの異常性を伝える。
2月22日には「学生の手から前線へ」「寄付集め、寮で無人機製作」という見出しに女子学生が無人機を作る様子を伝える写真が添付され、戦況を左右する重要な兵器をウクライナ防衛のために懸命に作る様子を伝える。
2月20日には、「露、強気の停戦交渉」「成果急ぐトランプ氏 見透かす」「『ウクライナ抜き』不満という見出しでロシア寄りの停戦を進めようとするトランプ大統領に危惧していることをスキャナーと題する紙面で伝える。
2月22日には解説の紙面で、「露の要求 丸のみ恐れ」、「報い受けねば 秩序弱体化」、「欧州部隊 派遣へ準備多難」とTVでおなじみの東大の小泉悠准教授、新米国安全保障センターのリチャード・フォンテーン理事長、そして、欧州外交評議会カミーユ・グラン政策フェローがそれぞれの見解を語っているのを見出しで紹介していた。
ロシアがウクライナに侵略、ウクライナの領土を不法占拠し、住民をロシア化させようとしていることを日本人は他人事とみてはならない。
アジア太平洋戦争で米国との戦いに敗れて80年という節目の2025年。
1945年8月15日に武器を捨ててしまった日本兵たちはソ連軍にシベリアに連行され、抑留され労働をさせられた。
戦後80年、この間日本の政権のほとんどを担ってきた自民党が米国のぽちという独立国家とはとても思えないような米国隷従の姿勢をとり続けてきた結果、広大な面積の米軍基地があることで、米国に逆らえない状況が維持されている。
米軍基地があることで、ロシアと中国そして北朝鮮が日本に侵略することができない状況ではあるが、仮に、中国が台湾に侵攻すれば、米国は自衛隊に戦わせようとすることは目に見えている。
ウクライナに米国が武器を援助したことで、ウクライナは3年持ちこたえたが、トランプ大統領が援助を停止すれば、もう持ちこたえられないので、ウクライナの領土を取り戻すことが難しくなってしまう。
日本が敗戦で北方領土を奪われたまま、取り戻すことができないようにウクライナがロシアから領土を取り戻すためには戦いに勝利するしかない。
米国主導の停戦交渉は、力が正義となりかねず、大国のエゴで戦後80年維持されてきた日本の平和も危うくなるだろう。